今日の環境分析 2023年8月11日

 昨日発表された米国の7月の消費者物価指数は、予想を若干下回る前年比+3.2%となりました。6月の+3.0%から7月は13か月ぶりに伸びが加速する結果となりました。これを受けて、USDは堅調な展開となり、USDJPYは145円手前まで上昇してきました。USDJPYの上昇はUSDの強さとともにJPYの弱さも示す結果となり、EURJPYは昨年の高値を上抜く展開になるなど、大きなトレンドの始まりを示すものとなりました。
 
 通貨相関からは、JPYの弱さとUSD・EURの強さが目立つ展開になっています。また、USDにつれてCADも強くなっています。USD・EUR・CADの強さとその他の通貨の弱さの対比が顕著になってきました。USD・EURの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、英国のGDPや米国の生産者物価指数に注目です。英国の継続的な金融引き締めに伴う景気後退の兆しを確認することになるのか注意したいと思います。また、米国の生産者物価指数は、製造業PMIで景気後退を懸念されている局面であるため、製造業の実体面を表すことになるのか注目しています。
 日本は本日祝日です。お盆休み入りと市場参加者が少ない中、USDJPYは145円をうかがう展開になっています。流動性の低下している日本時間を中心にJPYへの仕掛けの動きを警戒したいと思います。為替介入の動きが出てくるのかにも注意したいと思います。

今日の環境分析 2023年8月10日

 昨日は、中国の消費者物価指数が発表され、2年5か月ぶりのマイナスとなる前年比-0.3%となりました。中国経済のデフレ懸念が台頭し、世界経済への影響を心配する可能性が出てきました。市場全般は、再び、ボラティリティが急低下し、小動きに推移しました。複数のクロス円の通貨ペアで上昇が見られますが、前回高値付近でのもみあいになっています。上値の重たさが見られるので、トレンド確認は高値抜け後の動きをみて判断したいと思います。

 通貨相関からは、JPY・マイナー通貨の弱さ、USD・EUR・GBPの強さも継続しています。CADはUSDの強さにつられて徐々に弱さが緩和している傾向にあります。比較的、上位足から下位足まで方向感が揃った強弱関係になっています。このため、昨日同様、JPYを除くメジャー通貨の買いやマイナー通貨の売りを軸に通貨選択をしていきたいと思います。ただし、USDは経済指標の発表を前に神経質な展開が想定されるので注意したいと思います。

 本日は、米国の消費者物価指数が今週最大の注目材料です。FRBが9月に利上げ継続するかの判断材料の一つとなるので、内容には警戒したいと思います。インフレ率の低下を判断できる内容であると、次回の利上げ見送りや来年の利下げ観測が強まることが想定されます。その場合、高止まりしているUSDが一気に下落する可能性があるため注意したいと思います。また、同時刻に発表される新規失業保険申請件数にも注目したいと思います。
 明日は、日本が祝日で休場となります。クロス円通貨の多くはレンジの上限付近に達してきており、3連休を前にポジション調整の可能性を想定しておく方が良さそうです。

今日の環境分析 2023年8月9日

 昨日は、各国の貿易収支の発表に反応する動きから、久しぶりにボラティリティが高まりました。しかし、多くの通貨ペアはレンジ内の動きが続いており、明日の米国の消費者物価指数の発表を前に、様子見の展開が続いています。全般に小動きに推移しており、3日連続で1%を超える変動のない状況になっています。

 通貨相関からは、マイナー通貨の弱さとJPYを除くメジャー通貨の強さが顕著になっています。強弱感は明確に表れているものの、方向感をつかみにくい局面にあるため、通貨選択が難しい状況にあります。マイナー通貨の売りやJPYを除くメジャー通貨の買いを軸に通貨選択を検討していきたいと思います。

 本日は、中国の消費者物価指数に注目です。中国経済の停滞が懸念されており、世界経済への影響から各国の金融政策への影響も意識する必要があります。この発表内容を消化した後は、明日の米国の消費者物価指数の発表に向けて思惑的な動きが強まる可能性があります。ドルストレート通貨の値動きに警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年8月8日

 昨日、7月27-28日に開催された日銀の金融政策決定会合における主な意見が公表されました。イールドカーブ・コントロールの修正を決めた会合だけに、その内容に注目されていました。運用を柔軟化しつつ金融緩和を続けるべきとの意見が多数確認されています。早急な金融緩和の解除は期待が薄いため、円高への修正力は弱まりそうな状況です。多くの欧米投資家は夏休み入りしていることもあり、市場はボラティリティが低下し、方向感のない展開が続いています。こうした局面では、流動性の低下から少しの材料でも過剰反応することがあるので、警戒を怠らないようにしていきたいと思います。

 通貨相関からは、方向感がつかみにくい状況にあります。そのなかで、マイナー通貨の弱さとEURの強さが確認することができます。JPY・USDともに日足と4時間足では通貨の強弱が逆転しており、判断しづらい状況にあります。EURとともにGBPは比較的堅調な動きを見せています。このため、EUR・GBPを軸に通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、大きな材料はありませんが、比較的注目度の低い貿易収支が中国・カナダ・米国で発表されます。AUD・CAD・USDの動きには注意しておきたいと思います。下位足では多くの通貨ペアで収束の度合いを強めています。発散のタイミングを待っている状況にあるので、値動きを注視していきたいと思います。

今日の環境分析 2023年8月7日

 週末金曜日に発表された米国雇用統計は、雇用者数が18.7万人と市場予想20万人を下回る一方で、平均時給は前年比+4.4%の市場予想を上回る33.74ドルとなり、強弱入り混じる内容となりました。通常とは異なり雇用統計発表による変動幅は小さかったものの、USD安方向に向かいました。同時刻に発表されたカナダの失業率は、5.5%と市場予想並みだったものの、新規雇用者数が予想の+2.11万人を大きく下回る-0.64万人となりました。CADは下落傾向を強める結果となりました。

 通貨相関からは、マイナー通貨全般に弱い展開が続いています。金融引き締め策のゴールを確認しつつある動きと判断できます。日本を除く先進国はゴールを模索する段階に入ってきているため、マイナー通貨対比で相対的には強さを維持しています。逆に、金融引き締めにこれから向かうであろうJPYの強さを確認する結果になっています。マイナー通貨の売りを軸に通貨選択を組み立てたいと思います。

 今週は、木曜日の米国の消費者物価指数が最大の注目です。雇用統計では平均時給の上昇傾向からインフレ持続が確認できますが、消費者物価指数でインフレの鈍化を確認できるのかに注目しています。また、金曜日の生産者物価指数にも注目です。先週発表された製造業PMIでは景気後退懸念が強まっており、生産者物価指数でも景気後退を確認できる内容であるか否か注意が必要です。
 本日は、日銀の主な意見公表を注視しています。イールドカーブコントロールの政策修正を決定した際の金融政策決定会合のため、その内容を確認しています。内容次第ではJPYに大きな影響を与えかねないだけに、値動きに警戒していきたいと思います。なお、本日はオーストラリアとカナダが祝日のため、AUD・CAD関連通貨には慎重な姿勢で臨みたいと思います。

デイトレードの実績_2023年8月第1週

8月第1週は、9通貨ペアで+833.0pipsとなりました。17回トレードし、16勝1敗、勝率94.10%です。今週は、4回トレードを見送り、EURJPYはトレードをしませんでした。

デイトレードのノウハウについてもチャートに掲載しました。また、見送り場面も表示するようにしました。この1時間足のチャートを見るだけで、判断することができます。ノウハウは個別コンサルティングにて提供しています。ご興味のある方は、お問合せください。

今日の環境分析 2023年8月4日

 昨日、イングランド銀行は政策金利を+0.25%利上げし5.25%となりました。14会合連続の利上げとなりましたが、足元のインフレ鈍化をうけて利上げ幅を前回の+0.5%から縮小しました。政策金利の引き上げよりも金利水準の維持を重視し、今後の利上げ余地は小さいことを示しました。米国ISM非製造業景況指数は予想を下回りました。米国景気を支えていたサービス業に減速の動きをみられてきたことに注目です。

 通貨相関からは、USD・EURの強さが継続していますが、JPYの強さも目立つ展開になりました。AUD・NZDの弱さが継続していることから、メジャー通貨全般に相対的な強さが確認できます。GBPは昨日の政策金利の発表を受けて軟調な展開になってきました。USD・JPYともに強いため、USDJPYの膠着状態になっています。このため、USDJPYを除くUSD・JPY買いのポジションに注目しています。

 本日は、米国の雇用統計に注目です。大きなサプライズがない限り、指標発表による動きは限定的と考えています。同時刻に発表されるカナダの失業率にも注目です。このところCADの動きは軟調な展開となっており、カナダの労働市場の環境次第で金融政策の方向性が判断できるため、動きが加速することも想定しておく必要があります。また、オーストラリアのRBA四半期金融政策報告にも注目です。金融引き締めの終焉を裏付ける内容の場合、AUDの下落が加速するのか警戒しています。

今日の環境分析 2023年8月3日

 昨日発表されたADP全米雇用報告は、非農業部門雇用者数が前月比+32.4万人と、市場予想の+17.5万人を大きく上回りました。この内容を受けて米国景気の強さを確認した動きが金利の上昇につながり、USDは堅調な展開となりました。米国の格付け会社フィッチが米国債の格下げしたことを受けて、昨日の世界の株式市場は急落しました。しかし、同じ格付け会社大手であるS&Pはすでに2011年に格下げしており、今回のフィッチの格下げによる影響は過剰反応と思われます。世界的な株式市場の下落から、リスクオフのムードが広がってきたことに警戒したいと思います。市場全般では、一昨日のオーストラリアの金利据え置きの流れが続くAUDの弱さに連動してNZDも弱いことから、関連通貨の下落が目立ちました。日足ベースではレンジを抜けてきており、関連通貨のトレンドを確認できるようになってきました。

 通貨相関からは、AUD・NZDの弱さが目立っており、オセアニア通貨売りの流れが続いています。JPYは下位足での弱さはあるものの、日足での強さが継続しています。クロス円通貨すべてが同時に上昇していないことから、円安の動きではないと判断しています。USD・EURの強さが継続していることから、USD・EURの買いやAUD・NZDの売りを軸に通貨選択を考えていきたいと思います。

 本日は、英国の政策金利に注目しています。利上げ継続が市場予想になっていますが、先週の欧米の中央銀行総裁のハト派発言を受けて、BOE総裁の発言内容に警戒したいと思います。また、米国の新規失業保険申請件数やISM非製造業景況指数にも注目です。明日の雇用統計の発表を前に、インフレ動向を判断する重要な指標となるため、警戒が必要です。さらに、オーストラリアの小売売上高にも注意したいと思います。本日は、重要な経済指標の発表が続くため、発表内容を確認してから慎重にトレードに臨みたいと考えています。

今日の環境分析 2023年8月2日

 昨日発表されたオーストラリアの政策金利は、利上げ見送りとなりました。事前予想が利上げと据え置きで拮抗していたため、見送りになったことでバランスが崩れAUDが大きく下落しました。AUD関連通貨は前日比で1%以上変動することになりました。7月の米国のISM製造業景況指数は、予想を下回る46.4と9か月連続で50割れとなり、米国景気の後退局面入りを懸念する動きが強まることが想定されます。また、米国のJOLTS求人は求人数が減少し、2021年4月以来の低水準になるなど、米国経済への懸念材料が出てきています。加えて、今朝、米国の格付け会社大手であるフィッチは、米国の格付けを最上級格から一段格下げしました。このニュースを受けて、USDは下落方向に反応しています。市場全般では、月初でもあったことから、AUD関連通貨を除き小動きに推移しました。

 通貨相関からは、USDの強さが継続しています。EUR・GBPも堅調な展開になっています。対して、マイナー通貨全般に弱い状況になっています。AUDが急落したことから最弱通貨となりました。JPYは材料出尽くしから下落が続いていますが、USDJPYでみて上値は限定的に思われます。このため、安易にJPY売りのポジションは持ちにくい状況にあります。相対的な位置づけから、EUR・GBPの買いやAUD・NZDの売りを軸に通貨選択を考えたいと思います。

 本日は、米国のADP全米雇用報告に注目です。金曜日の雇用統計の発表を前に、連日、労働関連統計が発表されます。雇用統計に向けてポジションを持ちにくい状況にありますが、個々の統計内容から思惑的な動きが出てくるものと思われます。また、明日は英国の政策金利の発表があります。利上げが想定されていることから、GBPの動きには注意していきたいと思います。全般には、方向感をつかみにくい状況が続いているため、様子見していきたいと思います。