今日の環境分析 2023年10月17日

 次回の米国のFOMCは、10月31日から11月1日に行われます。このため、来週からFRB高官はFOMC前の発言禁止となるブラックアウト期間になります。それに先がけて、FRB理事長を始めとした多くの金融当局関係者の発言が今週は予定されています。実際、昨日はシカゴ連銀総裁がインフレ鈍化は一時的なものではないとの発言がありました。中東情勢の緊迫化に伴い、米国の景気停滞が想定されるため、最終的な金融引き締めのゴールを模索する動きが強まっています。昨日は、懸念されていたイスラエルによる侵攻はなかったものの、警戒感を強めています。市場全般でも、方向感を失っています。多くの通貨ペアが売り買いの分岐点で交錯している状況にあります。

 通貨相関からは、USDの一強状態が続いており、USDにつれてCADも堅調な動きになっています。また、JPYの堅調さも目立ちます。一方で、AUD・NZDやEUR・GBPが軟調な展開になっています。USDは上位足から下位足まですべての時間軸で最強通貨となっていることから、USDを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、オーストラリアの今月3日に開催されたRBAの議事要旨や、米国の小売売上高に注目です。その他、英国の失業率やカナダの消費者物価指数にも注目です。これらの経済指標は従来であれば重要度は高いものの、中東情勢の緊張化に伴う世界経済への影響度を考慮すると大きな動きはないものと思います。主要国の金融引き締めのゴールを模索していたのが、景気悪化懸念からゴールの前倒しが想定されます。このため、これら高金利通貨の上値は重たいものになると連想せざるを得ないため、中東情勢の動きには警戒したいと思います。