今日の環境分析 2023年6月30日

 昨日発表された米国の1-3月期のGDP確定値は、市場予想を上回る前期比+2.0%となり、5月に発表された改定値から上方修正されました。米国景気の好調さを確認することになり、先日FRB議長のコメントした年内2回の利上げが現実的なものになりつつあります。これを受けて、USDの強さが際立ってきました。朝方発表されたオーストラリアの5月の小売売上高は前月比+0.7%と市場予想を上回りました。前日の消費者物価指数の反対の動きになったため、AUDは買い戻しの動きが見られました。全般に、四半期末を控えポジション調整が終了しつつあるかのようになっており、日中の動きに方向感が出にくくボラティリティが低下してきています。市場全般に、週明けからの新たな四半期を待っているように思われます。

 通貨相関からは、USD・EURの強さが継続しています。次いで、CAD・JPYの強さが確認できます。AUD・NZDの弱さは継続していることからオセアニア通貨売りを継続し、USD・EURの買いを軸に通貨選択をしていきたいと思います。USDJPYは145円台が視野に入ってきましたが、USD同様にJPYも強い動きを見せていることから、上値は重たい展開になると考えています。昨年の為替介入水準である145円は強く意識されるものと思われます。

 本日は、東京都区部の消費者物価指数に注目です。また、英国のGDP、EUの消費者物価指数、カナダのGDP、米国のPCEデフレーターの発表があります。これらすべて金融政策に大きな影響を与えることになるため、発表内容とその後の値動きには警戒したいと思います。なお、週明け月曜日はカナダが祝日で金融市場は休場となるため、CADのポジション調整の動きにも注視しておきたいと思います。

今日の環境分析 2023年6月29日

 昨日、ECBフォーラムにおいて先進国の中央銀行総裁の討論会が行われました。その場で、FRB議長は年内に2回連続の利上げの可能性に言及し、日銀総裁からは期待していた金融政策の転換の示唆する内容はありませんでした。USDJPYは144円台中盤まで上昇しており、145円を視野にとらえてきました。この上昇は、円安ではなくドル高の結果によるものです。USDJPY以外のクロス円通貨でみれば昨日は下落しており、ドルストレート通貨はドル高方向に動いている点から確認できます。こうした点から、USDJPYだけをみて為替介入の可能性を判断するのは難しくなってきました。午前中に発表されたオーストラリアの5月の消費者物価指数は前年比+5.6%と市場予想を下回りました。2022年4月以来の水準にまで低下したことで、追加の金利引上げ懸念が後退しAUD関連通貨の下落につながりました。

 通貨相関からは、前日にECB総裁の金融引締め継続方針を受けてEURの強さが継続しています。USDもFRB議長のタカ派発言を受けて下位足ではEURに次ぐ強さになってきました。JPYは日銀の金融政策変更の可能性を市場は捨てきれておらず堅調な展開となっています。 AUD・NZDの弱さは継続し、USDと連動して強かったCADは反落の動きを強めています。こうした点から、メジャー通貨買い、マイナー通貨売りの通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、オーストラリアの小売売上高に注目です。昨日の消費者物価指数に続き、下落の勢いが加速するのか注視しています。FRB議長の発言にも注目です。昨日の発言内容と変化はないと思いますが、ニュアンスの違いがでるか注意しておきたいと思います。また、米国のGDPや新規失業保険申請件数にも注目しています。月末・四半期末が明日に迫ってきました。ポジション整理の動きが強まりボラティリティが高まると想定されるため、値動きには警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年6月28日

 昨日、ECB総裁はECBフォーラムにおいてインフレ抑制に向け金融引締め継続と発言し、7月の利上げを表明しました。これを受けてEURが上昇しました。金融引締めの長期化が想定されているGBPも堅調な展開となりました。市場全般では、ほとんどすべての通貨が上昇しており、通貨間の強弱が明確になってきているように思われます。

 通貨相関からは、金融引き締めを背景にEUR・GBPの強さが目立つ展開となりました。JPYの弱さも継続していますが、徐々に弱さが減衰しているように思われます。このところ最強通貨であったCADの勢いが弱まってきており、上値を追うのが難しい状況になってきています。オセアニア通貨が軟調な展開になっているため、これら通貨の売りを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、ECBフォーラムにおいて主要国の中央銀行総裁の討論会が開催され、その発言内容に注目しています。昨日のECB総裁の発言で金融引締めの方向性を確認し、BOE(英国中央銀行)も金融引締めの継続が想定されています。対して、年内の利上げゴールが近い米国や大規模金融緩和の一部解消が期待される日本など、米国FRB議長や日銀総裁の発言内容は内容次第では市場へのインパクトが大きいと思われます。ヘッジファンドの円売りポジションが昨年秋並みに拡大し急速な円安が進んでいるため、日銀総裁のコメント次第では円高への反転の可能性があるため警戒したいと思います。また、朝方発表されるオーストラリアの消費者物価指数に注目しています。このところAUDは軟調な展開が続いているため、その動きが反転するのか継続するのか注視したいと思います。

今日の環境分析 2023年6月27日

 昨日は、朝方、日銀の金融政策決定会合の主な意見公表ではイールドカーブコントロールの早期修正の意見があったことが確認され、日中には政府当局からは円安牽制が続きました。足元の急速な円安の背景にはヘッジファンドの残高増の影響が大きいため、口先介入はタイミングを図ったことが明白です。水曜日にはECBフォーラムにおいて日銀総裁の発言が予定されており、その際、イールドカーブコントロールの修正に言及すれば円安反転の可能性が高いことに加え、四半期末でもあることから利益確定のポジション解消の動きは加速すると思われます。今週は値動きに注意したいと思います。また、ドイツのIFO景況指数は予想を下回り、景気後退を示唆するものとなりました。ドイツ経済の悪化は欧州経済全体への影響度が高いため、ECBの利上げ継続姿勢に変化があるのか注目しています。

 通貨相関からは、JPYの弱さは継続しているものの、勢いが弱まってきました。AUDの弱さが際立ち、対してNZDの堅調さが目立ちます。USDとともにCADの強さが継続しており、現時点ではCADが最強通貨であると判断しています。CADの強さがみられるうちはUSDの強さも維持できると思われるため、USD・CADを軸に通貨選択をしたいと思います。JPYはいつ介入が入ってもおかしくない状況にあるため、当面は見送りたいと思います。

 本日は、カナダの消費者物価指数に注目です。現状、最強通貨に位置しているCADの方向感を継続するのか転換するのか、この指数の内容次第で今後の金融政策の変更の可能性があるため注視したいと思います。また、ECBフォーラムにおけるECB総裁の発言が予定されており、金融引き締めに対して強気姿勢を維持しているのかを確認したいと思います。さらに、米国の住宅関連指標の発表にも注目したいと思います。徐々に、四半期末のポジション整理の動きが強まっています。レンジを意識して慎重な姿勢で臨みたいと考えています。

今日の環境分析 2023年6月26日

 先週末に発表された日本の全国消費者物価指数は、総合で+3.2%、コアコア(生鮮食品とエネルギーを除く)では+4.3%となりました。インフレ継続の動きは止まらず、日銀の大規模金融緩和からの脱却が急がれる現状になっていると考えます。しかし、市場では当面の金融緩和からの脱却はないとの判断から円安が加速する動きになっています。また、ロシアのワグネル反乱は最悪の事態は避けられましたが、今後、ウクライナ情勢がどのように変化するのか、終わりの始まりであることを期待したいと思います。

 通貨相関からは、JPYの弱さが継続し、USD・CADの強さが目立つ展開になっています。EUR・GBPも堅調な展開となっており、金融政策の違いが如実に表れています。AUD・NZDの弱さは継続していることから、これら通貨の売りに注目しています。また、JPYを除く主要通貨は金融引き締めを背景とした堅調な展開が続いているため、これら通貨の買いに注目したいと思います。

 今週は、月末に加え四半期末の週になります。週末に向けてポジション整理の動きが出てくると思われ、警戒したいと思います。今週は、金融政策の発表はありませんが、市場への影響度の高い経済指標が続くので、注意が必要な週になると思います。火曜日にカナダ、水曜日にオーストラリア、木曜日にドイツ、金曜日にEUと日本(東京都区部)の消費者物価指数が発表され、その水準が今後の金融政策の方向性に大きな影響を与えます。木曜日の米国のGDP、金曜日の英国とカナダのGDP、米国のPCEデフレーターにも注目です。本日は、先々週に行われた日銀の金融政策決定会合における主な意見が公表されます。また、水曜日までECBフォーラムが開催されます。水曜日には主要国・地域の連銀総裁の発言が予定されており、今週の最大の注目材料になると思われます。

デイトレードの実績_2023年6月第3週

6月第3週は、9通貨ペアで+706.0pipsとなりました。14回トレードし、13勝1敗、勝率92.9%です。月曜日、EURJPYとGBPJPYはトレードしませんでした。今週は、2回トレードを見送りました。

デイトレードのノウハウについてもチャートに掲載しました。また、見送り場面も表示するようにしました。この1時間足のチャートを見るだけで、判断することができます。ノウハウは個別コンサルティングにて提供しています。ご興味のある方は、お問合せください。

今日の環境分析 2023年6月23日

 昨日、英国中央銀行は政策金利を発表し、前回までの+0.25%の利上げからサプライズとなる+0.5%の利上げ幅拡大を実施しました。発表直後に上下に振れる展開となりましたが、利上げ継続を意識して買われてきたGBPにとっては、サプライズではなかったようです。米国FRB議長は前日に続き議会証言を行い、年内複数回の利上げの可能性を示唆しました。市場では複数回の利上げに否定的ですがUSDは堅調な展開となり、USDJPYは昨年11月の戻り高値を抜け143円台に入りました。徐々に金融当局の介入に対して警戒すべき水準に入ってきました。

 通貨相関からは、JPYの弱さが再び強まりました。USDの堅調さと連れてCADの強さが目立つ展開になっています。USDの強さからUSDJPYが上昇したことで、JPYの弱さが際立ちクロス円通貨全般に強い展開となりました。昨日に続き、USD買いの通貨選択をしたいと思いますが、JPYは消費者物価指数の反応を見た後で判断したいと思います。

 本日は、日本の全国消費者物価指数に注目です。内容次第では、日銀の金融政策修正への後押しになる可能性が高く、目先の円安に歯止めをかけることになるのか、値動きに警戒したいと思います。また、英国の小売売上高にも注目しています。インフレの高止まりの影響がどの程度でているのか確認し、昨日の大幅利上げを背景にGBPは大きく動く可能性もあるので注意したいと思います。さらに、本日は欧米各国地域の製造業とサービス業のPMIが発表されます。発表時間はばらばらになるため、各発表時間の値動きを注視したいと思います。

今日の環境分析 2023年6月22日

 昨日発表された5月の英国の消費者物価指数は、市場予想を上回る+8.7%となりました。コア指数では31年ぶりの高水準になるなど、英国経済のインフレ状況に鎮静化の動きは見られません。先進国の中で最も強いインフレ対策が求められる状況となっています。米国では、FRB議長が下院の議会証言で、インフレ圧力が強いため年内の追加利上げの可能性が高いことを表明しました。米国の年内1~2回の追加利上げで打ち止めが想定されるのに対し、英国の利上げはゴールがみえていないことから、GBPの堅調さが想定されます。市場全般では、前日の調整の動きから反転し、今月の流れに沿う形で動きました。しかし、新たなトレンドを確認するまでには到らないことから、しばらく時間調整の動きを必要と考えます。いくつかの通貨ペアでは、ミドルバンドをまたぐ動きを見せており、徐々に新たな方向性を模索しているように思われます。

 通貨相関からは、EURGBPが堅調となりEURの強さが目立つ展開になりました。USD・JPYも堅調さを維持しています。CADもUSDにつれた動きを示しています。対して、AUD・NZDの弱さは継続しています。GBPは足元、調整の動きを見せていますが、本日の政策金利の発表後の動きに注目しており、その動きが長期的な流れにつながるものと思われます。昨日に続き、USD・JPYの買い方向で通貨選択をしたいと考えています。

 本日は英国の政策金利の発表に注目です。昨日発表された消費者物価指数の水準からも、利上げは確実のため、その水準に注目されます。+0.25%の利上げであれば市場は織り込み済みですが、+0.50%の利上げとなればサプライズとなりGBPの上昇が期待されます。また、前日に続き米国議会においてFRB議長の議会証言があります。前日の発言内容からの追加コメントがあるのかに注目です。また、新規失業保険申請件数の発表や、複数のFRB理事の発言が予定されていることから、FRB議長の議会証言と合わせて今後の米国の金融政策の方向性を確認したいと思います。

今日の環境分析 2023年6月21日

 昨日は、反転の動きが強まりました。前日比をみると21通貨ペア中、20通貨ペアが前月比と反対の動きになっています。先週の日米欧の金融政策の発表を受けて、材料出尽くし感が高まった様相です。Mark’sTradeのスイングポジションは、前日に続き決済サインが多く発生し、すべての保有ポジションは決済となりました。4時間足でもトレンドを確認できる通貨ペアは非常に少なくなっており、方向感をつかむのが難しい展開になってきました。

 通貨相関からは、USD・JPYともに反転の動きが強まりました。USDの動きにつれてCADの強さも確認できます。AUDは、昨日懸念していた強さの一服から弱さへと転換しました。NZDとともに弱さをみせていることから、しばらくこの動きが続くものと思われます。全般に収束の動きを強めているため、通貨選択が難しい状況にあります。GBPは、堅調さが続いているものの大きなイベントを控えているため、短期でのトレードに徹したいと考えています。前日までとは逆に、反転の動きが強まりつつあるUSD・JPYの買い方向で通貨選択を検討したいと思います。

 本日は、英国の消費者物価指数に注目です。総合指数は伸び率の鈍化、コア指数は横ばいと予想されています。上振れとなれば明日のBOEの利上げは市場予想の+0.25%が+0.5%になる可能性もあり、GBPはボラティリティの高い展開が想定されます。本日の消費者物価指数や明日の政策金利の発表など、重要なイベントをどのように消化していくのか注目しています。また、今日・明日と米国議会においてFRB議長の議会証言が予定されています。本日の下院での発言では今後の金融政策の方向性がより明確になると思われるため、発言内容とその反応を警戒したいと思います。