今日の環境分析 2023年10月26日

 前々日のAUDの急反発は、BOA総裁のインフレ見通しを大幅に上方修正した場合には追加利上げをためらわないとの発言が背景にありました。これまでは2023年末のインフレ率は4%台前半と見積もっていましたが、昨日の朝方発表された7-9月期の消費者物価指数では前年同期比で+5.4%と市場予想の+5.3%を上回ったことで年内に追加利上げの可能性を織り込む展開となりました。しかし、その後は利食い売りに押され、レンジを抜けたかのように見えた動きは再びレンジ内に戻ってきました。カナダの政策金利は景気減速を配慮し、市場予想通りの据え置きとなりサプライズはありませんでした。今朝方、USDJPYは150円台に再び乗せ、買い戻しの動きを巻き込んで150円30銭まで上昇が加速しました。その後は反落していますが、日本時間の値動きには警戒が必要になりそうです。

 通貨相関からは、USDの強さが再び目立つ展開になりました。AUDは足元の激しい上下動があり強弱関係をそのまま評価することができません、EUR対比でGBPの弱さが目立つことやCAD・NZDの弱さが続くことから、これら通貨の動きに注目したいと思います。

 本日は、ECBの政策金利に注目です。現状維持の見通しでサプライズはないと思いますが、声明文や総裁記者会見において、足元の景気悪化とインフレ持続のバランスの中で金融政策の方向性に変化があるのか注目です。また、米国のGDPや新規失業保険申請件数にも注目です。内容次第ではUSDの強さが加速される可能性もあるので警戒したいと思います。