明日から材料多く警戒!今日は様子見?!_3/4(月)

今日の環境分析 2024年3月4日

 週末金曜日、植田日銀総裁は「2%の物価目標の実現を見通せる状況にはまだ至っていない」と発言し、前日の高田日銀審議委員の発言を否定する慎重な姿勢を示しました。3月18-19日に開催される日銀金融政策決定会合におけるゼロ金利解除を否定したと判断され、JPYが急落しました。その後に発表された米国の2月のISM製造業景況指数は、47.8と市場予想の49.4を大きく下回るサプライズとなりました。景気判断の分岐点とされる50割れが16か月連続し、製造業の景気鈍化が継続していることをうけ、USDは急落しました。この結果、USDJPYは前日とほぼ変わらずの水準で終えました。

 通貨相関からは、下位足でJPYの強さが継続しています。依然として日足以上の上位足では最弱通貨になっていることから、足元の動きがどこまで上位足に波及してくるかが注目です。クロス円は、金曜日にコメントしたように日足のミドルバンドでは反発の動きを強めています。足元の下落を受けて再びミドルバンド抜けを試す展開が想定されます。GBPを除くメジャー通貨は強さを維持しており、GBPとマイナー通貨の弱さとの対比が顕著になっています。GBPを除くメジャー通貨買い、マイナー通貨売りの通貨選択を継続したいと思います。

 強い通貨: JPY・USD・EUR
 弱い通貨: AUD・NZD・GBP

 日足   : NZD>GBP>EUR>AUD>USD>CAD>JPY
 4時間足 : JPY>USD>EUR>CAD>AUD>GBP>NZD

 今週は、火曜日から重要なイベントが続くため、ボラティリティの高い展開が想定されます。火曜日に東京都区部の消費者物価指数と米国のISM非製造業景況指数、水曜日にカナダの政策金利と米FRB議長の議会証言、木曜日にECBの政策金利の発表、金曜日に米国の雇用統計とカナダの失業率と市場インパクトの大きい重要な経済指標の発表が続きます。なかでもECBの政策金利に注目です。金利据え置き見通しですが、欧州各国の消費者物価指数が予想を下振れしインフレ鈍化が顕著になっていることから、総裁会見において6月と予想される利下げ時期の前倒しを示唆するのか注目されます。また、米国の雇用統計では前月は市場予想を大きく上回る結果にUSDが急伸しただけに、今回発表される前回の改定値に注目が集まっています。週を通して米国の労働統計が連日発表されるため、その内容にも警戒しておきたいと思います。
 また、火曜日には米国大統領選挙の候補者決定に最大の焦点となるスーパーチューズデーが開催されます。共和党の候補者としてトランプ前大統領が決定的になり、木曜日のバイデン大統領の一般教書演説とともに、米国の政治動向がUSDに与える影響が大きいと思われます。
 本日は、注目すべき経済指標の発表はありません。明日からの重要なイベントを前に、様子見の姿勢が強まるものと思われます。