中国CPIと米高官発言に注目!_2/8(木)

今日の環境分析 2024年2月8日

 米国では株式市場が最高値を更新しています。しかし、一部の金融機関は商業用不動産市況の悪化に伴う融資債権への不安から株価が下落しており、高金利の弊害は不動産市況に確実にでています。こうした動きが規模の大きい銀行に波及した場合には、金融不安から株式市場崩壊のきっかけになる可能性があります。市場が好調なときほど、懸念材料への警戒心を忘れないようにしたいものです。不動産市況の悪化が拡大した場合、好調な米国経済の停滞・悪化が懸念され利下げ転換につながる可能性も高くなります。USDの強さに懐疑的にみておいた方が良いと考えています。市場全般では、ボラティリティが低下し、小動きに推移しています。しかし、収束の動きを強めてきており、そろそろ動き出すのではないかと注目しています。

 通貨相関からは、4時間足と日足の強弱感が乖離しており、方向感のつかめない展開になっています。前日までの下位足で堅調だったUSD・CADが弱くなり、JPY・NZDが再び強くなるなど、時間足をまたいだ強弱感の統一ができていない印象です。こうした場合はレンジ局面の最終局面が近いとも判断できます。現在、収束を強める動きが極まっており、発散に向かうための準備運動をしているように思います。今後の金融政策の方向性を考慮し、JPYの買い、USD・EURの売りを軸に通貨選択をしたいと考えています。

 強い通貨:(NZD・JPY)
 弱い通貨:(USD・EUR)

 日足   : USD>CAD>GBP>EUR>JPY>NZD>AUD
 4時間足 : NZD>JPY>AUD>GBP>CAD>USD>EUR

 本日は、中国の消費者物価指数に注目です。中国経済の停滞を確認することになるのか、世界経済への影響をどう考えるべきかなど、その内容を読み解くことが必要とされます。不動産市況の低迷や株式市場の下落など、金融不安につながる要素が増大しています。週末から始まる春節の休暇中に表面化しないことを願うばかりです。また、米国イエレン財務長官の議会証言やFRB高官の発言にも注目しています。FRB高官はインフレ面からの発言が多くなりがちですが、財務長官は地銀株急落や不動産市況の低迷などの金融不安に対し、どのような発言をするのか注目しています。