FOMCに警戒!利下げ開始時期は?_3/20(水)

今日の環境分析 2024年3月20日

 昨日、日本銀行はマイナス金利政策を解除しました。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の撤廃と上場投資信託(ETF)などリスク資産の新規買い入れの終了も発表しました。大規模緩和が解除され、やっと金融環境が正常化したことになります。日銀総裁の会見では、当面は緩和的な環境を維持するのは適切だと発言しました。サプライズとなる内容はなく、想定内であったことから材料出尽くし感でJPYが売られ、USDJPYは151円手前まで上昇しました。金利差を背景としたクロス円が大きく上昇する動きとなりました。市場全般では、ボラティリティが高まり方向感を確認する動きが強まってきました。

 通貨相関からは、USDの強さが継続しています。EUR・GBPも強さが目立つようになりました。一方、JPYは再び最弱通貨になりました。昨日の日銀の発表を受けて、当面は追加情報がないために、金利差を背景とした弱さが顕著になってきたと思われます。マイナー通貨の弱さは継続しています。このため、JPYを除くメジャー通貨の強さとマイナー通貨の弱さの対比が明確になってきました。USD・EUR・GBPの買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 強い通貨: USD・EUR・GBP
 弱い通貨: JPY・AUD・NZD

 日足   : GBP>EUR>USD>AUD>JPY>CAD>NZD
 4時間足 : USD>EUR>GBP>CAD>AUD>NZD>JPY

 本日は、日本時間明日未明に発表される米国の連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利が注目されます。現状維持と想定されますが、各委員の予想をプロットしたドットチャートに注目が集まっています。ドットチャートから判断される利下げ開始時期は、現状では6月の見方が優勢ですが、各委員の見通し次第で利下げ開始時期は秋にずれ込む可能性が高まります。もし、ずれ込むようであれば、USDの強さを継続していくことになると思われます。そのほか英国の消費者物価指数に注目です。本日は、日本が祝日であるため、欧州時間からの動き出しに警戒したいと思いますが、FOMCの発表を控えていることから発表時間に近づくにつれ様子見姿勢を強めるものと考えています。
 それにしても、つくづく日本の金融政策のかじ取りの稚拙さを感じます。なぜ、祝日の前日に発表したのでしょうか?祝日は日本の金融当局の為替市場への介入を期待できないため、投機筋の思惑をそのまま反映したような現状の相場展開になっています。ボラティリティが高まってきているので、急激な変動には注意したいと思います。

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