昨日発表された米国の新規失業保険申請件数は、事前予想とほぼ同水準となり市場への影響はほとんどありませんでした。本日の雇用統計の発表待ちのようです。市場全般に週初からの動きに逆行しましたが、ボラティリティが低下し小動きに推移しました。
通貨相関からは、マイナー通貨の弱さが継続しており、USDは下位足で弱い状況なのが目立ちます。週初からのドル高の反動と思われます。JPYが堅調な動きになっており、USDJPYの上値の重さにつながっています。EUR・GBPは下位足で強い動きになっていますが、USD同様に上位足の調整の動きと思われます。上位足から下位足までまちまちのため、方向感をつかみにくい状況にあります。方向性をつかめるまで様子見したいと思います。
本日は、米国の雇用統計が最大の注目材料です。足元の米国金利の上昇を受けて、次回のFOMCにおいても金利据え置きとの見方が強まっていますが、雇用統計の内容次第ではこの考えが一転する可能性もあります。今週続いた労働統計では様々な動きをもたらしましたが、最終的に本日の雇用統計で方向性が決まると考えています。また、同時刻に発表されるカナダの失業率にも注目です。このところCADの下落が強まっていますが、失業率の内容でこの動きが加速するのか反転するのか注目しています。さらに、オーストラリアの金融安定報告にも注目です。足元弱い動きが続くAUDの方向性を判断するうえで、この報告内容から金融政策の展望を確認することが大事だと思います。週明け月曜日は、日本だけでなく米国とカナダも祝日となります。3連休を控えているため、米国雇用統計への反応は限定的となる可能性もあるので注意が必要です。
今日の環境分析 2023年10月5日
昨日は、前日NY時間に起きたクロス円の急変動を受けて方向感を失った展開になりました。ADP全米雇用報告は、前日のJOLTS求人数とは逆に事前予想よりを下回りました。雇用者数は、前月比でマイナスとなった2021年1月以降で最も低い伸びとなったことで、米国金利は低下しました。ISM非製造業景況指数は事前予想通りとなり、市場インパクトはありませんでした。明日の雇用統計の発表を控え、労働市場の動向に注目が集まっています。ニュージーランドの政策金利は事前予想通りの金利据え置きとなりました。
通貨相関からは、USDとともにJPYの強さが継続しています。マイナー通貨は弱い展開になっています。EUR・GBPは中立的な位置づけになっています。全般に方向感をつかみにくい状況になっているなか、上位足から下位足まで強弱が揃っているのはUSDの強さだけです。このため、USDを軸にした通貨選択をしたいと思います。
本日は、米国の新規失業保険申請件数に注目です。昨日・一昨日と労働統計が強弱分かれた状況にあるため、最も足元の動きを表す本日の統計は重要度が高まると思われます。また、オーストラリアとカナダの貿易収支にも注目したいと思います。
今日の環境分析 2023年10月4日
今日は10月4日、投資の日です。健全な資産形成を目指していきましょう!
昨日は、米国のJOLTS(雇用動態調査)が市場予想の880万人を上回る961万人となり、労働市場の逼迫から長期金利が上昇しました。これを受けてドル買いの動きが強まり、USDJPYは1年ぶりの150円台に突入しました。しかし、直後に一時USDJPYは147円台半ばまで急落し、クロス円通貨すべてが急落しました。金融当局からのコメントはないものの、円買い介入があったものと想定されています。日中に発表されたオーストラリアの政策金利は予想通りの据え置きとなり、一部に期待された新鮮味のあるコメントもなく、AUDの下落が強まりました。前日にみせた反転の動きを否定することになりました。
通貨相関からは、USDの強さが継続しています。JPYは昨夜の急激な円高を受けて下位足ではUSDと並ぶ強さとなりました。AUDの弱さが続いており、NZDの強さはピークを越えたように思われます。本日、先月から保有してきたNZD関連通貨のスイングポジションを決済しました。CADの弱さが続いていることから、マイナー通貨全般に弱い動きになりました。この結果、EUR・GBPの相対的な弱さが緩和されました。USDの強さを背景とした通貨選択を行いたいと思います。
本日は、ニュージーランドの政策金利の発表に注目です。前日のオーストラリアと同様に、据え置きが見込まれています。また、米国のISM非製造業景況指数にも注目です。その前に発表される米国のADP全米雇用報告は、昨日のJOLTS発表後の動きが印象に強いため、発表内容に注意したいと思います。USDJPYはその際の動き次第で、再度介入の可能性が高まるので警戒しておく必要があります。
今日の環境分析 2023年10月3日
昨日発表された米国のISM製造業景況指数は、市場予想の47.9を上回る49.0となりました。景況感を判断する50は下回るものの、景気後退懸念が弱まったように思われます。これを受けて長期金利が上昇しドル高の動きが加速しました。ドルストレート通貨が大きくドル高方向に動き、なかでもAUDUSDは1%を超える下落となりました。USDJPYは年初来高値を更新していますが、介入警戒感から上値の重い展開になっています。昨日は、米国の金融当局幹部の発言が相次ぎ、金融引締め継続を支持するコメントが続きました。このため、米国の高金利は長期化する見通しとなり、米国株式市場がマイナスに反応しました。
通貨相関からは、NZDの強さが継続しています。NZDにつれてAUDは相対的な強さは回復しているものの強さにつながらない状況です。CADがUSDに反する動きから弱さが継続している点にも注目です。EUR・GBPの弱さは継続しています。USDの相対的な強さは継続しているものの一強の動きにはなっておらず、単純にドルストレート通貨に注目する状況にはないように思われます。EUR・GBPの弱さが継続していることから、これら通貨を軸に通貨選択をしたいと思います。
本日は、オーストラリアの政策金利の発表に注目です。市場予想では金利据え置きとなっており、サプライズはないと想定されます。米国ではJOLTS(雇用動態調査)求人件数が発表されます。今週は金曜日の雇用統計の発表まで毎日労働関連統計が発表されます。このため、雇用環境を判断する第一弾としてJOLTS求人数に注意したいと思います。内容次第では、想定外のUSDの強さにつながる可能性を否定できないので警戒したいと思います。
今日の環境分析 2023年10月2日
今日から10月相場に入りました。USDJPYは150円直前にまで迫っていますが、月が替わり金融当局の動きやすい環境が整ってきており、いつ為替介入があってもおかしくない状況にあります。もし介入があった場合には5円程度の円高が想定されていることから、USDJPYの上値を追うのは難しい局面になってきました。懸念されていた米国の政府機関の閉鎖は当面回避された一方で、自動車業界のストが拡大しており、米国経済の行方は不透明感が漂ってきました。週末金曜日に発表されたユーロ圏の消費者物価指数は伸びが減速しており、インフレ鎮静化が見えてきています。逆に欧州経済の景気停滞を懸念する状況になっていることから、EURの弱さにつながっています。
通貨相関からは、AUD・NZDの堅調さが目立ちます。NZDの強さが長期化していることから反転に警戒しつつも、注目していきたいと思います。メジャー通貨全般に弱い動きになっていますが、期末要因による反転の動きと判断できます。現状では、上位足から下位足で方向感がつかみにくい状況になっています。月初の動きを十分に判断してから通貨選択を決定づけたいと思います。
今週は、重要な経済指標の発表が続き、四半期明けの新たな動きに期待したいと思います。月曜日に日銀短観と米国ISM製造業景況指数、火曜日にオーストラリアの政策金利、水曜日にニュージーランドの政策金利と米国ISM非製造業景況指数、金曜日に米国の雇用統計に注目です。本日は、9月21~22日に開催された日銀の金融政策決定会合における主な意見公表にも注目したいと思います。
本日は、カナダとオーストラリアは祝日で金融市場は休場となります。また、中国は今週いっぱい大型連休となります。なお、今週からオーストラリアは夏時間になりました。ニュージーランドは先週から夏時間入りしています。