今日の環境分析 2023年7月21日

 昨日発表された米国の新規失業保険申請件数は、市場予想に反して低下し労働市場の逼迫を確認することとなりました。来週のFOMCにおいては、利上げ再開が市場のコンセンサスになっており、9月は見送りと判断されていました。しかし、労働環境面からインフレ持続の判断が強まり、9月の利上げを見込む動きが優勢になりつつあります。日銀総裁の政策修正否定を示唆した発言も背景に、USDJPYは140円台に乗せる動きになりました。ファンダメンタルズからは円安ドル高の環境にはありますが、テクニカルからは戻りは鈍いと考えています。月初の高値から中旬までの下落後の反発は、半値戻しに達成していないため戻りは限界にあると考えています。市場全般では、小動きの推移となっており、方向感のつかみにくい展開になっています。

 通貨相関からは、下位足が上位足と反対の動きになっており、方向感のつかみにくい展開になっています。これまで堅調だったEURも調整の動きを見せており、強弱を判断するのが難しい局面となりました。このような局面では、あえて通貨選択を特定せずに見送りで臨みたいと思います。方向感が出るのを待って、その方向に沿った戦略を構築したいと思います。
 
 本日は、日本の全国消費者物価指数に注目です。日銀総裁の見送り発言を修正せざるを得ない内容になるのか注目です。来週の日銀の金融政策決定会合を前に、重要な経済指標になると思われるため、警戒しておきたいと思います。その他、英国とカナダの小売売上高にも注目です。金利上昇に伴う景気停滞を確認することになるのか、それとも好調な経済実体であるのか内容に注意したいと思います。

今日の環境分析 2023年7月20日

 インドで開催されていたG20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、日銀総裁の政策修正否定を示唆する発言が市場に広がったことで、イールドカーブ・コントロール政策の修正を期待した円高の動きを牽制することとなりました。来週27~28日の日銀の金融政策決定会合に注目が集まっており、28日昼頃の金融政策の発表まで市場は神経質な展開が想定されます。26日の米国・27日の欧州の金融政策の発表もあることから、市場全般にも神経質な展開が蔓延するものと思われます。昨日発表された6月の英国の消費者物価指数は、前年比+7.9%と1年3月ぶりに8%割れ、市場予想をも下回りGBPは一時大きく下落したものの、その後、発表前の水準に戻り金融引締めの継続を評価する動きなりました。

 通貨相関からは、EURの強さが継続しており、JPYも堅調な展開となっています。足元のUSDの反発があるため、USDJPYは戻り歩調にあるものの、上値を追う展開にはなっていません。EURJPYの堅調さに対し、GBPJPY・AUDJPYの横ばいの動きなど、クロス円通貨の方向性はばらばらにあるため、JPYを軸に通貨選択はしないようにしたいと思います。EURUSDは依然として収束の最終局面にあるため、動き出しに注意したいと思います。AUD・NZDの弱さは継続しています。このため、EURの買い、AUD・NZDの売りを軸にした通貨選択をしたいと思います。

 本日は、オーストラリアの失業率に注目です。また、米国の新規失業保険申請件数にも注目です。労働市場の動向は、金融政策に大きく影響を与えるため、その内容には注意したいと思います。全般に、方向感のない展開が続いているため、レンジ内トレードに徹していきたいと思います。大きなトレンド狙いより確実な利確を優先するトレードをしたいと思います。

今日の環境分析 2023年7月19日

 昨日発表された米国の小売売上高は、市場予想を下回るものの3か月連続でプラスとなり、個人消費の堅調さを示しました。発表時にUSDの反応はあったものの、一時的な動きにとどまりました。全般に方向感が乏しい展開になってきており、トレンドの確認できる通貨が見当たらないのが現状です。来週にFOMC、ECB理事会、日銀の金融政策決定会合を控え、様子見気分が強まってきているように思われます。

 通貨相関からは、EURの強さが目立つようになりました。EURGBPの強さが回復していることから、GBPの相対的な弱さが際立つようになってきました。USD・JPYは反発の動きが見られ、方向性を模索しているかのようです。EURUSDの収束の動きは最終局面に来ていると思われるので、EUR・USDの方向性の確認を待ちたいと思います。AUD・NZDは、相対的な弱さが上位足から下位足まで揃っていることから、これら通貨の売りに注目しています。

 本日は、英国の消費者物価指数に注目です。主要国の中で最も最後まで金融引き締めの可能性が高い英国ですが、利上げに伴う景気悪化懸念が高まっているように思われます。本日の消費者物価指数の内容次第で、金利引上げ継続かインフレ持続による景気悪化懸念かを、市場はどのように判断するのか注目しています。来週の日米欧の金融政策の発表を前に、思惑的な動きが出てくると思われます。しかし市場はレンジ内の動きを強めていることから、短期的な値動きに対応したトレードで臨んでいきたいと思います。

今日の環境分析 2023年7月18日

 昨日発表された中国の第2四半期GDPは、前年比+6.3%と市場予想の+7.3%を下回りました。若年層の失業率の高さや不動産市場の低迷などを受けて伸び率が鈍化しています。中国の景気減速感が強まってきており、世界経済への影響が懸念されています。また、G20財務相会議が始まり、利上げに伴い世界経済に減速懸念が強まっているとのコメントがありました。先進国で続く金融引き締め政策の終息を意識しているものと思われます。昨日は、日本が祝日であったことから見送り気分が強く、ボラティリティは低水準となりました。方向感のない展開となり、Mark’s Tradeのスイングポジションでも複数の通貨ペアが決済されました。

 通貨相関からは、USDの弱さが継続していますが、JPYの弱さも目立ちました。JPYは先週末の反発の動きがあらわれたものと思われます。EURの強さが目立ってきたことから、EUR関連通貨は堅調な展開となっています。USDとの関係からEURUSDも堅調ですが、高値圏でのレンジが続いていることから、レンジ抜けに注目しています。EURとともにGBPも堅調な展開となっており、EUR・GBP関連通貨に注目しています。

 本日は、7月4日に開催されたオーストラリアRBAの議事録の公表に注目です。政策金利の据え置きを決定した会議であるため、その発言内容には注意したいと思います。再度、利上げの可能性があるのか否かの判断材料になると思われ、AUDの値動きには警戒したいと思います。また、21:30に同時に発表される米国の小売売上高とカナダの消費者物価指数に注目です。なかでも、米国の小売売上高はインフレ懸念や景気停滞を示すのか否定するのか注目しています。

今日の環境分析 2023年7月17日

 先週末金曜日は、日本が週明け月曜日が祝日の3連休になるため、下落を続けていたクロス円通貨を中心にポジション解消の動きが強まりました。前月比と前日比の方向性で顕著な違いを確認できます。これら反発の動きは週足や日足のミドルバンドを意識した動きになっているため、目先の反動がどこまで続くのか注目しています。一時的な反動であることが確認できれば、大きなトレンドを期待することができると思います。現在、Mark’s Tradeのスイングでは、USDやCAD関連の複数の通貨ペアにトレンドの継続を確認しています。

 通貨相関では、USD・CADの弱さが継続しています。JPY・EUR・GBPは下位足で調整の動きになりました。AUD・NZDは堅調な動きになっており、全体として方向感を判断するのが難しい展開になっています。USDの弱さは継続していることから、本日もUSDの売りを軸とした通貨選択を継続したいと思います。

 今週は、先週に比べて重要度は低いですが、それぞれ金融政策の方向性に大きな影響を与える経済指標の発表が控えています。火曜日のオーストラリアのRBA議事録の公表とカナダの消費者物価指数や米国の小売売上高、水曜日の英国の消費者物価指数、木曜日のオーストラリアの失業率、日本の全国消費者物価指数や英国とカナダの小売売上高に注目です。カナダと英国で消費者物価指数と小売売上高の発表があるため、CAD・GBPの動きに警戒が必要です。
 本日は、日本が祝日のため金融市場は休場となります。先週末のクロス円の反発の動きが続くのか、再び円高方向に向かうのか、日本時間の流動性の薄い時間帯の値動きに注意したいと思います。デイトレードでは、欧州時間に入ってからの値動きを確認してからトレードの機会を探りたいと思います。

デイトレードの実績_2023年7月第2週

7月第2週は、9通貨ペアで+1,127.1pipsとなりました。21回トレードし、18勝3敗、勝率85.7%です。USDJPYはトレードしませんでした。今週は、5回トレードを見送りました。

デイトレードのノウハウについてもチャートに掲載しました。また、見送り場面も表示するようにしました。この1時間足のチャートを見るだけで、判断することができます。ノウハウは個別コンサルティングにて提供しています。ご興味のある方は、お問合せください。

今日の環境分析 2023年7月14日

 昨日発表された米国の6月の生産者物価指数は、前年同月比+0.1%と市場予想の+0.4%を下回りました。前日の消費者物価指数に続き伸び率が鈍化しており、インフレの鎮静化が意識されてきました。年内2回の利上げは困難との判断からドル売りの動きが強まり、USDJPYは138円割れが目前になってきました。ドル安の動きの加速から関連通貨は大きく下落しています。

 通貨相関からは、USDの弱さが継続しており、つれてCADの弱さも目立つ展開になってきています。JPYの強さは継続しており、AUD・NZDは反発の動きが見られます。逆にEUR・GBPが弱含む展開になってきていますが、この足元の動きが継続するのか単なる調整なのか、見極めていきたいと思います。本日もUSDの売りを軸に通貨選択を考えたいと思います。

 本日は、ミシガン大学の消費者信頼感指数の発表がありますが、市場インパクトは少ないと考えています。ニュージーランドが祝日のため、NZDの値動きには注意をしたいと思います。また、週明け月曜日は日本が祝日となるため、今週下落を続けているUSDJPYのポジション調整が起こる可能性が高いと考えています。このため、クロス円通貨の値動きには警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年7月13日

 今週最大の注目材料だった6月の米国の消費者物価指数は、市場予想を下回り、前年同月比+3.0%と2年3か月ぶりの4%割れとなり、12か月連続で伸びが鈍化しています。エネルギーと食品を除くコア指数は、前年比+4.8%と3か月連続で伸び率が鈍化となりました。米国経済のインフレの鈍化傾向が鮮明となりました。7月の利上げを否定するものではありませんが、年内2回の利上げの可能性が低下したと判断され、ドル安の動きにつながりました。USDJPYは、昨日コメントした6月前半のレンジ内の140円割れになっても動きを止めることなく、一気に138円台前半まで急落しました。日本のイールドカーブ・コントロールの変更期待も根強い円高の動きと合わせ、USDJPYの下落が加速した模様です。昨日発表された政策金利は、ニュージーランドが据え置き、カナダは0.25%の利上げと、事前予想の結果となりました。これを受けて、NZDは上昇し、CADは下落しました。金融政策の流れと逆の動きですが、市場はインフレ抑制よりも金融引き締めの行き過ぎによる景気悪化懸念を重視している結果と考えられます。市場全般では、USD・JPY・CAD・NZD関連通貨が1%以上の変動となるなど、ボラティリティの高い展開となりました。

 通貨相関からは、JPYの強さとUSDの弱さが継続しています。昨日コメントしたEURGBPは反転の動きとなり、EURの強さが目立つ展開となりました。英国の方が欧州よりも金融引締めの余地が大きいためGBPの優位性を見てきましたが、先にコメントした通り、景気悪化懸念を意識した為替市場に変容してきているように思われます。JPYの買い、USDの売りを軸に通貨選択をしたいと考えています。

 本日は、米国の生産者物価指数に注目です。昨日の消費者物価指数同様にインフレ鈍化の判断ができる内容になるのか否か注意したいと思います。また、英国のGDPや欧州ECB理事会の議事要旨の公表にも注目しています。市場は大きな動きが始まっていると考えますが、明確なトレンドを確認するまでには到っていません。今後の動きを注視していきたいと思います。

今日の環境分析 2023年7月12日

 日銀の大規模な金融緩和策の一つであるイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の変更期待が強まり、先週後半から続く円高が加速しています。昨日は、140円台前半まで円高が進みました。6月前半に139円~140円のレンジ局面があるため、140円の大台を割り込んだ場合でも一旦は下落の強さがおさまるものと思われます。

 通貨相関からは、JPY・EUR・GBPの強さが継続しています。EUR・GBPはともに強い動きですがEURGBPの動きからはEURの弱さが目立つことから、JPY・GBPの強さに限定して考えた方が良いと思います。USDやマイナー通貨の弱さは継続しています。本日は米国・カナダ・ニュージーランドの重要な経済指標の発表があるため、これら関連通貨のボラティリティに警戒したいと思います。

 本日は、今週最大の注目である米国の消費者物価指数が発表されます。USDJPYは直近高値から5円近く下落しているため、本日の米国の消費者物価指数の内容次第では急反発の可能性もあるので警戒したいと思います。本日は、ニュージーランドとカナダの政策金利の発表にも注目です。市場予想では、ニュージーランドは金利据え置き見通し、カナダは追加利上げの可能性が高いと判断されています。また、英国BOE金融安定報告書の公表にも注意したいと思います。