スイス中銀利下げサプライズの影響は?_3/22(金)

今日の環境分析 2024年3月22日

 昨日、スイス国立銀行(SNB)はサプライズとなる0.25%の利下げを実施しました。インフレ抑制が進み、景気刺激効果を狙ったものとなります。日本を除く主要国で先陣をきって利下げを実施したことで、その他の国の今後の金融政策に大きな影響を与えることになりました。英国中央銀行(BOE)は現状維持の金利据え置きとしましたが、BOE総裁は利下げに前向きな発言をしました。購買担当者景気指数(PMI)は、EUでは3か月連続改善し市場予想の49.7を上回る49.9となりました。米国のPMIも好調となり、PMIからは利下げに慎重になる材料となりました。AUDは、2014年12月以来の100円台に一時乗せました。前日発表されたニュージーランドの2023年第4四半期GDPは2四半期連続のマイナスで景気後退局面入りと判断され、NZD安を加速することになりました。

 通貨相関からは、JPY・NZDの弱さが継続しています。GBPは継続的な強さを示していましたが、昨日のBOE総裁の発言を受けて軟調な展開となりました。EURGBPにおけるGBPの相対的な弱さが顕著となりました。AUDの強さが目立ってきており、相対的な強さの回復したUSDにつれたCADも同様の動きが見られます。AUDの上昇が継続するのか注目したいと思います。また、USDJPYが151円台で推移しているように、為替介入に警戒すべき局面にあります。このため、JPYの弱さを素直にトレードに反映するのは難しいと考えています。

 強い通貨: AUD・USD・EUR
 弱い通貨: JPY・NZD・GBP

 日足   : EUR>AUD>USD>GBP>CAD>JPY>NZD
 4時間足 : AUD>CAD>USD>EUR>GBP>NZD>JPY

 本日は、英国とカナダの小売売上高に注目しています。昨日までの経済指標に比べると市場インパクトは低いので、GBP・CADへの影響は内容次第と思われます。トレンドの確認ができそうな局面で反転するなど、いぜんとして方向感のつかみにくい展開が続いています。しかし、来週は月末・四半期末・年度末でもあることから、ポジション整理の動きが強まると考えています。このため、本日からその兆候を見て取れるのではないかと注目しています。