今日の環境分析 2023年10月6日

 昨日発表された米国の新規失業保険申請件数は、事前予想とほぼ同水準となり市場への影響はほとんどありませんでした。本日の雇用統計の発表待ちのようです。市場全般に週初からの動きに逆行しましたが、ボラティリティが低下し小動きに推移しました。

 通貨相関からは、マイナー通貨の弱さが継続しており、USDは下位足で弱い状況なのが目立ちます。週初からのドル高の反動と思われます。JPYが堅調な動きになっており、USDJPYの上値の重さにつながっています。EUR・GBPは下位足で強い動きになっていますが、USD同様に上位足の調整の動きと思われます。上位足から下位足までまちまちのため、方向感をつかみにくい状況にあります。方向性をつかめるまで様子見したいと思います。

 本日は、米国の雇用統計が最大の注目材料です。足元の米国金利の上昇を受けて、次回のFOMCにおいても金利据え置きとの見方が強まっていますが、雇用統計の内容次第ではこの考えが一転する可能性もあります。今週続いた労働統計では様々な動きをもたらしましたが、最終的に本日の雇用統計で方向性が決まると考えています。また、同時刻に発表されるカナダの失業率にも注目です。このところCADの下落が強まっていますが、失業率の内容でこの動きが加速するのか反転するのか注目しています。さらに、オーストラリアの金融安定報告にも注目です。足元弱い動きが続くAUDの方向性を判断するうえで、この報告内容から金融政策の展望を確認することが大事だと思います。週明け月曜日は、日本だけでなく米国とカナダも祝日となります。3連休を控えているため、米国雇用統計への反応は限定的となる可能性もあるので注意が必要です。

今日の環境分析 2023年10月5日

 昨日は、前日NY時間に起きたクロス円の急変動を受けて方向感を失った展開になりました。ADP全米雇用報告は、前日のJOLTS求人数とは逆に事前予想よりを下回りました。雇用者数は、前月比でマイナスとなった2021年1月以降で最も低い伸びとなったことで、米国金利は低下しました。ISM非製造業景況指数は事前予想通りとなり、市場インパクトはありませんでした。明日の雇用統計の発表を控え、労働市場の動向に注目が集まっています。ニュージーランドの政策金利は事前予想通りの金利据え置きとなりました。

 通貨相関からは、USDとともにJPYの強さが継続しています。マイナー通貨は弱い展開になっています。EUR・GBPは中立的な位置づけになっています。全般に方向感をつかみにくい状況になっているなか、上位足から下位足まで強弱が揃っているのはUSDの強さだけです。このため、USDを軸にした通貨選択をしたいと思います。

 本日は、米国の新規失業保険申請件数に注目です。昨日・一昨日と労働統計が強弱分かれた状況にあるため、最も足元の動きを表す本日の統計は重要度が高まると思われます。また、オーストラリアとカナダの貿易収支にも注目したいと思います。

今日の環境分析 2023年10月4日

 今日は10月4日、投資の日です。健全な資産形成を目指していきましょう!

 昨日は、米国のJOLTS(雇用動態調査)が市場予想の880万人を上回る961万人となり、労働市場の逼迫から長期金利が上昇しました。これを受けてドル買いの動きが強まり、USDJPYは1年ぶりの150円台に突入しました。しかし、直後に一時USDJPYは147円台半ばまで急落し、クロス円通貨すべてが急落しました。金融当局からのコメントはないものの、円買い介入があったものと想定されています。日中に発表されたオーストラリアの政策金利は予想通りの据え置きとなり、一部に期待された新鮮味のあるコメントもなく、AUDの下落が強まりました。前日にみせた反転の動きを否定することになりました。

 通貨相関からは、USDの強さが継続しています。JPYは昨夜の急激な円高を受けて下位足ではUSDと並ぶ強さとなりました。AUDの弱さが続いており、NZDの強さはピークを越えたように思われます。本日、先月から保有してきたNZD関連通貨のスイングポジションを決済しました。CADの弱さが続いていることから、マイナー通貨全般に弱い動きになりました。この結果、EUR・GBPの相対的な弱さが緩和されました。USDの強さを背景とした通貨選択を行いたいと思います。

 本日は、ニュージーランドの政策金利の発表に注目です。前日のオーストラリアと同様に、据え置きが見込まれています。また、米国のISM非製造業景況指数にも注目です。その前に発表される米国のADP全米雇用報告は、昨日のJOLTS発表後の動きが印象に強いため、発表内容に注意したいと思います。USDJPYはその際の動き次第で、再度介入の可能性が高まるので警戒しておく必要があります。

今日の環境分析 2023年10月3日

 昨日発表された米国のISM製造業景況指数は、市場予想の47.9を上回る49.0となりました。景況感を判断する50は下回るものの、景気後退懸念が弱まったように思われます。これを受けて長期金利が上昇しドル高の動きが加速しました。ドルストレート通貨が大きくドル高方向に動き、なかでもAUDUSDは1%を超える下落となりました。USDJPYは年初来高値を更新していますが、介入警戒感から上値の重い展開になっています。昨日は、米国の金融当局幹部の発言が相次ぎ、金融引締め継続を支持するコメントが続きました。このため、米国の高金利は長期化する見通しとなり、米国株式市場がマイナスに反応しました。

 通貨相関からは、NZDの強さが継続しています。NZDにつれてAUDは相対的な強さは回復しているものの強さにつながらない状況です。CADがUSDに反する動きから弱さが継続している点にも注目です。EUR・GBPの弱さは継続しています。USDの相対的な強さは継続しているものの一強の動きにはなっておらず、単純にドルストレート通貨に注目する状況にはないように思われます。EUR・GBPの弱さが継続していることから、これら通貨を軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、オーストラリアの政策金利の発表に注目です。市場予想では金利据え置きとなっており、サプライズはないと想定されます。米国ではJOLTS(雇用動態調査)求人件数が発表されます。今週は金曜日の雇用統計の発表まで毎日労働関連統計が発表されます。このため、雇用環境を判断する第一弾としてJOLTS求人数に注意したいと思います。内容次第では、想定外のUSDの強さにつながる可能性を否定できないので警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年10月2日

 今日から10月相場に入りました。USDJPYは150円直前にまで迫っていますが、月が替わり金融当局の動きやすい環境が整ってきており、いつ為替介入があってもおかしくない状況にあります。もし介入があった場合には5円程度の円高が想定されていることから、USDJPYの上値を追うのは難しい局面になってきました。懸念されていた米国の政府機関の閉鎖は当面回避された一方で、自動車業界のストが拡大しており、米国経済の行方は不透明感が漂ってきました。週末金曜日に発表されたユーロ圏の消費者物価指数は伸びが減速しており、インフレ鎮静化が見えてきています。逆に欧州経済の景気停滞を懸念する状況になっていることから、EURの弱さにつながっています。

 通貨相関からは、AUD・NZDの堅調さが目立ちます。NZDの強さが長期化していることから反転に警戒しつつも、注目していきたいと思います。メジャー通貨全般に弱い動きになっていますが、期末要因による反転の動きと判断できます。現状では、上位足から下位足で方向感がつかみにくい状況になっています。月初の動きを十分に判断してから通貨選択を決定づけたいと思います。

 今週は、重要な経済指標の発表が続き、四半期明けの新たな動きに期待したいと思います。月曜日に日銀短観と米国ISM製造業景況指数、火曜日にオーストラリアの政策金利、水曜日にニュージーランドの政策金利と米国ISM非製造業景況指数、金曜日に米国の雇用統計に注目です。本日は、9月21~22日に開催された日銀の金融政策決定会合における主な意見公表にも注目したいと思います。
 本日は、カナダとオーストラリアは祝日で金融市場は休場となります。また、中国は今週いっぱい大型連休となります。なお、今週からオーストラリアは夏時間になりました。ニュージーランドは先週から夏時間入りしています。

今日の環境分析 2023年9月29日

 昨日は、四半期末を控えてポジション調整の動きが強まりました。前日比と前月比では逆の方向になっていることからも確認することができます。なかでも、AUDの反転の動きが大きく、関連通貨の上昇が目立ちました。USDJPYも150円を目前に控え、反落しました。

 通貨相関からは、下位足でAUDの強さが際立ちました。次いでUSD・NZDの強さを確認することができます。JPYの弱さが目立ち、EUR・GBPとともに弱い通貨群を形成しています。USDの強さが継続していることから、USDを軸とした通貨選択をしたいと思います。

 本日は、東京都区部の消費者物価指数に注目です。また、英国の第2四半期GDP確定値や欧州圏の消費者物価指数、カナダのGDP、米国のPCEデフレータなど、金融政策に大きな影響を与える内容が多いので警戒しておきたいと思います。本日も期末要因からの動きが続くと想定されるため、こうした経済指標の発表を契機に大きく動く可能性があるので注意したいと思います。なお、本日から中国は来週末まで秋の大型連休に入りました。不動産関連企業を中心に不穏な動きが続いており、市場が休場となる連休中に大きな動きが懸念されます。世界経済に与える影響が大きいので、来週一杯、中国の動向に注意したいと思います。また、週明け月曜日はオーストラリアとカナダの市場は休場となります。AUD・CADの動きには注意しておきたいと思います。

今日の環境分析 2023年9月28日

 昨日発表された米国の8月の耐久財受注は、市場予想の前月比-0.5%を上回る+0.2%の増加となりました。米国金利の上昇に伴う借り入れコストの上昇から企業の設備投資は停滞期気味でしたが、米国経済の堅調さを裏付ける結果となりました。一方で、ミネアポリス連銀総裁は政府機関の閉鎖や自動車業界のストが長引いた場合には年内の利上げ見送りの可能性もあると発言し、景気停滞懸念にも無視できない状況にあります。どちらにせよ、米国金利は後1回の利上げがあってもほぼ上限に達していることから、今以上の日米金利差の拡大を想定しにくい状況にあります。USDJPYは149円台後半まで上昇し、今日にも150円乗せの可能性が高まってきました。しかし、日米金利差の限界や金融当局の円買い介入への警戒などを考えると、上値の重たい展開になるものと思われます。期末要因を背景に150円台に入ることも視野に入れて慎重な対応が望まれます。

 通貨相関からは、前日に続き、USD・CAD・NZDの強さを確認できます。逆に、EUR・GBP・AUDの弱さも継続しています。JPYは中立的な位置づけを継続しています。このため、クロス円通貨は、強弱が分かれる状況にあるため、通貨選択には注意が必要です。引き続き、ドルストレート通貨やEUR・GBPに注目した通貨選択を行いたいと思います。

 本日は、オーストラリアの小売売上高、ドイツの消費者物価指数、米国の新規失表保険申請件数とGDP確報値が発表されます。それぞれの指標が関連通貨への影響度は高いと思われるため、発表内容には注意したいと思います。引き続き、週末・月末・四半期末に向けたポジション調整の動きには警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年9月27日

 昨日は、大きな経済指標の発表はなく、小動きに推移しました。米国金利が上昇したことを受けてUSDJPYは149円台に乗せてきました。円買い介入への警戒感があるためにUSDJPYの上値は重たい動きになっていますが、ドルストレート通貨はドルの強さを素直に反映した値動きになっています。

 通貨相関からは、前日に続き、USD・CAD・NZDの強さを確認できます。AUDはNZD対比での弱さが継続しており、EUR・GBPの弱さも継続しています。JPYは中立的な位置づけになっていますが、クロス円通貨でみると強弱が分かれる状況になっています。引き続き、ドルストレート通貨やEUR・GBPに注目した通貨選択したいと思います。

 本日は、7月末に開催された日銀の議事要旨に注目です。長期金利の水準を引き上げた際の会合であるため、どのような内容が議論されたのか、今後の金融政策のヒントとなるような内容があるのか注目されています。また、オーストラリアの消費者物価指数や米国の耐久財受注にも注目です。引き続き、週末・月末に向けたポジション調整の動きには警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年9月26日

 昨日発表されたドイツのIFO景況指数は5か月連続で下落し、景気後退懸念の高まりからEURが売られる展開となりました。市場全般では、ボラティリティが低下し、月内の方向性に沿った動きになりました。USDJPYは、介入への警戒感はあるものの,149円直前にまで上昇しました。USDJPY同様にNZDJPYやCADJPYは上昇しましたが、EURJPY・GBPJPY・AUDJPYは軟調な展開になっていいます。全面的な円安局面ではないことで、円安介入には踏み込みにくい状況にあると思います。

 通貨相関からは、USDの強さが継続し、CAD・NZDの強さも目立ちます。AUDはNZD対比での弱さが際立ち、EUR・GBPとともに軟調な展開になっています。JPYは中立的な位置づけですが、金融引き締めの可能性を残している唯一の先進国通貨の立場から、堅調な展開になっています。USDの堅調さを受けてドルストレート通貨やEUR・GBPに注目した通貨選択をしたいと思います。

 本日は、重要な経済指標はありません。今週末の四半期末を控え、徐々にポジション調整の動きが強まると思われるため、慎重な姿勢で臨みたいと思います。日本の企業にとっても9月末は半期末の重要な時期になります。USDJPYの149円台を見に行くのか、その時の金融当局の対応はどうなるのか警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年9月25日

 週末金曜日に発表された日本銀行の金融政策は、現状維持となりました。事前に期待されていたゼロ金利政策の解除はまったくなく、失望感にあふれた内容でした。水曜日に発表された米国FOMCは金利据え置きを発表したものの、年内の利上げとともに高金利の維持が確認されています。このため日米金利差を背景にUSDJPYは、148円台半ばまで上昇し150円台が視野に入る状況になってきました。米国のPMIは50.1と好景気の維持を確認する一方、ユーロ圏のPMIは47.1と4か月連続で50を下回り景気後退懸念が強まっています。こうした点がクロス円での違いにも表れています。

 通貨相関からも、この動きがわかります。EUR・GBPの弱さが継続し、USD・JPYの強さを確認することができます。このため、USDJPYは上昇しても、EURJPY・GBPJPYは弱さが表れています。マイナー通貨は強い状況が継続しており、EUR・GBPの2弱の状況が目立つ展開になっています。EUR・GBPを軸に通貨選択をしたいと思います。

 今週は、前週までで金融政策の発表が一巡し、大きく注目する経済指標はありません。水曜日の日銀の議事要旨公表・オーストラリアの消費者物価指数、木曜日のオーストラリアの小売売上高・ドイツの消費者物価指数・米国の新規失業保険申請件数・米国GDP確報値、金曜日の東京都消費者物価指数・EUの消費者物価指数・米国PCEデフレーターに注目です。
 本日は、ドイツのIFO景況指数に注目です。欧州経済の中心となるドイツに景気停滞懸念が強まっています。利上げを継続しているECBの金融政策に影響を与えるものと思われます。前週末の動きを継続し、USDJPYが上昇し149円台に向かうのか、金融当局の円安牽制発言が出てくるのか注目したいと思います。今週は、月末・四半期末になることから、週後半に向けたポジション整理の動きには警戒したいと思います。