今日の環境分析 2023年10月12日

 昨日発表された米国の9月の生産者物価指数は、前年比+2.2%と市場予想を上回る結果となりましたが、前月比では8月を下回ったことで、米国金利は低下しました。9月に金利据え置きとしたFOMCの議事要旨が公表され、あと1回の利上げとする意見が大勢であったものの、さらなる利上げを正当化する理由が見たらないとの意見が複数ありました。9月のFOMC後に上昇した長期金利の動きを受けて、FRB理事のハト派的発言が出てきているのは皮肉な状況です。結果として、USDの弱さにつながっています。

 通貨相関からも判断できます。下位足ではUSDは最弱通貨になっています。上位足に波及するまでには到っていませんが、USDの上値の重たさを示しています。JPYも弱いため、USDJPYは下落も上昇せずにレンジが続いています。GBPに反発の動きが見られるため、上位足に波及するのか一時的なものに終わるのか、今後の動きに注意したいと思います。NZDの堅調さは維持しているものの、AUDの反発の動きに陰りが見えます。方向感のつかみにくい状況になっており、下位足の動きからUSD・JPYの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、米国の消費者物価指数が最大の注目です。このところの経済指標では市場への反応が鈍い状況ですが、今後の金融政策に大きな影響を与えるため警戒したいと思います。同時に発表される新規失業保険申請件数にも注目です。個人消費・労働環境面からの金融政策への影響度を図りたいと思います。また、9月に開催されたECB理事会の議事要旨公表にも注目です。