今日の環境分析 2024年1月2日

あけまして、おめでとうございます。
本年も、よろしくお願いします。

昨日は、令和6年能登半島地震がありました。
このたびの未曾有の災害に際し被災されたみなさまに、心からお見舞い申し上げます。


 年末最終日となった先週金曜日は、USDJPYが一時140円台に入るなど円高の動きを強めました。年末最終日ということもあり、ポジション調整とみられる動きで上下に振れる展開はあったものの、小動きに推移しました。全般に方向感のつかみにくい状況の中で、JPYの強さだけが目立つ展開となりました。多くの国が金融引き締めの最終局面にある中、日本のみが金融引き締めへと転換する状況から、JPY買いの動きを中長期的に強めてきているものと思われます。

 通貨相関からもJPYの強さを確認することができます。メジャー通貨は反転の動きが見られましたが、期末の修正の動きと判断しています。JPYの買いを軸にメジャー通貨の売りのタイミングを図っていきたいと思います。

 強い通貨:JPY・NZD
 弱い通貨:USD・GBP

 日足   : JPY>AUD>CAD>NZD>EUR>GBP>USD
 4時間足 : JPY>NZD>GBP>USD・EUR・AUD>CAD


 今週は、年初となりますが、重要な経済指標の発表が続きます。水曜日に米国ISM製造業景況指数・FOMC議事録公表、木曜日に米国ADP全米雇用報告、金曜日にEU消費者物価指数・カナダ失業率・米国の雇用統計とISM非製造業景況指数に注目です。なかでも水曜日(日本時間木曜日未明)のFOMCの議事録公表に注目です。前回のFOMCでは、3会合連続となる政策金利の据え置きが決定され、総裁会見では利下げを「議論した」と明言しており、利下げ開始時期に注目が集まります。利下げ開始が近いとの観測が広がる中、タイミングを見極めるには好調な労働統計に注目が高まっています。週末の雇用統計に向けて数々の労働統計が発表されることから、早期の利下げ開始を意識したUSD売りの動きが強まるものと思われます。
 また、過去の震災時では、日本企業のリパトリエーション(本国への資金環流)が行われました。震災への対応などから円需要が高まる可能性もあり、短期的に円高に振れる可能性があります。中期的には、今回の災害に伴う企業活動への影響を見極める必要があり、インバウンド需要の低下も想定されると、円安に転じる可能性も否定できません。このため、短期的な円高の到達点を意識した対応が必要になると思われます。
(付記:レパトリエーションはレパトリと省略されます。日本企業の年度末になる3月末には輸出企業中心にレパトリによる円高の動きが強まることが多くなります。)
 本日は、日本・ニュージーランド・スイスが祝日のため金融市場が休場となります。日本時間の流動性が低下すると思われます。現時点では懸念していたスプレッドの拡大は、通常の週初と同程度であることから、特異な値動きにはなっていない状況です。名目的にも新年度に入り新たな投資資金の流入が期待されることから、欧州時間からの値動きには警戒したいと思います。方向感の確認を待ちたいと考えています。