今日の環境分析 2023年7月28日

 本日午前2時頃、日本銀行がイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正案を議論しているとの日経報道が流れ、USDJPYは141円から138円台までの急激な円高となりました。昨日から開催されている日銀の金融政策決定会合において議論されている模様で、本日昼頃の政策金利と声明の発表の際に、金利操作を柔軟にして長期金利の0.5%超えを容認する方針を打ち出すものと思われます。少しずつ金融政策に変化が生じてきていることが円安を回避する動きにつながっています。
 昨日は、ECBが政策金利を発表し、事前の予想通りの+0.25%の利上げとなりました。前日のFOMC同様に政策金利の内容にサプライズはなかったものの、ECB総裁の発言を前にタカ派発言が修正されると想定した動きからEURは下落しました。実際、ECB総裁は会見で、次回の利上げはデータ次第と発言し、利上げ停止を含めて検討する方針となりました。このため、EURは一段と下落する展開になりました。
 また、米国の第2四半期GDPは前期比年率で+2.4%と4四半期連続のプラスとなりました。さらに米国の新規失業保険申請件数は3週連続で減少し、米国経済は失速していないことを確認することになりました。
 昨日は、市場全般に大きく動き、日銀の金融政策が前倒しで確認できたことから、トレンドを確認する動きが早まったものと思われます。

 通貨相関からは、JPYの強さが目立つ展開になってきました。日銀の政策修正の動きが大きなトレンドを作り出そうとしています。欧州金利の利上げ停止の可能性が出てきたことからEURが売られ、堅調な米国経済を背景としたUSDが買われる展開となりました。EURの弱さは対比するGBPにも影響を与えているため、GBPの堅調さも確認できます。EURを除くメジャー通貨の買いを中心の通貨選択に注目しています。ただし、通貨の強弱が明確になりつつあるため、強弱の順番を間違えない通貨選択を心がけたいと思います。

 本日は、日銀の金融政策決定会合が最大の注目材料でしたが、事前に報道が漏れたことから、報道通りの内容になるのかに注目しています。もし、報道を否定する内容であるとサプライズとなり円安が加速する可能性があるので警戒したいと思います。日銀総裁の記者会見の内容に注意したいと思います。朝方には、東京の消費者物価指数が発表されので注視しています。また、オーストラリアの小売売上高やドイツの消費者物価指数、カナダのGDP、米国のPCEデフレーターなど、重要な経済指標の発表が続くので、日を通して個々の内容に対する該当通貨の動きを警戒したいと思います。

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