今週は日米の金融政策に警戒!_6/10(月)

今日の環境分析 2024年6月10日

 週末金曜日に発表された米国の雇用統計は、サプライズとなりました。非農業部門の雇用者数は、+27.2万人と市場予想の+18.5万人を大きく上回りましたが、3月と4月は下方修正されました。平均時給は前月比+0.4%と加速する一方で、失業率は悪化しました。直近で発表された複数の労働統計で需給ひっ迫観測が緩和されていましたが、雇用統計のサプライズが雇用環境の逼迫を確認することになりました。これを受けて、9月の利下げ観測は大きく後退し、米国金利は上昇し、ドル高に反応しました。市場全般では、ドルストレート通貨の堅調さが目立ちました。

 通貨相関からは、雇用統計の結果をうけたUSDの強さが目立ちました。GBPの堅調さも続いています。一方で、JPYとEURの弱さが目立つようになりました。足元の動きが上位足に波及してくるのか注意したいと思います。上位足から下位足まで強さを維持しているGBPと足元の強さのみられるUSDの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: GBP・USD
 弱い通貨: EUR・JPY

 日足   : NZD>GBP>USD>EUR>JPY>AUD>CAD
 4時間足 : USD>GBP>CAD>AUD・NZD>EUR>JPY

 今週は水曜日に警戒です。雇用統計に並ぶ最重要な経済指標となる米国の消費者物価指数(CPI)とFOMCにおける金融政策が発表されます。ともに市場へのインパクトは非常に大きいので値動きに警戒したいと思います。また、金曜日には日本銀行の金融政策が発表されます。おそらく現状維持のなかで、どの程度利上げに向けた議論がされるのかに注目しています。そのほか、火曜日の英国の失業率、水曜日の英国のGDP、木曜日のオーストラリアの失業率と米国の生産者物価指数、金曜日のミシガン大学消費者信頼感指数にも注目です。ともに各通貨へのインパクトがあるので、発表時には注意したいと思います。
 本日は、日本の第1四半期GDP二次速報が発表されますが、市場への影響は小さいと考えます。その他、重要な経済指標はありません。先週末の雇用統計の結果を消化する動きと、水曜日のCPIに向けた思惑的な動きが交錯し、方向感のつかみにくい展開を想定しています。なお、オーストラリアと中国は祝日のため金融市場は休場となります。

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