今日の環境分析 2023年10月20日

 昨日は、注目されたFRB議長の発言がありました。その中で、米国のインフレ率は高すぎるとし、現状の金融政策は引締め過ぎではないと発言しました。追加利上げに関しては言及しませんでしたが、足元の長期金利の上昇を受けて、現時点での利上げの必要性はないと明言しました。今週これまでに多くのFRB理事が発言した内容に沿ったものでした。このため、次回のFOMCでの利上げの可能性はほぼゼロになったものと思われます。また、新規失業保険申請件数は9か月ぶりの低水準となり、労働環境の堅調さを示しました。なお、今朝方、米国10年債利回りは2007年以来の5%台の大台に乗せました。

 通貨相関からは、USD・EURの強さが続いています。JPYも堅調な展開になっており、USDJPYは150円を目前に控えながら、上値の重い展開になっています。GBPはEUR対比での弱さが加速しており、マイナー通貨とともに弱い通貨群になりました。上位足から下位足まで相対的な強さの揃っているUSD・EURを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、日銀総裁の発言に注目です。前日のFRB議長の発言や現在の為替水準をどう判断するのか内容を注視したいと思います。朝に発表される全国消費者物価指数の内容にも注目されます。その他、英国とカナダの小売売上高にも注目です。週明け月曜日は、ニュージーランドと中国が祝日のため金融市場は休場となります。

今日の環境分析 2023年10月19日

 昨日は、全般にボラティリティが低下し、小動きに推移しました。方向感のない展開が続いており、判断の難しい局面になっています。中東情勢においてガザの病院爆発により緊迫度合いを高めており、リスクオフの動きが強まったことから金の上昇につながっています。

 通貨相関からは、NZD・CADが弱く、EUR・GBPが強い動きになっています。週末のニュージーランドの政権交代以降、NZDの動きの弱さが目立っています。USDの強さは一服しており、下位足の動きが上位足に波及してくるのか、本日のFRB議長の発言が方向性を決めるものと思われます。上位足から下位足まで相対的な強弱が揃っているEUR・GBPに注目したいと思います。

 本日は、FRB議長の発言に注目です。連日FRB理事から、米国金利の上昇を受けて年内の追加利上げに懐疑的な発言が続いています。FRB議長からは、こうした内容に沿った発言になるのか、否定的な内容になるのか、注目されています。市場では、議長発言待ちの動きにもなっています。USDJPYは150円台が目前にありますが、FRB議長の発言次第では急激なドル安の可能性があるので警戒したいと思います。逆に、さらなる利上げに積極的な内容の場合には、150円台で円安ドル高が加速する可能性もあり、その場合には為替介入にも警戒する必要があります。その他、オーストラリアの失業率にも注目したいと思います。

今日の環境分析 2023年10月18日

 昨日は、クロス円に大きな動きがありました。日銀が2023年度の物価見通しを上方修正するとの報道が流れると、円高が急速に進みました。金融引締めを想定されるインフレ懸念との見方から瞬間的に反応した模様です。しかし、この急激な円高はすぐに否定され、クロス円通貨は大きな下ヒゲをつける展開となりました。USDJPYでは一時148円台に入ったものの、149円台に戻り150円直前に迫っています。米国の9月の小売売上高は、前月比+0.7%と市場予想を上回り、6か月連続の増加となりました。

 通貨相関からは、AUDが対NZDで急反発しました。EURが堅調な動きになり、GBPの弱さが目立つ展開になりました。USDの強さはAUD・EURの強さを受けて、相対的な順位は低下しましたが、依然として最強通貨を継続しています。USD・EURの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、英国の消費者物価指数に注目です。軟調な展開の続くGBPの動きを加速化させるのか反転させるのか、注視したいと思います。また、中国のGDPにも注目です。中国の景気停滞を表しているのか、世界経済への影響に注意したいと思いますが、政治的な思惑が反映されることの多い統計なので、過度な反応は避けたいと思います。本日もFRB理事の発言が複数予定されています。金融政策の方向性が確認できるのか注目しています。中東情勢の緊迫化にも目が離せない状況が続いているため、動向には警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年10月17日

 次回の米国のFOMCは、10月31日から11月1日に行われます。このため、来週からFRB高官はFOMC前の発言禁止となるブラックアウト期間になります。それに先がけて、FRB理事長を始めとした多くの金融当局関係者の発言が今週は予定されています。実際、昨日はシカゴ連銀総裁がインフレ鈍化は一時的なものではないとの発言がありました。中東情勢の緊迫化に伴い、米国の景気停滞が想定されるため、最終的な金融引き締めのゴールを模索する動きが強まっています。昨日は、懸念されていたイスラエルによる侵攻はなかったものの、警戒感を強めています。市場全般でも、方向感を失っています。多くの通貨ペアが売り買いの分岐点で交錯している状況にあります。

 通貨相関からは、USDの一強状態が続いており、USDにつれてCADも堅調な動きになっています。また、JPYの堅調さも目立ちます。一方で、AUD・NZDやEUR・GBPが軟調な展開になっています。USDは上位足から下位足まですべての時間軸で最強通貨となっていることから、USDを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、オーストラリアの今月3日に開催されたRBAの議事要旨や、米国の小売売上高に注目です。その他、英国の失業率やカナダの消費者物価指数にも注目です。これらの経済指標は従来であれば重要度は高いものの、中東情勢の緊張化に伴う世界経済への影響度を考慮すると大きな動きはないものと思います。主要国の金融引き締めのゴールを模索していたのが、景気悪化懸念からゴールの前倒しが想定されます。このため、これら高金利通貨の上値は重たいものになると連想せざるを得ないため、中東情勢の動きには警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年10月16日


 週末金曜日は小動きに推移しましたが、徐々に勢いを強めているように思われます。金が大きく上昇しており、リスクオフの動きが強まっていることを確認できます。地政学リスクを考慮した通貨選択が求められる状況になってきました。多くの通貨で下位足ではトレンドを確認できる状況になっており、上位足に波及してくるのかに注目です。USDJPYは149円台で推移しているものの、金融当局の介入警戒もあり上値は追いづらい展開となっています。ニュージーランドでは総選挙が行われ野党が勝利し、6年ぶりの政権交代となりました。NZDの値動きには注意したいと思います。

 通貨相関からは、USDの一強状態になっています。JPYがUSDに次いで強く、USDJPYは動きにくい状況です。このため、USDJPYを除いて、ドルストレートやクロス円通貨にトレンドを確認することができます。EUR・GBP・AUDの弱さが揃ってきており、弱さが持続しそうな展開です。USDやJPYの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 今週は、火曜日に英国の失業率・カナダの消費者物価指数・米国の小売売上高、水曜日に中国のGDP・英国の消費者物価指数、木曜日にオーストラリアの失業率・米国のFRB議長発言、金曜日に日本の全国消費者物価指数と日銀総裁の発言・英国の小売売上高が予定されています。金曜日の日銀総裁の発言に最も注目しています。
 本日は、NY連銀製造業景気指数や米国金融当局の発言に注目です。週を通してパレスチナ情勢の緊迫化によるエネルギー価格の上昇や世界経済への影響に警戒したいと思います。金融市場への影響も大きくなることが想定されるため、今後の主要国の金融政策への影響も大きいものになると思われます。

今日の環境分析 2023年10月13日

 昨日発表された米国の9月の消費者物価指数は、前年同月比で+3.7%と市場予想の+3.6%を上回りました。前月比では+0.4%と8月の+0.6%から伸び率は鈍化したものの、米国金利は上昇し、ドル高につながりました。これを受けてUSDJPYは149円台後半まで上昇し、その他のドルストレート通貨は軒並み1%前後のドル高となりました。消費者物価指数の発表を契機にボラティリティが一気に高まったため、新たな動きが始まったように思われます。

 通貨相関からは、USDが再び最強通貨になりました。EUR・GBPも下位足では上位に位置していますが、USDの一強状態のため順位は参考にならなさそうです。実際、順位の低いJPYと比べても、足元のEURJPY・GBPJPYは下落傾向にあることから、相関順位にまだ反映しきれていない状況と考えられます。継続して強かったNZDが反落し、日足以外では一気に弱さを示すようになりました。マイナー通貨全般でも弱さが目立つようになってきました。USD買いやマイナー通貨売りの通貨選択をしたいと思います。

 本日は、英国とEUの連銀総裁の発言が予定されています。英国・欧州経済の景気停滞懸念に対してどのように言及するのか、今後の金融政策の方向性に変化があるのか、その発言内容が注目されます。また、中東情勢の緊張化による英国・欧州への影響をどのように考えるのか注視したいと思います。また、中国では消費者物価指数や貿易収支が発表されます。景気悪化懸念が顕在化しているのか、世界経済へ与える影響が大きいので無視できない指標となります。さらに、米国の金融当局の発言にも注意しておきたいと思います。昨日の米国の消費者物価指数が発表されたことで、当面は市場に大きな影響を与える経済指標はありません。目先の動きが大きな動きにつながるのか、本日の動きに期待しています。

今日の環境分析 2023年10月12日

 昨日発表された米国の9月の生産者物価指数は、前年比+2.2%と市場予想を上回る結果となりましたが、前月比では8月を下回ったことで、米国金利は低下しました。9月に金利据え置きとしたFOMCの議事要旨が公表され、あと1回の利上げとする意見が大勢であったものの、さらなる利上げを正当化する理由が見たらないとの意見が複数ありました。9月のFOMC後に上昇した長期金利の動きを受けて、FRB理事のハト派的発言が出てきているのは皮肉な状況です。結果として、USDの弱さにつながっています。

 通貨相関からも判断できます。下位足ではUSDは最弱通貨になっています。上位足に波及するまでには到っていませんが、USDの上値の重たさを示しています。JPYも弱いため、USDJPYは下落も上昇せずにレンジが続いています。GBPに反発の動きが見られるため、上位足に波及するのか一時的なものに終わるのか、今後の動きに注意したいと思います。NZDの堅調さは維持しているものの、AUDの反発の動きに陰りが見えます。方向感のつかみにくい状況になっており、下位足の動きからUSD・JPYの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、米国の消費者物価指数が最大の注目です。このところの経済指標では市場への反応が鈍い状況ですが、今後の金融政策に大きな影響を与えるため警戒したいと思います。同時に発表される新規失業保険申請件数にも注目です。個人消費・労働環境面からの金融政策への影響度を図りたいと思います。また、9月に開催されたECB理事会の議事要旨公表にも注目です。

今日の環境分析 2023年10月11日

 昨日は、前日に続き米国金融当局高官のハト派発言が相次ぎ、年内の利上げ懸念が後退してきました。これを受けてUSDは上値の重さを感じる展開になってきました。市場全般は、本日のFOMC議事録公表と明日の消費者物価指数の発表を前に、ボラティリティは低下し様子見が続いています。

 通貨相関からは、前日に続き、メジャー通貨が弱くマイナー通貨の強さが目立っており、下位足では完全に強弱が分かれました。徐々に下位足の動きが上位足に波及してきており、方向性が揃う通貨が増えてきました。メジャー通貨売り、マイナー通貨買いの通貨選択をしたいと思います。

 本日は、日本時間明日未明に発表されるFOMCの議事録公表に注目です。足元の金融当局のハト派発言との関連に注意したいと思います。また、米国の生産者物価指数にも注目です。生産者物価指数は明日発表される消費者物価指数の先行指標としての位置づけがあるので警戒が必要です。本日も米国ではFRB理事の発言が予定されています。発言内容には注意したいと思います。また、中東情勢にも警戒しておきたいと思います。

今日の環境分析 2023年10月10日

 昨日は、FRB副議長がハト派的発言がしたことからUSDが売られる状況となりました。しかし、市場全般では、日本・米国・カナダが休場であることから、想定通りの閑散な市場となりました。欧州時間でも大きな動きがなく、ボラティリティは低水準となりました。中東の戦闘激化を受けて原油価格が上昇しており、世界経済への悪影響が懸念されます。日本を除く先進諸国が高金利持続に伴い景気悪化懸念が一段と高まることが想定され、関連通貨は利下げを見越した下落に警戒したいと思います。

 通貨相関からは、メジャー通貨が弱く、マイナー通貨の強さが目立ちます。NZDの強さはAUDにも波及しており、地政学リスクの少ないオセアニア通貨の強みを表したものと思われます。米国では雇用統計の強さを受けて金利高止まりが見込まれていますが、USDの反落の動きを強めており、下位足では最弱通貨になっています。中東情勢を踏まえながらも、週後半の経済指標の発表待ちのようです。マイナー通貨の買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、大きな経済指標の発表はありません。米国金融当局の発言があることから、サプライズな内容には注意しておきたいと思います。実質的な週明けとなるので、日本時間から週末の米国雇用統計の結果や中東情勢をどのように消化していくのか注目です。明日の米国の生産者物価指数やFOMC議事録公表を前に、様子見の動きが継続するものと思われます。

今日の環境分析 2023年10月9日

 週末金曜日に発表された米国の雇用統計は、雇用者数が+33.6万人と事前予想の+17.0万人を大きく上回りました。米国の労働市場の逼迫を確認することとなり、金利高止まりの長期化から、USDの強さが見られましたが、長くは続きませんでした。USDJPYは149円台半ばまで上昇したものの、為替介入への警戒感は根強く、上値の重い展開が続いています。また、週末に始まったイスラエル・パレスチナ情勢が市場にどのように影響してくるのか注視したいと思います。

 通貨相関からは、NZDの強さが戻りました。USD・CADの弱さが続き、JPYも軟調な展開となっています。EUR・GBPが反転の動きが続いています。方向感がつかみにくい状況は続いています。中東情勢を受けてリスクオフの動きが強まるのか見極める必要があると思われます。本日は、日本・米国市場の時間帯は大きな動きが期待できないこともあり、無理に通貨選択をせずに様子見したいと思います。

 今週は、水曜日(日本時間木曜日未明)のFOMC議事録公表、木曜日の米国消費者物価指数とECB理事会議事要旨の公表が重要な経済指標となります。その他にも、金融当局の発言などが多く予定されており、市場への影響は大きいと思われます。週後半に重要な指標が集中するため、前半は様子見の展開が想定されます。本日は、日本・米国・カナダが祝日で金融市場は休場となるため、欧州時間以外は閑散な展開が想定されます。逆に、米国雇用統計明けとなるため欧州時間の反応が大きくなる可能性があり警戒したいと思います。