今日の環境分析 2023年12月22日

 昨日発表された米国の新規失業保険申請件数は、20.5万件と2週間ぶりに悪化したものの市場予想の21.4万件ほど増加しておらず、労働市場の底堅さを確認する結果となりました。市場全般では、ボラティリティが低下し、方向感の乏しい展開でした。そのなかで、USDの弱さが目立ち、USD関連通貨が大きく動きました。

 通貨相関からは、メジャー通貨の弱さ、マイナー通貨の強さが継続しています。JPYは下位足で最弱通貨を脱してきており、再び、日足の方向性に向かうものと思われます。クリスマス休暇を前にしているため、大きな動きは期待できません。市場の流動性が低下しているため、流動性の高いメジャー通貨の売りを軸に通貨選択を継続したいと思います。

 強い通貨:AUD・NZD
 弱い通貨:USD・EUR・GBP

 日足   : JPY>NZD>AUD>CAD>EUR>GBP>USD
 4時間足 : AUD>NZD>CAD>EUR>JPY>GBP>USD

 本日は、日本の全国消費者物価指数、英国の小売売上高、カナダのGDP、米国の個人消費支出(PCEデフレーター)に注目です。なかでも、PCEデフレーターに注目したいと思います。この指標は、FRBが金融政策の決定に際してCPI(消費者物価指数)よりも重視している指標です。CPIは消費者が「見た」価格で高い数値になりやすいのに対し、PCEは「買った」価格で算出されるため低い数値になり、実際の消費行動につながっていると判断されています。そのほかの指標も、発表時にはGBPやCADへの影響度は高くなると思うので警戒しておきたいと思います。
 本日の米国は金融市場が短縮取引になり、週明け月曜日の25日は休場になります。25日は日本を除く多くの国でクリスマスの休場となります。本日からクリスマス連休明けとなる27日まで、閑散な市場展開が想定されます。取引量が低下するためちょっとした材料でも過剰反応することがあります。スプレッドが大きく拡大することもあるので、注意したいと思います。

今日の環境分析 2023年12月21日

 昨日発表された英国の11月の消費者物価指数は、前年同月比+3.9%と市場予想の+4.4%を下回りました。10月の+4.6%から低下しインフレ鈍化を確認する結果となり、GBPの下落につながりました。12月の米国の消費者信頼感指数は110.7に上昇し、市場予想の104.0を大きく上回りました。米国の個人消費の底堅さを確認し、早期の利下げ期待を薄める結果となりました。市場全般は小動きに推移しており、方向感のつかみにくい状況が続いています。

 通貨相関からは、前日に続き下位足でJPYが最弱通貨となっていますが、日足では最強通貨にあることから、JPYの方向感は判断しにくい状況にあります。依然としてAUD・NZDの強さが見られる一方、EUR・USDの弱さが継続しています。市場は閑散に向かう局面にあるため、流動性の高いメジャー通貨を中心に通貨選択することが望まれます。本日もメジャー通貨の売りを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨:AUD・NZD
 弱い通貨:USD・EUR・CAD

 日足   : JPY・NZD>AUD>CAD>GBP>EUR・USD
 4時間足 : NZD>AUD>GBP>CAD・USD>EUR>JPY

 本日は、カナダの小売売上高、米国の新規失業保険申請件数と第3四半期GDPの確定値に注目です。クリスマス休暇を前に徐々に流動性が低下してきています。このため、ちょっとした材料でも大きく反応しがちなので、慎重な投資姿勢で臨みたいと思います。

今日の環境分析 2023年12月20日

 昨日、日本銀行は金融政策決定会合を終え、大規模な金融緩和を継続すると発表しました。その後の日銀総裁の会見においても、ゼロ金利解除の時期に関する示唆はまったくなかったため、USDJPYは買い戻しの動きが強まり、一時145円手前まで円安が進みました。その後、反落し144円を挟む展開が続いています。日銀総裁の国会での「年末にかけて一段とチャレンジングになる」との発言を市場は金融政策の転換と勝手に判断し円高が進んだことで、あえて政策変更を持ち出さなくても一定の役割を果たしたと考えているのではないかと思います。昨日、日銀は12時前に政策発表を行い、当初から変更なしの結論を前提として議論されたと思われます。昨日は2024年度政府予算案が提出され、このタイミングでの金融政策変更は予算案の前提条件が崩れるとの判断があり、政府からの要請があったのではないかと思われます。実際、政府予算案では、国債の利払い費の想定金利を2023年度の1.1%から17年ぶりに引き上げ1.9%としています。市中金利の上昇を反映した結果ですが、日銀のゼロ金利解除が発表されればさらなる市中金利の上昇を招き、予算案の前提条件にまで影響を与えることを懸念したのではないかとも判断しています。また、自民党の政治資金問題で政局が混乱している中で、金融政策の転換を回避してほしい政府当局の圧力があったのではないかとも邪推しています。どちらにせよ日銀の中央銀行としての独立性を疑問視せざるをえない状況にあると考えています。岸田政権は国民の信頼回復に向けて、企業に賃上げ圧力をかけ、春闘前に賃上げを発表する動きが強まれば、ゼロ金利解除の動きは早まるのではないかと思います。金融政策の変更は4月とのメインシナリオになっていますが、1月の可能性も依然として否定できないため、JPYの動きには警戒を怠らないようにしたいと思います。

 通貨相関からは、昨日の円安の動きを受け、JPYは下位足では最弱通貨となりました。他のメジャー通貨は弱さが継続しており、マイナー通貨の堅調さも続いています。ファンダメンタルズを背景にすれば、JPYの弱さは一時的なものと判断しています。足元のJPYは方向感を失いつつあるため見送り、メジャー通貨の売りを軸に通貨選択をしたいと思います。

 日足   : NZD>JPY>AUD>CAD>GBP>EUR>USD
 4時間足 : NZD>AUD>CAD>USD>EUR>GBP>JPY

 本日は、英国の消費者物価指数や米国の消費者信頼感指数に注目です。しかし、昨日の日銀の政策金利の発表で、年内の重要なイベントは終了したと考えています。日銀のゼロ金利解除は来年に持ち越されましたが、JPY売りの動きは想定外に小さいと考えています。来年は、日銀の金融引締めに対し他の地域・国の金融緩和の動きは既定路線であると考えるため、長期的な方向感に変化はないことを示していると思われます。ここからは、実質的なクリスマス休暇明けの27日まで、方向感の乏しい閑散な市場になると考えています。大きなトレンドを狙わず、小さな値幅を積み重ねるトレードをしていきたいと思います。

今日の環境分析 2023年12月19日

 昨日は、全般にボラティリティが低下し、小動きに推移しました。本日の日本銀行の金融政策発表を前に、様子見の姿勢を強めました。足元では収束の動きを強めていることから、日銀の金融政策発表を機に発散に向かうことを期待しています。しかし、クリスマス休暇を控えているため、すぐには大きなトレンドへの移行は期待しにくい状況にあります。ファンダメンタルズを背景とした動きが続くものと思われます。

 通貨相関からは、JPY・AUD・NZDの強さ、USD・EUR・GBPの弱さが継続しています。CADはUSDに連れて弱さを強めてきています。JPYを除くメジャー通貨の売りを軸に通貨選択をしたいと思います。JPYは、日銀の金融政策発表や総裁会見後の動きを見てから判断したいと思います。

 日足   : JPY>NZD>AUD>CAD>GBP>EUR>USD
 4時間足 : AUD>JPY>NZD>CAD>EUR>GBP>USD

 本日は、日銀の金融政策の発表と総裁会見に注目です。金融政策の変更はないと予想していますが、声明文における変更点に注意したいと思います。現状分析に関するちょっとした表現の違いが市場に与えるインパクトを強めると思います。また、日銀総裁の記者会見においては、ゼロ金利解除の時期に関する質問に対し、どのような回答をするのか注目です。春ごろと想定されていた政策変更が前倒しになるのか否か、その内容には警戒したいと思います。前倒しを示唆した場合、足元落ち着いた動きを見せているJPYの強さを再確認することになると思います。そのほか、オーストラリアのRBA議事録の公表やカナダの消費者物価指数にも注目です。

今日の環境分析 2023年12月18日

 週末金曜日は、欧米各国地域でPMIが発表されました。フランス・ドイツ・EUの悪さが目立ち、欧州全域での景気悪化懸念からEURの下落につながりました。ドイツでは、未使用分のコロナ予算転用の違憲判決を受けて、EV補助金が1年前倒しで廃止されます。ドイツの製造業の中核をなす自動車産業への影響の大きさから、欧州経済全般への停滞懸念が強まるものと思われます。こうした点からもEURの弱さにつながっているものと思われます。

 通貨相関からは、JPYの強さが継続しています。USDの弱さに加え、EUR・GBPの弱さも目立つようになってきました。JPY以外のメジャー通貨では金利引き下げが視野に入ってきたため、ファンダメンタルズからの売り姿勢が強まっています。JPYを除くメジャー通貨の弱さを受けて、相対的にマイナー通貨全般が堅調な展開になっています。JPYの買い、JPY以外のメジャー通貨の売りを軸にした通貨選択を行いたいと思います。

 日足   : JPY>NZD>CAD>AUD>GBP>USD>EUR
 4時間足 : JPY>AUD>CAD>NZD>GBP>EUR>NZD

 今週は、火曜日の昼頃に発表される日本銀行の政策金利の発表が最大の注目材料となります。先週までで米国FRB・英国BOE・ECBが政策金利の据え置きを発表しました、来年の利下げを示唆するなど、金利低下への金融政策の転換が近づいています。対する日銀は金融引き締めに向けた政策転換への警戒感が強まっています。政策金利の修正はないとの市場判断ですが、声明文や総裁会見の場においてタカ派的な内容がでてくる可能性は高いと判断されています。このため、先週に続き一段と円高への警戒感が強まるものと思われます。今週は、そのほかにカナダや英国の消費者物価指数・小売売上高や、米国のPCE デフレーターに注目です。週末金曜日はクリスマスを前に米国の金融市場は短縮取引となります。来週月曜日はクリスマスのため、日本以外の主要各国は祝日となります。火曜日も日本と米国を除く主要国ではクリスマス翌日の祝日となります。金融市場が休場となるため、金曜日の米国時間から火曜日の欧州時間まで、FX市場は閑散な展開が想定されます。今週火曜日の日銀の政策金利発表後の動きが一段落すれば、来週のクリスマス休暇明けまでは見送り姿勢を強めるものと思われます。
 本日は、注目すべき材料はないため、明日の日銀の発表を前にJPYに動意づくのか注意しておきたいと思います。

デイトレードの実績_2023年12月第2週

12月第2週は、9通貨ペアで+1,210.7pipsとなりました。週を通して小幅ながら確実に収益を積み重ねることができました。26回トレードし、24勝2敗、勝率92.3%となりました。4回トレードを見送りました。

デイトレードにおいては、1時間足のチャートを見るだけで、判断することができます。ノウハウは個別コンサルティングにて提供しています。ご興味のある方は、お問合せください

今日の環境分析 2023年12月15日

 昨日、欧州ECB・英国BOEはともに政策金利の利上げを見送りました。ECB総裁は会見において、インフレ再燃への懸念や利下げは全く検討していないとコメントしました。EURは、先週までに来年の利下げ分を前倒しで下落してきたので、反動の動きが強めてきました。利下げに言及したFRBとの金融政策の違いが明確になったことで、EURUSDの大きな上昇につながりました。GBPUSDも同様の動きとなりました。また、米国の11月の小売売上高は、前月比+0.3%と予想の-0.1%を上回り、米国経済の底堅さを確認する結果となりました。 

 通貨相関からは、JPYの強さ、USDの弱さが継続しています。USDにつれてCADの弱さも目立つ動きになっています。一方、EURは目先の反発の動きから相対的な強さが高まりました。昨日のECB・BOEの金融政策の方向性から、USD対比での強さを当面は維持することになると思われます。明確な強弱を示しているJPYの買い、USDの売りを軸にした通貨選択を継続したいと思います。

 日足   : JPY>NZD>AUD>GBP>CAD>EUR>USD
 4時間足 : JPY>EUR>AUD>GBP>NZD>CAD>USD

 本日は、欧米各国地域のPMIが発表されます。本来注目される指標ですが、昨日・一昨日に金融政策を発表した直後のため、従来ほどでの市場インパクトは低いと考えています。ただし、速報性の高い指標であるため、内容次第では利下げ時期を探る動きが強まることもあるので注意しておきたいと思います。このほか、中国の鉱工業生産・小売売上高にも注意したいと思います。

今日の環境分析 2023年12月14日

 本日未明に発表されたFOMCの米国の政策金利は、市場予想通りの3会合連続見送りとなりました。ドットチャートからは、2024年末のFFレート(フェデラルファンドレート)を4.6%と、2024年に3回の利下げを見込んでいます。9月のFOMCにおいては2024年末を5.1%と見込んでいたため、前回よりも0.5%と2回分の利下げ分が見通されたことになります。2025年末には3.6%、2026年末は2.9%と見通しており、米国経済は金利低下局面入りすることが確実になりました。FRB議長は、景気の先行きを見守る姿勢を維持し、過度な利下げ期待を牽制したものの、明らかにハト派的発言との見方がされました。利上げ終了を示唆し、利下げタイミングを議論した点も明らかにしました。これをうけて、市中金利である長期債金利は急落し、金利低下を好感したNYダウは史上最高値を更新しました。利下げ環境が醸成されてきたと思われます。市場全般では、USDが急落し、クロス円通貨の下落、ドルストレート通貨の上昇が目立つ展開になっています。USDJPYは12月7日の安値を見に行く動きを示しており、140円割れまでの下落の動きが想定されます。
(注:ドットチャートとは、FOMCメンバーがFFレートを将来の特定時期の予測をし、その予測ポイントをドットで示したチャートのことです。そのドットで示された中央値が注目されます。) 

 通貨相関からは、前日の調整から再びJPYの強さが回復し、USD・GBPの弱さが目立つ展開となりました。金利低下が確実視されているUSDの弱さは持続性のあるものと思われます。JPYの強さも持続していることから、JPYの買い、USDの売りを軸とした通貨選択をしたいと思います。EUR・GBPは本日の政策金利の発表を待ちたいと思いますが、USDと同じ流れになるのではないかと考えています。

 日足   : JPY>NZD>AUD>CAD>GBP>EUR>USD
 4時間足 : JPY>AUD>EUR>CAD・NZD>GBP>USD

 本日は、欧州ECBと英国BOEの政策金利の発表が最大の注目です。米国FOMCにおいて利下げの可能性が高まったことで、ECB・BOEにおいても利上げ見送りや利下げの示唆があるのではないかと思われます。インフレ減速が確認できる状況で、景気悪化を回避したいとすれば、必然的に金融政策は引締めから緩和へと転換すると思われます。FOMC後のUSDの流れに沿って、EUR・GBPも政策金利の発表を前に、USDと同様の展開を想定する動きが出てくるものと思われます。欧州時間の開始から動き出す展開があれば、EUR・GBPの値動きには警戒したいと思います。また、発表内容を確認した後の展開にも警戒しておきたいと思います。
そのほか、米国の小売売上高と新規失業保険申請件数にも注目です。当ブログではカバー通貨対象としていませんが、政策金利の発表されるスイスフランの動きにも注意したいと思います。