今日の環境分析 2023年5月29日

 米国の債務上限問題は、政府と野党との間で基本合意をしデフォルトが回避されることになりました。31日の議会の承認待ちですが、さすがに今回は議長選任の際の混乱は想定しづらいため、市場の懸念材料は払拭されたと判断しています。これを受けて、ドルや米国株式への資産選好が高まることが想定されます。週末金曜日は、米国・英国の3連休を前に落ち着いた展開となりました。上位足の方向に沿った動きとなり、方向感の出やすい状況になっています。

 通貨相関からは、USDの強さが目立ちます。EUR・GBPも堅調な展開となり、マイナー通貨の弱さが目立ちます。JPYは弱い通貨グループに位置していますが、徐々に相対的に強い方向に動き出しています。USDの強さを背景に、ドルストレート通貨を中心に継続して注目したいと思います。また、JPYは弱さが緩和したとはいえ、メジャー通貨対比での弱さが顕著であることから、メジャー通貨対比のクロス円には注目しておきたいと思います。

 今週は、月末・月初となります。週前半は大きな材料がないため、月末のポジション整理の動きが想定されます。週後半に発表される、木曜日の米国ISM製造業景況指数と金曜日の米国の雇用統計が最大の注目材料となります。内容次第では、次回のFOMCに向けて利上げ継続を見越した動きが強まると思われます。徐々に、利上げ継続の見通しが強まっており、ドル高を支えています。今回のこれらの経済指標が利上げ継続を否定する内容の場合、ドル急落も想定しておく必要があるため、目先的にはドルに強気ではあるものの慎重姿勢を維持していきたいと考えています。
 本日は、目立つ経済指標の発表はなく、米国と英国が祝日で金融市場が休場になるため、閑散な動きになると想定していました。しかし、米国の債務上限問題の進展を受けて、市場の不透明要因がなくなったため、ドルへの安心感が強まると思われます。