昨日発表された欧米各国地域のPMIは、欧米の景気の違いが明確になりました。米国では市場予想を上回る一方で、ユーロ圏・英国はともに市場予想を下回りました。米国のPMIは製造業・サービス業ともに景気の分岐点とされる50を上回り米国経済の強さを確認し、高金利の長期化が想定される状況になりました。一方ユーロ圏では3年ぶりの低水準となり、景気後退懸念が強まり、EURの下落につながりました。
通貨相関からは、AUDの急反発の動きが目立ちました。背景は不明ですがあえて推定すると、中国習主席が異例となる人民銀行へ訪問したことで経済重視の政策に転換するのではとの判断が影響したものと思われます。同じマイナー通貨でもCAD・NZDは弱いままになっています。メジャー通貨は全般に強いグループに入っていますが、足元のEURの動きからは、EURの強さは陰りが見えてきた模様です。方向感をつかみにくい状況にあるため、個々の通貨ペアの動きに注目したいと思います。
本日は、カナダの政策金利に注目です。現状維持が想定されており、サプライズはないと思われます。声明文や総裁記者会見において、カナダ経済の停滞懸念から利下げ方針に言及するのか注目しています。また、オーストラリアの消費者物価指数やドイツのIFO景況指数にも注目です。さらに、ECB総裁の発言が予定されており、明日のECBの政策金利の発表を前にサプライズの内容はないと思いますが、警戒しておきたいと思います。