円高反転の動きは持続する?_3/13(水)

今日の環境分析 2024年3月13日

 昨日発表された米国の2月の消費者物価指数は、前年同月比+3.2%と市場予想の+3.1%を上回りました。インフレ率の鈍化基調は続くものの、半年以上横ばい圏が続いていることから、インフレ圧力が持続しています。今週木曜日に発表される小売売上高や生産者物価指数の内容にも注目する必要がありますが、6月利下げ開始の道筋を確認する結果となりました。米国の金融政策に変化はないと思われ、日銀の金融政策転換に注目が集まっています。USDJPYは、昨日コメントしたように目先的な反転の動きを強めました。しかし、JPYの強さには変化が見られないことから、反転の動きは限定的と考えています。

 通貨相関からも、こうした動きを確認することができます。JPYの強さが継続している一方で、USDは下位足で強さを回復しました。JPY・USDともに下位足の強さから、USDJPYの動きを限定的と考えています。マイナー通貨全般に弱い動きが目立ってきており、相対的にEUR・GBPの強さが回復しました。JPY買い、マイナー通貨売りの通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: JPY・GBP・EUR
 弱い通貨: AUD・NZD・CAD

 日足   : JPY>EUR>AUD>GBP>NZD>CAD>USD
 4時間足 : JPY>USD>GBP>EUR>CAD>AUD>NZD

 昨日、日銀総裁は参院財政金融委員会において、「今週、追加的なデータや情報が入ってくると思う」と発言し、来週の日銀金融政策決定会合におけるマイナス金利解除の時期を探る姿勢をみせました。本日は春闘の集中回答日のため、好調な賃上げを確認することになります。賃上げの状況は、日銀の金融政策のための重要な追加的情報となります。水準次第では、来週の日銀金融政策決定会合における早期政策転換の可能性を高めることが想定されるため、JPYの動きに警戒しておきたいと思います。

米CPIに警戒!!英失業率も注目!_3/12(火)

今日の環境分析 2024年3月12日

 昨日は、日本の第4四半期GDPの改定値が発表され、速報値のマイナス成長からプラス成長に修正されました。2四半期連続のマイナスを回避したことで、来週の日銀金融政策決定会合における金融政策の変更の動きが早まる可能性がでてきました。こうした点がJPYの強さにつながっています。USDJPYは146円台に入ってきましたが、150円から目立った調整もなく下落の動きが過熱していることから、目先的には147円台での反発の動きを想定しておきたいと思います。

 通貨相関からは、JPYの強さとUSDの弱さが続いています。ともに4時間足・日足で最強最弱通貨の位置づけになりました。USDは週足でも最弱通貨になるなど、長期的なUSDの弱さが目立つ状況になってきました。USDにつれてCADの弱さも同様です。AUD・NZDが堅調な動きになっており、相対的にEUR・GBPが弱くなっています。JPY買い、USD売りを軸に通貨選択をしたいと思います。ただし、本日は米国のCPIの発表を控えていることから、USDに関しては慎重な投資姿勢で臨みたいと思います。

 強い通貨: JPY・AUD
 弱い通貨: USD・CAD

 日足   : JPY>AUD>EUR>GBP・NZD>CAD>USD
 4時間足 : JPY>NZD>AUD>GBP>EUR>CAD>USD

 本日は、米国の消費者物価指数(CPI)に警戒したいと思います。USDの弱さが継続しているなか、この動きが加速するのか否かに注目しています。来週のFOMCにおける金融政策の決定に際し重要な経済指標となるため、市場の注目度は先週末の雇用統計以上に高いと思われます。発表までは様子見の展開が想定されます。また、英国の失業率にも注目しています。GBPの動きに警戒したいと思います。

今週は火曜日の米CPIが最大注目!_3/11(月)

今日の環境分析 2024年3月11日

 先週末金曜日に発表された米国の2月の雇用統計は、雇用者数が+27.5万人増と市場予想の+20万人増を上回りました。失業率は3.9%と1月の3.7%から上昇し、平均時給の伸びは予想を下回る結果となりました。事前予想を大幅に上回った1月の雇用者数は、速報時点で+35.3万人だったものが+22.9万人と大きく下方修正されました。これを受けてUSDは下落しました。日銀の金融政策の早期転換観測から円高の動きが強まったこともあり、USDJPYは一時146円台半ばまで下落しました。市場全般には、小動きに推移したものの月初からの方向性に沿った動きとなりました。

 通貨相関からは、JPYの強さが持続しています。下位足の動きが上位足に波及してきていることから、明らかにトレンドの転換を確認することができます。一方、USD・CADの弱さが継続しています。その他の通貨は、強弱マチマチの状態にあり、方向感をつかみにくい状況にありますが、GBP・AUDの堅調さ、対GBP比でEURの弱さを確認することができます。強弱感の明確なJPYの買いやUSD・CADの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: JPY・AUD・GBP
 弱い通貨: USD・CAD・EUR

 日足   : GBP>JPY>EUR>AUD>NZD>USD>CAD
 4時間足 : JPY>AUD>NZD>GBP>EUR>CAD>USD

 今週は、火曜日の米国の消費者物価指数が最大の注目材料です。そのほか、火曜日の英国の失業率、水曜日の英国のGDP、木曜日の米国の小売売上高と生産者物価指数なども注目されます。米国と英国の経済統計が多く発表されることから、USD・GBPの動きには注意したいと思います。来週には、米国・英国に加え、日本やオーストラリアの政策金利が発表されます。特に、日本・米国の金融政策を見越した動きが市場の波乱要因になると思われます。本日は日本の第4四半期GDPの改定値が発表されます。来週の日銀金融政策決定会合を前に、金融政策の修正観測への影響をみたいと思います。今週から米国・カナダは夏時間に入りました。経済指標の発表が1時間早くなるので注意が必要です。

+1,033.6pips獲得_3月第1週のデイトレード

2024年3月第1週の実績

3月第1週は、9通貨ペアで+1,033.6pipsとなりました。22回トレードし、21勝1敗、勝率95.5%となり、3回トレードを見送りました。1月第1週以来の1000pips超えとなりました。100pips超えとなるトレードが2回あり、勝ちトレードの平均が49.3pipsと大きく取れたのが要因です。

デイトレードにおいては、1時間足のチャートを見るだけで、判断することができます。ノウハウは個別コンサルティングにて提供しています。ご興味のある方は、お問合せください

米雇用統計とJPYの動きに注目!_3/8(金)

今日の環境分析 2024年3月8日

 昨日は、朝方から今月の日銀金融政策決定会合においてマイナス金利政策の解除を発表するとの見方が強まり、さらに日銀中川審議員は2%目標実現へ「着実に前進」と発言したこともあり円高が加速し、USDJPYは147円台まで下落しました。大手企業の賃上げが前倒しで発表されていることも、金融政策変更観測の背景にあるように思います。3月は多くの企業が決算期末を迎えるため、レパトリエーション(国内への資金還流)による想定外の円高に警戒したいと思います。ECBは、事前の予想通りに政策金利を据え置きました。賃金上昇に伴うインフレ再燃懸念から慎重な姿勢を示し、ECB総裁は6月利下げを示唆するなど従来と変わらない想定通りの内容となりました。この内容からEURは一時売り込まれる局面がありましたが、その後反発しています。市場全般には、クロス円通貨を中心にボラティリティが高まり、日足では多くの通貨で売り買いの分岐点と判断しているミドルバンドをまたぐ動きとなりました。ここから方向感のある展開が期待できると考えています。

 通貨相関からは、JPYの強さが際立ちました。AUD・NZDは反発の動きを強め、USD・CADの弱さが継続しました。AUD・NZDの反発の動きを受けて、EUR・GBPの相対的な強さは減退しました。JPYの強さは上位足に波及してきていることから持続性のあるものと考えています。このため、JPYの買いやUSDの売りを軸とした通貨選択をしたいと思います。ただし、USDに関しては今夜の雇用統計の発表を控えていることから、慎重な姿勢で臨みたいと考えています。

 強い通貨: JPY・AUD・NZD
 弱い通貨: USD・CAD・EUR

 日足   : EUR>AUD>GBP>JPY>NZD>CAD>USD
 4時間足 : JPY>AUD>NZD>GBP>CAD>EUR>USD

 本日は、米国の雇用統計が最大の注目材料です。先月、市場予想と大きく上振れるサプライズとなったことから、1月データが下方に改定される可能性が想定されます。2月分のデータと合わせた判断が必要となることから、通常以上に発表後の動きに注意したいと思います。また、カナダの失業率にも注目です。米国経済圏としての雇用環境の実態把握が求められます。
軟調な展開を続けるUSD・CADの動きには警戒したいと思います。再来週には米国のFOMCを控えていることから、FRB高官のブラックアウト期間入り前の発言には注意したいと思います。
 週明けから、米国では夏時間に変わります。日本時間対比で1時間前倒しになります。ちなみに英国と欧州の夏時間入りは3月31日から、オセアニアの冬時間入りは4月7日からになります。

ECB政策金利・総裁発言に警戒!_3/7(木)

今日の環境分析 2024年3月7日

 昨日、米国FRB議長の議会証言がありましたが、サプライズな内容はありませんでした。自信を深めるまで利下げをしないと発言し、利下げ開始時期に関してはあいまいな内容となりました。昨年のシリコンバレーバンクの経営破綻から一年がたち、一部の地方銀行に経営不安が高まっています。高金利の影響を受けた商業用不動産市場の停滞から、これら物件への融資割合の高い銀行不安が出てきています。高金利持続の弊害があらわれてきているとも考えられることから、今後のFRBの金融政策へ影響を与えることは必至と思われます。米国の労働統計では、ADP全米雇用報告では+14万人増と予想の+15万人増を下回り、JOLTS求人数でも予想を下回りまりました。前日のISM製造業景況指数の雇用指数を含め、労働需給の悪化がみられます。明日の雇用統計に一段と注目が高まります。カナダの政策金利は据え置き、利下げ検討は時期尚早と判断されています。市場全般は小動きに推移しました。

 通貨相関からは、EUR・GBPの強さが継続し、JPYが再び強さを盛り返してきました。JPYは、週足・日足で最下位から脱出し、足元の動きが徐々に上位足に波及しているようです。その分、USDの弱さにつながっている模様です。USDにつれてCADの弱さが継続し、AUD・NZDは中立的な位置づけになっています。相対的な強さを持続しているEUR・GBPの買いに対し、下落姿勢を強めてきているUSDの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。ただし、EURは本日のECBの政策金利の発表を視野に入れて慎重な投資スタンスで臨みたいと思います。

 強い通貨: GBP・EUR・(JPY)
 弱い通貨: CAD・USD・(NZD)

 日足   : AUD>EUR>GBP>NZD>USD>JPY>CAD
 4時間足 : GBP>JPY>EUR>AUD>NZD>CAD>USD

 本日は、欧州中央銀行(ECB)の政策金利とECB総裁の発言に注目です。金利据え置き見通しとなっていますが、総裁発言において利下げ開始時期に言及した内容に注目したいと思います。内容次第で足元堅調な展開が続くEURの動きに変化が生じるのか、加速するのか警戒したいと思います。また、米国FRB議長の議会証言が昨日の下院に続き上院で行われます。前日の発言内容と大差ないと想定されるため、サプライズはないと思われます。本日は米国の新規失業保険申請件数が発表されます。これは、他の月次で発表される経済指標と違い、週次で発表されています。このため、足元の動向を最も顕著に示すので、明日の雇用統計の発表を前に警戒したいと思います。

米FRB議長の議会証言に警戒?!_3/6(水)

今日の環境分析 2024年3月6日

 昨日は、東京都区部の消費者物価指数が発表され、2か月ぶりに2%台に乗せてきました。政府の光熱費抑制策の反動によるものです。物価上昇率は基調的には鈍化していることを確認することになりました。米国の2月のISM非製造業景況指数は、前月比-0.8の52.6と市場予想の53.0を下回りました。なかでも同指数の中で雇用指数が悪化したことが嫌気され、USDJPYは150円割れの局面がありましたが、その後、150円台に戻り頭の重い展開がつづいています。クロス円全般に軟調な展開になりました。

 通貨相関からは、JPYは再び相対的に弱い通貨群にもどりました。AUD・NZDの反発の動きが見られる一方で、EUR・GBPが堅調を持続していることから、相対的にJPY・USDの弱さにつながっています。CADもUSDにつれて弱い展開になっています。このため、上位足から下位足まで相対的な強さを維持しているGBPとEURの買いを軸にした通貨選択を継続したいと思います。

 強い通貨: GBP・EUR
 弱い通貨: CAD・USD・JPY

 日足   : EUR>GBP>USD>AUD>NZD>CAD>JPY
 4時間足 : GBP>EUR>NZD>AUD>USD>JPY>CAD

 本日は、FRB議長の議会証言とカナダの政策金利に注目です。FRB議長からは利下げの時期に関する発言に警戒したいと思います。金曜日と昨日発表されたISM景況指数が市場予想を大きく下振れるなど、景気停滞の兆候を示す経済指標の発表が続いています。週末に雇用統計の発表を控えていることから明確な表現は期待しづらいですが、本日の議会証言の一言一句に反応する可能性もあるので警戒しておきたいと思います。カナダの政策金利は据え置き見通しとなる見込みでサプライズはないと思いますが、BOC総裁の記者会見の場でFRB議長同様に利下げ時期に言及するのかが注目されます。そのほか、オーストラリアのGDPの発表を受けて、軟調な展開の続くAUDの動きが加速するのか反転するのか注意したいと思います。また、米国では週末の雇用統計に向けて労働統計の発表が相次ぎ、本日はADP全米雇用報告とJOLS求人が予定されています。昨日のISMにおいて雇用環境にUSDが反応したように、個々の発表内容を注視したいと思います。

日銀総裁発言に注意?!_3/5(火)

今日の環境分析 2024年3月5日

 昨日は、日経平均株価が4万円の大台に乗せるなか、日経平均株価と連動する傾向の強いAUDの上昇がみられました。USDJPYは150円台で推移しているものの、レンジ内から脱却する様子がみられません。USDの強さが低下していることから、USDJPYのレンジ抜けにつながらない模様です。今週予定されている米国の多くのイベントが、USDの方向性を決定づけるのではないかと考えています。

 通貨相関からは、USDの弱さが確認できます。昨日は、前週までの反発の動きが強まり、これまで弱さを示していたGBPが上昇し、上位足でも相対的な上位を占めるようになりました。USDとともにCADの弱さが目立つようになり、EURはGBPとともに堅調な動きとなりました。JPYの下位足での強さは減退しましたが、USDよりも強いためUSDJPYの上値を重たくしている様子です。上位足から下位足まで相対的な強さを示すGBPとEURの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: GBP・EUR
 弱い通貨: CAD・USD

 日足   : EUR>GBP>USD>NZD>AUD>CAD>JPY
 4時間足 : AUD>GBP>EUR>JPY>NZD>USD>CAD

 本日は、東京都区部の消費者物価指数に注目です。全国消費者物価指数の発表は月末になるので、18-19日の日銀金融政策決定会合に影響を与える物価統計として、重要な経済指標の位置づけとなります。昼過ぎには日銀総裁の発言が予定されており、3月の金融政策の方向性を確認することができるのか注目しています。また、米国のISM非製造業景況指数にも注目です。先週末に発表された製造業景況指数は悪化しましたが、非製造業は景気の分岐点となる50を上回り続けています。前週の製造業のサプライズの後だけに警戒しておきたいと思います。さらに、中国では全国人民代表会議(全人代)の開幕や米国の大統領選挙の最重要日とされるスーパーチューズデーとなります。今後の世界経済に大きな影響を与える可能性があるので、注視しておきたいと思います。

明日から材料多く警戒!今日は様子見?!_3/4(月)

今日の環境分析 2024年3月4日

 週末金曜日、植田日銀総裁は「2%の物価目標の実現を見通せる状況にはまだ至っていない」と発言し、前日の高田日銀審議委員の発言を否定する慎重な姿勢を示しました。3月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合におけるゼロ金利解除を否定したと判断され、JPYが急落しました。その後に発表された米国の2月のISM製造業景況指数は、47.8と市場予想の49.4を大きく下回るサプライズとなりました。景気判断の分岐点とされる50割れが16か月連続し、製造業の景気鈍化が継続していることをうけ、USDは急落しました。この結果、USDJPYは前日とほぼ変わらずの水準で終えました。

 通貨相関からは、下位足でJPYの強さが継続しています。依然として日足以上の上位足では最弱通貨になっていることから、足元の動きがどこまで上位足に波及してくるかが注目です。クロス円は、金曜日にコメントしたように日足のミドルバンドでは反発の動きを強めています。足元の下落を受けて再びミドルバンド抜けを試す展開が想定されます。GBPを除くメジャー通貨は強さを維持しており、GBPとマイナー通貨の弱さとの対比が顕著になっています。GBPを除くメジャー通貨買い、マイナー通貨売りの通貨選択を継続したいと思います。

 強い通貨: JPY・USD・EUR
 弱い通貨: AUD・NZD・GBP

 日足   : NZD>GBP>EUR>AUD>USD>CAD>JPY
 4時間足 : JPY>USD>EUR>CAD>AUD>GBP>NZD

 今週は、火曜日から重要なイベントが続くため、ボラティリティの高い展開が想定されます。火曜日に東京都区部の消費者物価指数と米国のISM非製造業景況指数、水曜日にカナダの政策金利と米FRB議長の議会証言、木曜日にECBの政策金利の発表、金曜日に米国の雇用統計とカナダの失業率と市場インパクトの大きい重要な経済指標の発表が続きます。なかでもECBの政策金利に注目です。金利据え置き見通しですが、欧州各国の消費者物価指数が予想を下振れしインフレ鈍化が顕著になっていることから、総裁会見において6月と予想される利下げ時期の前倒しを示唆するのか注目されます。また、米国の雇用統計では前月は市場予想を大きく上回る結果にUSDが急伸しただけに、今回発表される前回の改定値に注目が集まっています。週を通して米国の労働統計が連日発表されるため、その内容にも警戒しておきたいと思います。
 また、火曜日には米国大統領選挙の候補者決定に最大の焦点となるスーパーチューズデーが開催されます。共和党の候補者としてトランプ前大統領が決定的になり、木曜日のバイデン大統領の一般教書演説とともに、米国の政治動向がUSDに与える影響が大きいと思われます。
 本日は、注目すべき経済指標の発表はありません。明日からの重要なイベントを前に、様子見の姿勢が強まるものと思われます。