今日の環境分析 2023年5月19日

 昨日は、USDJPYが138円台まで上昇し、年初来高値を更新しました。昨日発表された新規失業保険申請件数では労働市場の底堅さを確認し、フィラデルフィア連銀景況指数は9か月連続してマイナス圏ですが改善しました。米国議会下院議長は財務上限問題の合意が近いとの見通しと発言し、ダラス連銀総裁は次回のFOMCにおける利上げ継続の可能性を示唆しました。このように、USDに追い風となる内容が多数出てきたことでUSDの堅調さにつながりました。このところ、米国各地域の連銀総裁やFRB理事から、利上げ継続を示唆する発言が相次いでいます。次回のFOMCでは利上げ見送りとの見通しでしたが、利上げ継続の可能性に向けて市場の反応を確認しているようです。また、NZDが上昇したことで関連通貨が大きく動きました。

 通貨相関からは、JPYの最弱通貨が継続しており、クロス円通貨の上昇が継続しています下位足ではUSD・CAD・NZDが強い動きを見せています。AUDがJPYに続く弱い通貨になっており、NZDとの対比が目立っています。EUR・GBPはUSDの強さとの対比で軟調な展開になっています。JPY・AUDの売り、USD・CADの買いを軸に通貨選択をしていきたいと思います。ただし、USDに関しては債務上限問題が完全に解決できたわけではないので、成行きに警戒したいと思います。

 本日は、パウエルFRB議長がバーナンキ元議長との対談が予定されており、発言内容に大きな注目が集まっています。このところ複数のFRB高官から利上げ継続発言が出ていることから、パウエル議長の示す金融政策の方向性に注目したいと思います。また、日本の全国消費者物価指数に注目です。さら、カナダの小売売上高に注目しています。その内容次第で、このところ堅調な展開となっているCADへの影響に警戒しています。

今日の環境分析 2023年5月18日

 昨日、日経平均株価は企業業績の回復などを背景に、1年8か月ぶりの3万円台回復となりました。朝方発表された日本の第1四半期GDPは、市場予想を上回る前期比年率+1.6%となりました。市場全般では上位足の方向性に沿った堅調な展開となり、クロス円通貨の上昇、マイナー通貨の反発の動きが目立ちました。なかでもUSDJPYは、堅調な展開となり137円後半まで上昇してきました。ボラティリティが高まってきており、徐々に日足ベースでのトレンド確認ができる通貨ペアが増えてきました。

 通貨相関からは、JPYの最弱通貨が継続しています。上位足から下位足まで7通貨中の最下位になっています。このため、クロス円の動きが堅調になっています。マイナー通貨が堅調なために、メジャー通貨が相対的に弱くなっています。メジャー通貨の強弱からみると、強い順にUSD>GBP>EUR>JPYとなっています。USDは決して強い通貨とは判断できませんが、JPYの弱さが影響してUSDJPYの上昇につながっています。JPYの売りを中心とした通貨選択を継続したいと思います。

 本日は、オーストラリアの失業率、米国の新規失業保険申請件数とフィラデルフィア連銀景況指数に注目しています。ともに、重要度が極めて高い指標ではありませんが、市場のボラティリティが高まっている現状では、指標発表のタイミングは無視できない状況にあると思います。また、米国金融当局幹部の発言が相次いで予定されており、発言内容には注意したいと思います。

今日の環境分析 2023年5月17日

 昨日発表された米国の小売売上高は、市場予想を下回ったものの前月比+0.4%と3か月ぶりのプラスとなりました。これを受けてUSD買いの流れが強まり、USDJPYは一時136円後半まで上昇しました。一方で、英国の失業率によるGBPの急落、カナダの消費者物価指数によるCADの上昇など、経済指標の発表に敏感に反応する局面がありましたが、その動きはすぐに修正されました。終値ベースでは小動きとなりました。

 通貨相関からは、JPYの弱さが継続しています。上位足から下位足まですべて最弱通貨になってしまいました。AUDも同様に弱さが目立つ状況になってきました。対して、USD・CAD・GBPが堅調な展開になっています。しかし、個別の通貨ペアでは明確なトレンドを確認するのが難しい状況にあり、通貨選択を困難にしています。弱さが継続しているJPYを中心に通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は日本のGDPに注目です。足元の円安の動きに歯止めをかけるのか注目です。米国では債務上限問題が市場の重しになっています。金融政策にも影響しかねないので、動向を注視していきたいと思います。連日、各国の金融当局の発言が続いています。内容次第では大きく反応することもあるので、注意したいと思います。

今日の環境分析 2023年5月16日

 昨日は、円安が進みクロス円が上昇しました。全般には小動きに推移しており、方向感のない展開が続いています。今朝の時点で、Mark’s Tradeでは日足で1通貨、4時間足でも2通貨しかトレンドの確認ができていません。昨日は、クロス円が大きく動いたものの、トレンドの確認をするまでには到っていない状況です。このところ、日足のミドルバンド付近での値動きが続いており、昨日・本日とミドルバンドの抜けとなっている通貨ペアが複数確認できます。こうした動きは、レンジ局面の最大の特徴なので、下位足の動きを短期的視点で注目していきたいと思います。

 通貨相関からは、USDの強さが目立ち、連れてCADの強さも目立っています。JPYは再び弱さを強め最弱通貨になりました。オセアニア通貨の弱さが継続しており、EUR・GBPは中立的な方向感のない展開になっています。本日は、注目材料が多いことから、材料を消化した後の値動きに期待したいと思います。材料の消化を確認できるまでは、見送り姿勢で臨みたいと考えています。

 本日は、注意すべき経済指標が多くあります。最大の注目材料が、米国の小売売上高です。米国景気の底堅さを確認するのか失速しているのか注目です。足元、USDの動きが堅調なだけに今後の方向性を決定づけるのではないかと注意したいと思います。オーストラリアの5月2日に開催されたRBA議事録公表に注目です。サプライズの利上げ再開を決定した会合だけに、今後の金融政策への思惑でAUDの動きを注視したいと思います。また、英国の失業率にも注目です。GBPへ大きな影響を与える可能性が高く、警戒したいと思います。さらに、カナダの消費者物価指数では内容次第でCADの動きに注意したいと思います。

今日の環境分析 2023年5月15日

 先週末金曜日発表された英国のGDPは、2四半期連続のプラスとなりました。また、米国ミシガン大消費者信頼感指数が発表され、米国政府の債務上限問題を懸念した消費者心理の悪化が示されました。市場は、前日に続きマイナー通貨の調整が継続し、NZDが大きく下落しました。USDを始めメジャー通貨全般に堅調な展開となりました。

 通貨相関からは、下位足でメジャー通貨の強さ、マイナー通貨の弱さが目立っています。再び、マイナー通貨の弱さが上位足から下位足まで揃いつつあります。対して、JPY・USDの強さが顕著になってきており、EUR・GBPも強めではあるものの方向感をつかみにくい状況にあります。このため、マイナー通貨の売りを軸としたクロス円やドルストレート通貨を選択したいと思います。

 今週は、金融政策の発表がなく、前週までに比べて重要度の高い経済指標の発表はありません。そうしたなかでも、火曜日の米国の小売売上高、水曜日の日本のGDP、金曜日の日本の消費者物価指数などに注目です。週を通して、米国金融当局の発言が相次ぎます。内容次第では市場インパクトがあると思われ、金曜日にはFRB議長の発言が予定されています。今後の金融政策の方向性を確認する動きになると思われます。本日は米国のニューヨーク連銀製造業景気指数に注目しています。

今日の環境分析 2023年5月12日

 昨日発表された英国の政策金利は、市場予想通りとなる+0.25%の利上げとなりました。発表時には反応したものの、大きな動きにはつながりませんでした。前日まで堅調だったマイナー通貨が弱含む展開となり、なかでもAUDの下落が目立つ展開となりました。

 通貨相関からは、マイナー通貨全般に調整色を強め、EUR・GBPは弱い動きを継続しました。対してUSDは反転し、JPYは一段と強い展開となりました。全般に方向感をつかみにくい状況にあるため、通貨選択が難しい局面となりました。足元の強弱が継続しているJPY買いやEUR売りを軸とした通貨選択を検討したいと思います。

 本日は、英国のGDPに注目です。前日の利上げに見られるようにインフレ対応から金融引き締めを継続しています。金利上昇に伴う景気悪化の兆候がみられるのか、GDPの内容には注意したいと思います。今週は、大きなイベントがあった割には方向感の出にくい局面でした。来週以降のトレンドを確認しづらい展開にあるため、週末のポジション整理の動きには警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年5月11日

 今週の最大の注目材料だった米国の4月の消費者物価指数は、前年同月比で市場予想の+5.0%を下回る+4.9%となりました。一部にはサプライズの上振れを予想する向きもあり、発表前にはUSDが買われる動きがありましたが、実際にはサプライズはなかったためサプライズ期待の上昇分は剥落しました。USDの弱さは継続していると判断しています。加えて、雇用統計・消費者物価指数と注目材料を消化したことで、市場では米国政府の債務上限問題への注目度が高まってきているため、USDの上値を追うことはむずかしい局面にあると思います。市場全般では、ボラティリティは高まったものの小動きに推移しました。

 通貨相関からは、USDの弱さが継続し、JPYの弱さが一服しつつあります。先月の日銀総裁の緩和継続発言から続く円安への調整の動きは終了したように思われます。今後の金融政策を考えると、これ以上の金融緩和を期待できない状況からすれば、円高方向に向かうのは必然のため、その動きが出てきているように思われます。EUR・GBPもUSDとともに弱い状況にあります。ただし、GBPは本日のBOEの金融政策の発表を待って方向性を確認したいと思います。マイナー通貨全般に堅調な展開となっているため、JPYを除くメジャー通貨売りのマイナー通貨買いの通貨選択をしたいと思います。

 本日は、英国の政策金利に注目です。インフレ継続しているなか利上げ幅の水準に注目しています。その他、米国の生産者物価指数や新規失業保険申請件数にも注目です。また、4月末に行われた日銀の金融政策決定会合における主な意見公表が発表されます。金融緩和策からの脱却を期待されているため、会合における意見の内容には注視したいと思います。内容次第では一気に円高が進むこともありうるので、警戒しておきたいと思います。

今日の環境分析 2023年5月10日

  昨日は、全般に小動きに推移しました。ボラティリティも低下しており、本日の米国の消費者物価指数の発表を前に様子見気分が広がっています。米国では債務上限問題が高まっており、USDの上値の重さにも繋がっています。債務上限問題は過去にも何度か出ているので、いずれは解決すると思いますが、中小金融機関の破綻懸念のある時には注意が必要です。かつてリーマンショックの前にも債務上限問題が深刻化したことがあっただけに、警戒しておく必要があります。

 通貨相関からは、JPY・USDの弱さに加え、EURの弱さが目立ってきました。GBPは明日の政策金利の発表を前にしているだけに、他のメジャー通貨に連動して弱含んでいますが、いまだ様子見と考えています。英国の利上げ水準次第では、他のメジャー通貨へ追随した動きも想定されます。対して、マイナー通貨全般に堅調な展開となっており、これらマイナー通貨の買い方向で通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、米国の消費者物価指数が最大の注目材料です。結果が上振れた場合のサプライズに警戒しておきたいと思います。発表までは様子見気分が強い状況が続くと思うので、結果を確認するまでは動きにくい状況にあります。慎重な投資姿勢が望まれる日と考えています。

今日の環境分析 2023年5月9日

 昨日は、日本時間こそゴールデンウィーク明けでボラティリティが高まりましたが、欧州時間・米国時間は英国が祝日であったこともあり低調なボラティリティとなりました。前日比でも小動きとなり、様子見姿勢の強い展開となりました。

 通貨相関からは、USDとJPYの弱さが継続しているとともに、EURの弱さが目立ってきました。USDは次回のFOMCは利上げ打ち止め予想が強まり、EURは先週利上げ幅を圧縮したことで、金融引締めのゴールを見据えた動きから上値を重たくしています。一方で、利上げを再開したAUDが堅調な展開となっているなど、これまで弱いグループにいたマイナー通貨の強さが目立ってきました。今週重要指標の控えるUSDやGBPの値動きに警戒しつつも、マイナー通貨を軸とした通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、オーストラリアの小売売上高に注目です。先日、サプライズとなる利上げ再開をしてAUDが強い展開になっています。この動きを後押しする内容になるのか注目しています。明日は米国の消費者物価指数が発表されます。発表を前に神経質な展開が想定されるため、ドル関連通貨には慎重に臨みたいと思います。