期末・イースターに警戒!_3/29(金)

今日の環境分析 2024年3月29日

 昨日、先週の日銀金融政策決定会合における主な意見が発表されました。そのなかで金融正常化は時間をかけるとの意見が大勢だったことを確認しました。追加利上げに関しては言及されていませんでした。米国の第4四半期GDP確報値は、+3.4%に上方修正されました。発言内容に注目が集まるFRBのウォラー理事は「利下げを急ぐ必要ない」とタカ派的な発言をしました。ともに米国経済の力強さを示し早期利下げ観測が後退してきており、USDの強さにつながりました。市場全般では、様子見気分が強かったものの期末・イースター休暇前にポジション整理の動きから、ボラティリティは高まりました。

 通貨相関からは、CADの強さが際立ちました。USD・JPYも強さを継続しています。NZDの弱さが継続するなど、USD・CAD・JPYとその他の通貨との強弱感が明確になりました。週明け月曜日までイースター関連のため市場の流動性は低下します。このため、特定の通貨に限定せず、動きの出た通貨ペアに注目したいと思います。

 強い通貨: CAD・USD・JPY
 弱い通貨: NZD・EUR・AUD

 日足   : CAD>USD>AUD>GBP>EUR>JPY>NZD
 4時間足 : CAD>JPY>USD>GBP>AUD>EUR>NZD

 本日は、東京都区部の消費者物価指数に注目です。日銀は当面の利上げはないと判断されているものの、東京都区部のデータは全国の消費者物価指数の先行指標となります。円安による輸入物価の高騰などを考慮すると、可能性は低いですが、内容次第では早期利上げ観測が出てくる可能性も否定できないので注視したいと思います。また、米国の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)に注意したいと思います。FRBの金融政策において最も重要視されている指標であるため、事前予想を上回る場合には6月利下げの見送り観測が強まることが想定されます。しかし、本日は日本を除く金融市場は休場となっているため、PCEデフレーターの結果が及ぼすFX市場への影響が限定的と考えます。週明け・四半期明けとなる月曜日は、日本・米国を除く主要国がイースターマンデーとして金融市場は休場となるため、閑散な市場になると思われます。一方、通常通りの日本は年度代わりとなるため、本日の決算値となる終値を意識した動きや、月曜日の年度明けに伴う新規ポジション取りの動きなど、クロス円通貨の値動きには注意しておきたいと思います。
 なお、来週から欧州と英国は夏時間に変更になります。オセアニア地区は再来週から冬時間になります。

円買い介入への警戒感高まる!_3/28(木)

今日の環境分析 2024年3月28日

 昨日、USDJPYは151.97円と1990年7月以来33年8か月ぶりの円安水準となりました。これを受けて18時15分から財務省・金融庁・日本銀行による緊急の3者会合開催が報道されると、急速に反転し151円割れ寸前まで円高になる場面がありました。最もタカ派とみられていた日銀の田村審議員が「ゆっくりと金融政策の正常化を着実に進める」との発言がハト派寄りと判断され、日米金利差を背景としたドル買いの動きが強まりました。日中の動きが大きくなったものの、終値でみれば前日比ほとんど変わらずになりました。昨日も小動きになり、EURJPYの-0.24%が最大の変動となるなど、市場の膠着感が強まっています。スイングトレードでフォローしている21通貨では、4時間足でみるとほとんどの通貨ペアが収束を強めており、発散に向けた最終局面にあると判断できます。

 通貨相関からは、USD・JPYともに弱く、GBP・CADの強さが目立つ展開になりました。しかし、市場が収束度合いを強めていることから方向感のない状況が続いています。このため、通貨強弱には明確な差が生じているとは思えません。期末・イースター休暇前であることから様子見気分が強いと思われ、個別通貨ペアの値動きから通貨選択をしていきたいと思います。

 強い通貨: GBP・AUD・CAD
 弱い通貨: NZD・JPY・USD

 日足   : AUD>EUR>CAD>GBP>USD>JPY>NZD
 4時間足 : GBP>CAD>AUD>EUR>NZD>JPY>USD

 本日は、先週開催された日銀の金融政策決定会合における主な意見が公表されます。ゼロ金利政策を解除した会合だけに、金融政策決定の背景となった議論の内容に注目です。昨日の3者会合を受けて円買い介入はいつ実行されてもおかしく状況にあります。このため、USDJPYの上値は限定的と考えます。また、英国・カナダ・米国のGDPに注意したいと思います。
 本日からイースターに関連して金融市場の休場が続きます。本日の米国の債券市場は短縮取引となります。明日金曜日は日本を除く主要国でイースター前のグッドフライデー、週明け月曜日は日本と米国を除く主要国がイースターマンデーとして金融市場は休場となります。このため、米国市場の後半から月曜日の米国時間まで小動きに推移すると思われます。日本では年度またぎとなるため、クロス円通貨の動きには警戒したいと思います。

豪消費者物価指数に注目!_3/27(水)

今日の環境分析 2024年3月27日

 昨日は、見送り気分が一段と強くなりました。前日比の変動幅でみると、月曜日の±0.4%よりさらに低下し、±0.2%以内にとどまりました。動き出しがあってもすぐに反転するなど、方向感をつかめない場面が多く見られました。4時間足でみると収束の動きが強まっていることから、いつ発散に向かってもおかしくない状況にあります。

 通貨相関からは、JPY・USDの強さが継続し、NZD・CADの弱さが継続しています。しかし、全般に方向感のない展開の中での相対的な順位なので、明確な強弱感があるようには思えません。ファンダメンタルズ面から最も強さを維持するUSDを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: USD・JPY
 弱い通貨: NZD・CAD

 日足   : AUD>USD>CAD>EUR>GBP>JPY>NZD
 4時間足 : JPY>USD>GBP>EUR>CAD>AUD>NZD

 本日は、オーストラリアの消費者物価指数に注目です。オーストラリアの金融政策に影響を与えることが想定されることから、内容次第でAUDの方向感が定まることが考えられます。また、金曜日からのイースター関連の休暇を前に、今日と明日は期末特有の動きに警戒したいと思います。

様子見気分が続くのか?!_3/26(火)

今日の環境分析 2024年3月26日

 昨日は、神田財務官が口先介入を意図した発言をしました。為替介入を含めたあらゆる手段は「常に準備できている」、「今の円安の動きはファンダメンタルズに沿った方向というわけではなく、明らかに投機が背景にあるものと考えている」との発言でしたが、市場への影響はありませんでした。しかし、効果がなかったことを確認したことで、実弾を伴った介入の可能性は高くなってきたと思われます。金曜日は日本を除く主要国がイースター休暇になるため、介入効果を高めるためには絶好のタイミングとなります。しかし、年度末でもあり大きな変動は望まないと思われるため、急速な円安進行でもない限り今週は為替介入はないと考えています。市場全般では、ボラティリティが大きく低下し、フォローしている通貨ペアすべてが前日比で±0.4%以内の変動となるなど、方向感の乏しい展開となりました。一部のマイナー通貨を除くほとんどの通貨で日足・4時間足ともにトレンドを確認することができない状況にあります。

 通貨相関からは、JPYとUSDの強さが継続し、AUDの強さも目立っています。一方、NZD・CADの弱さが継続しており、近隣通貨のAUD・USDとの対比が顕著になってきています。EUR・GBPは、スイスの利下げ以降、次の利下げ国・地域として弱さにつながっています。USD・JPY・AUDの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: USD・AUD・JPY
 弱い通貨: GBP・NZD・CAD

 日足   : USD>AUD>EUR>GBP>CAD>JPY>NZD
 4時間足 : JPY>AUD>USD>EUR>CAD>GBP・NZD

 本日は、米国の耐久財受注と消費者信頼感指数が発表されますが、市場インパクトは低いと考えます。方向感の乏しい展開にあり、様子見姿勢が強まっています。USDJPYに関しては介入警戒があるため、収束の動きを強めています。どちらかに動き出した際には、大きな動きにつながりかねないので警戒しておきたいと思います。しかし、週末から来週初にかけてイースター関連の祝日に加え、期末要因もあることから動きづらい展開にあると考えています。
 イースター(復活祭)は、春分の日の後の最初の満月の次の日曜日となるため、2024年は3月31日になります。ちなみに2023年は4月9日でした。

今週は年度末の動きに警戒!_3/25(月)

今日の環境分析 2024年3月25日

 週末金曜日は、スイス中銀の利下げを受けてEUR・GBPが軟調な展開となりました。EURJPY・GBPJPYなどクロス円通貨が下落する中で、USDJPYは152円を前に頭の重たい横ばいで推移しました。USDJPYは152円台では為替介入を警戒すべきと考えますが、USDJPY以外のクロス円通貨の下落を受けて介入のタイミングが難しくなってきました。USDJPYだけの動きで円安進行と判断しないようにしたいと思います。市場全般ではボラティリティが低下し、方向感をつかみにくい状況が続いています。

 通貨相関からは、USDの強さが継続するとともにJPYの強さが戻りました。ただし、JPYの強さはUSD以外の通貨が早期利下げ観測の動きが強まったことによる下落を反映した相対的な位置づけになります。スイス中銀が利下げを行ったことで主要国の利下げ機運が高まってきており、EUR・NZDの弱さはその典型的な動きと考えます。利上げ方向にあるJPYと堅調な経済を確認できるUSDの強さが継続すると思われます。USD・JPYの買い、EUR・GBPの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: USD・JPY
 弱い通貨: GBP・NZD・EUR

 日足   : USD>JPY>AUD>EUR>CAD>GBP>NZD
 4時間足 : USD>JPY>CAD>AUD>EUR>GBP・NZD

 今週は、月末と四半期末が重なります。加えて、日本では年度末が意識されます。水曜日のオーストラリアの消費者物価指数、木曜日に先週開催された日銀の金融政策決定会合における主な意見公表とカナダのGDP、金曜日に東京都区部の消費者物価指数と米国のPCEデフレーターとFRB議長の発言が注目されます。本日は、市場インパクトの大きい経済指標の発表はありませんが、米金融当局の発言には注意しておきたいと思います。
 週末はイースターになることから、金曜日は日本以外のほとんどの国が前日のグッドフライデーとして祝日になり、来週月曜日はイースターマンデーとして日米以外は祝日となります。さらに、木曜日は米国の債券市場は短縮取引になります。このため、木曜日の米国時間から来週月曜日かけては閑散な動きが想定されます。今週は木曜日までと考えて、トレードに臨みたいと思います。

+827.3pips獲得_3月第3週のデイトレード

2024年3月第3週の実績

3月第3週は、9通貨ペアで+827.3pipsとなりました。21回トレードし、21勝0敗、勝率100.0%となり、1回トレードを見送りました。クロス円での収益を積み重ねることができました。

デイトレードにおいては、1時間足のチャートを見るだけで、判断することができます。ノウハウは個別コンサルティングにて提供しています。ご興味のある方は、お問合せください。

スイス中銀利下げサプライズの影響は?_3/22(金)

今日の環境分析 2024年3月22日

 昨日、スイス国立銀行(SNB)はサプライズとなる0.25%の利下げを実施しました。インフレ抑制が進み、景気刺激効果を狙ったものとなります。日本を除く主要国で先陣をきって利下げを実施したことで、その他の国の今後の金融政策に大きな影響を与えることになりました。英国中央銀行(BOE)は現状維持の金利据え置きとしましたが、BOE総裁は利下げに前向きな発言をしました。購買担当者景気指数(PMI)は、EUでは3か月連続改善し市場予想の49.7を上回る49.9となりました。米国のPMIも好調となり、PMIからは利下げに慎重になる材料となりました。AUDは、2014年12月以来の100円台に一時乗せました。前日発表されたニュージーランドの2023年第4四半期GDPは2四半期連続のマイナスで景気後退局面入りと判断され、NZD安を加速することになりました。

 通貨相関からは、JPY・NZDの弱さが継続しています。GBPは継続的な強さを示していましたが、昨日のBOE総裁の発言を受けて軟調な展開となりました。EURGBPにおけるGBPの相対的な弱さが顕著となりました。AUDの強さが目立ってきており、相対的な強さの回復したUSDにつれたCADも同様の動きが見られます。AUDの上昇が継続するのか注目したいと思います。また、USDJPYが151円台で推移しているように、為替介入に警戒すべき局面にあります。このため、JPYの弱さを素直にトレードに反映するのは難しいと考えています。

 強い通貨: AUD・USD・EUR
 弱い通貨: JPY・NZD・GBP

 日足   : EUR>AUD>USD>GBP>CAD>JPY>NZD
 4時間足 : AUD>CAD>USD>EUR>GBP>NZD>JPY

 本日は、英国とカナダの小売売上高に注目しています。昨日までの経済指標に比べると市場インパクトは低いので、GBP・CADへの影響は内容次第と思われます。トレンドの確認ができそうな局面で反転するなど、いぜんとして方向感のつかみにくい展開が続いています。しかし、来週は月末・四半期末・年度末でもあることから、ポジション整理の動きが強まると考えています。このため、本日からその兆候を見て取れるのではないかと注目しています。

英政策金利と欧米PMIに警戒!_3/21(木)

今日の環境分析 2024年3月21日

 日本時間本日未明に発表されたFOMCでは、金利据え置きと発表されました。修正が予想されていた年内の利下げ回数は、前回会合と同じ3回を維持しました。年内の成長率とインフレ率の見通しを上方修正する一方で、利下げへの道筋に変化はないことに市場では違和感としてとらえられています。利下げ回数に変更がなかったことから、USDが弱くなりました。前日の日銀のゼロ金利解除政策と緩和姿勢の維持を受けて、JPYが大きく売られています。USDJPYこそUSDの弱さから頭の重たい展開にありますが、GBPJPYは2015年6月高値の195円、EURJPYは2008年7月高値の169円が視野に入ってきました。日本経済にとって圧倒的な取引量となるUSDJPYを最重要視しているため円買い介入を示唆している一方で、その他の通貨との円安を意識しているように思われません。このためJPYの弱さを前提とするのであれば、介入警戒のあるUSDJPY以外のクロス円の上昇につながるものと考えます。日銀はゼロ金利政策を解除したことで、次の施策として利上げ時期を円安抑制の材料にすると思われます。英国の2月の消費者物価指数は、前年同月比+3.4%と2年5か月ぶりの低水準となりました。本日発表の金融政策では利上げ見送りが想定されます。

 通貨相関からは、GBPが上位足から下位足まで揃って強さを示しています。昨日発表された消費者物価指数から判断し、本日の政策金利は据え置き見通しになりますが、先進国中でもっと利下げに遠い位置にあると判断されています。こうした点がGBPの強さにつながっていると思われます。AUDの強さが戻ってきました。AUDに対してNZDの弱さとの対比が顕著になっています。JPYの弱さが続くとともにUSDの弱さを確認することができます。GBP・AUDの買い、JPY・USDの売りを軸にした通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: GBP・AUD・EUR
 弱い通貨: JPY・NZD・USD

 日足   : GBP>EUR>AUD>USD>CAD>JPY>NZD
 4時間足 : GBP>AUD>CAD>EUR>USD>NZD>JPY

 本日は、英国の政策金利が注目されます。据え置き見通しとされていますが、金利引き下げ時期に言及するのか注目しています。GBPの相対的な強さを持続できるのか注視したいと思います。また、欧米各国地域のPMIにも警戒したいと思います。市場全般に神経質な展開になっているため、それぞれの発表時間に過剰に反応する可能性があります。値動きには注意したいと思います。そのほか、オーストラリアの失業率やスイスの政策金利にも注目です。それぞれ通貨への影響度が高いと思われるので、注意しておきたいと思います。

FOMCに警戒!利下げ開始時期は?_3/20(水)

今日の環境分析 2024年3月20日

 昨日、日本銀行はマイナス金利政策を解除しました。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の撤廃と上場投資信託(ETF)などリスク資産の新規買い入れの終了も発表しました。大規模緩和が解除され、やっと金融環境が正常化したことになります。日銀総裁の会見では、当面は緩和的な環境を維持するのは適切だと発言しました。サプライズとなる内容はなく、想定内であったことから材料出尽くし感でJPYが売られ、USDJPYは151円手前まで上昇しました。金利差を背景としたクロス円が大きく上昇する動きとなりました。市場全般では、ボラティリティが高まり方向感を確認する動きが強まってきました。

 通貨相関からは、USDの強さが継続しています。EUR・GBPも強さが目立つようになりました。一方、JPYは再び最弱通貨になりました。昨日の日銀の発表を受けて、当面は追加情報がないために、金利差を背景とした弱さが顕著になってきたと思われます。マイナー通貨の弱さは継続しています。このため、JPYを除くメジャー通貨の強さとマイナー通貨の弱さの対比が明確になってきました。USD・EUR・GBPの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: USD・EUR・GBP
 弱い通貨: JPY・AUD・NZD

 日足   : GBP>EUR>USD>AUD>JPY>CAD>NZD
 4時間足 : USD>EUR>GBP>CAD>AUD>NZD>JPY

 本日は、日本時間明日未明に発表される米国の連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利が注目されます。現状維持と想定されますが、各委員の予想をプロットしたドットチャートに注目が集まっています。ドットチャートから判断される利下げ開始時期は、現状では6月の見方が優勢ですが、各委員の見通し次第で利下げ開始時期は秋にずれ込む可能性が高まります。もし、ずれ込むようであれば、USDの強さを継続していくことになると思われます。そのほか英国の消費者物価指数に注目です。本日は、日本が祝日であるため、欧州時間からの動き出しに警戒したいと思いますが、FOMCの発表を控えていることから発表時間に近づくにつれ様子見姿勢を強めるものと考えています。
 それにしても、つくづく日本の金融政策のかじ取りの稚拙さを感じます。なぜ、祝日の前日に発表したのでしょうか?祝日は日本の金融当局の為替市場への介入を期待できないため、投機筋の思惑をそのまま反映したような現状の相場展開になっています。ボラティリティが高まってきているので、急激な変動には注意したいと思います。