日銀副総裁発言による円安持続の可能性?_2/9(金)

今日の環境分析 2024年2月9日

 昨日、日銀副総裁は講演で「マイナス金利解除後もどんどん利上げするパス(道筋)は考えにくい」と発言しました。マイナス金利を解除しても、その後の利上げは緩やかなものになる と金利差の縮小にはつながりにくいと判断され、USDJPYは149円台まで円安が進みました。マイナス金利解除をすることをほぼ明言したとの判断より、利上げペースの弱さに過剰反応したように思われます。市場としては何かのきっかけを欲していたため、この発言を機にJPY売りの動きを強めたものと思われます。米国の新規失業保険申請件数は、3週間ぶりの改善となりました。中国の消費者物価指数は、4か月連続下落し14年ぶりの下落幅・下落期間となりました。中国経済の停滞が明白となり、中国依存度の高いオーストラリア経済への影響からAUDの下落が続いています。

 通貨相関からも、AUDの弱さが目立っています。JPYとともに最弱通貨群に位置しています。このため、ともに弱いAUDJPYを除くと、クロス円通貨の上昇が目立つ展開になっています。GBPの強さは上位足から下位足まで揃っている一方、EURの弱さがGBP対比で目立ちます。USDも決して強い通貨群に入っていないため、依然として通貨選択の難しい展開が続いています。とりあえず昨日の動きで発散を確認することができますが、持続するのか見守りたいと思います。発散の動きが出ているときは、ファンダメンタルよりもテクニカルの側面から通貨選択をしていきたいと思います。JPY・AUDの売り、GBPの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: GBP・NZD
 弱い通貨: JPY・AUD

 日足   : USD>CAD>GBP>EUR>NZD・AUD>JPY
 4時間足 : NZD>GBP>CAD>EUR>AUD>USD>JPY

 本日は、カナダの失業率に注目です。先週の米国の雇用統計のようなサプライズは想定しづらいですが、北米経済圏として同様の展開になるのか警戒しておきたいと思います。本日はこれ以外に主だった経済指標の発表がないため、材料に乏しい展開のなか方向感のない展開が続くものと思われます。USDJPYは150円台を控えており介入への警戒感が強まると思われますが、発散の動きを確認できる一部通貨の値動きを注視したいと思います。なお、週明け月曜日は日本は祝日で休場、中国は明日から17日まで春節の大型連休となります。

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