今日の環境分析 2023年6月8日

 昨日、カナダの中央銀行であるカナダ銀行は、3会合ぶりの利上げとなる+0.25%の利上げを発表しました。市場では見送り予想のためサプライズとなりましたが、CADはこのところ堅調な展開を見せていたため、利上げ発表とともにCADは大きく反応したものの、その後は落ち着いた動きになっています。カナダの利上げ再開の動きを受けて、来週に予定している米国FOMCにおいても利上げ継続の可能性が高いと判断した動きがあり、USD買いにつながりました。市場全般には小動きに推移していますが、メジャー通貨はレンジの上限下限に位置しているものが多いことから警戒が必要です。

 通貨相関からは、NZDの弱さが継続しています。AUDNZDのトレンドが続いていることから、AUDの相対的な強さが目立つ展開になっています。CADも利上げのサプライズがあったことから強さを継続していくものと思われます。一方で、メジャー通貨の相対的な弱さが継続しています。メジャー通貨間に強弱をはかりにくく、収束の動きがまだ強まっていないことから、方向感が出るのを待ちたいと思います。AUD・CADの買いを軸とした通貨選択をしたいと思います。

 本日は、米国の新規失業保険申請件数に注目です。先週末の雇用統計の動きを裏付ける内容になるのか注目しています。来週発表される米国の消費者物価指数とFOMCを意識する動きが強まってきており、全般に方向感を模索する動きが強まると思われます。

今日の環境分析 2023年6月7日

 昨日は、オーストラリア中央銀行は政策金利を+0.25%引き上げることを発表しました。5月のサプライズ利上げから2会合連続となりました。今回は見送り予想が強かっただけに、再びサプライズに反応し、AUDが大きく上昇しました。本日金融政策が発表されるCADもつれ高の動きとなり、マイナー通貨のトレンドを確認することができるようになってきました。

 通貨相関からは、AUD・CADの強さが目立っています。NZDも弱さから回復の動きが見えますが、AUDNZDの関係からAUDの強さが際立っています。USD・JPYともに弱い状況にあるため、USDJPYは140円を挟んだ膠着状態が続いています。来週の消費者物価指数やFOMCまでは、この状況が続くものと思われます。メジャー通貨全般でも、EUR・GBPに相対的な弱さが確認できます。マイナー通貨買い、メジャー通貨売りのポジションの通貨選択を継続したいと思います。

 本日は、カナダの政策金利に注目です。昨日のオーストラリアに続き、サプライズがあるのかに注目です。このところCADはAUD同様に堅調な動きを見せており、その勢いが加速するのか否か、注視していきたいと思います。また、オーストラリア中央銀行総裁の発言やGDPの発表が予定されており、昨日のサプライズの金融政策の後だけに内容次第ではAUDの動きを加速する可能性もあります。その動きは、CADにも影響を与えるものと考えています。

今日の環境分析 2023年6月6日

 昨日発表されたISM非製造業景況指数は、予想を下回り5か月ぶりの低水準となりました。景気鈍化を意識しインフレ圧力の緩和を裏付ける内容となりました。全般には、小動きに推移しており、ボラティリティも低下しています。収束の動きが強まってきていることから、動き出しを待っている状況にあります。

 通貨相関からは、マイナー通貨が相対的に強い動きになっていることから、メジャー通貨全般に頭の重い展開になっています。USDの相対的な弱さが目立っており、JPYの弱さも継続しています。各通貨ペアともにレンジ内の動きから脱出できておらず、方向感の乏しい展開になっています。マイナー通貨の買いを中心に通貨選択を継続したいと思います。

 本日は、オーストラリアの政策金利の発表に注目です。AUDは足元堅調な展開になってきており、政策金利の発表とその声明次第では方向性が転換する可能性があるため警戒したいと思います。明日はカナダの政策金利の発表を控えているため、CADの動きにも影響を与えることが予想されます。

今日の環境分析 2023年6月5日

 週末金曜日に発表された米国の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が39万人と予想の19万人を大きく上回る一方、平均時給の伸び率が鈍化しました。労働市場の逼迫の一方でインフレ率の高止まりを好感し、NY株式市場は大きく上昇しました。債務上限問題の先送りが議会で承認されたことも好感されました。これを受けてUSDの強さから、ドルストレート通貨が堅調な展開となりました。

 通貨相関からは、JPYの弱さが継続しています。USDの反発の動きがありましたが、マイナー通貨の動きが強かったため、相対的な強さが目立つまでには到りませんでした。AUDやCADがUSD対比で堅調な展開となり、なかでもCAD関連通貨のCAD買いの動きが強まりました。オセアニア通貨に戻りの動き、CADの堅調な動きの継続などから、CAD・AUD関連通貨に注目しています。また、メジャー通貨の中で安定した堅調さを見せているGBPにも注目しています。

 今週は、月曜日の米国ISM非製造業景況指数、火曜日のオーストラリアの政策金利、水曜日のカナダの政策金利、金曜日のカナダの失業率に注目です。なかでも、オーストラリアとカナダの政策金利に注目です。来週の米国の消費者物価指数やFOMCを前に、USDは神経質な展開が想定されます。USDJPYに限って言えば、上値は限定的と考えられるため、慎重な姿勢で臨みたいと思います。クロス円では、GBPJPYやAUDJPYに注目したいと思います。
 本日は、米国でISM非製造業景況指数が発表されます。雇用統計において平均時給の伸び率が鈍化したことが、同指数ではどのように判断しているのか注目です。なお、ニュージーランドは祝日で休場です。

今日の環境分析 2023年6月2日

 昨日は、ADP全米雇用報告の強い結果を受けてUSDが買われる局面がありましたが、その後に発表されたISM製造業景況指数が7か月連続50割れとなったことからUSDが売られました。米国の債務上限問題は決着のめどが立ったことから警戒感が後退し、焦点は次回のFOMCの利上げ方針になってきました。市場全般では、月初ということもあり小動きに推移しました。

 通貨相関からは、USDの反落、JPYの反発の動きが強まりが確認できます。GBPの堅調さやオセアニア通貨の弱さが継続しています。USDに連動していたCADの強さが顕著になり、USDCADが急落する結果となりました。本日は米国の雇用統計を控えているだけに、USDを外した通貨選択を検討したいと思います。昨日に続き、堅調なGBPを軸に通貨選択を考えていきたいと思います。

 本日は、米国の雇用統計が最大の注目材料です。数々の経済指標では、景気停滞懸念が高まる一方で、労働市場の逼迫化を確認する状況がみられます。本日の雇用統計で最終的な判断をすることになりそうで、その内容に注目しています。この結果が、次回のFOMCの利上げ見送りか継続かの方向性の決定に大きな影響を与えるものと思われます。来週のISM非製造業景況指数、再来週の消費者物価指数の発表も含め、再来週のFOMCの金融政策が決定されることになります。当面は、神経質な展開が想定されます。

今日の環境分析 2023年6月1日

 6月に入りました。5月は、EURUSDの3%近い下落を筆頭に、月間で2%を超えて変動した通貨ペアが多くありました。昨日も、5月中の動きに沿った展開となりました。全般には小動きに推移しましたが、徐々にボラティリティが高まってきています。前日の日本の金融当局の円安牽制発言の影響からJPYの反発の動きが強まりました。

 通貨相関からは、NZDの弱さが継続する一方で、JPYの反発が目立ちました。JPYの反発の影響からUSDの強さが低下しました。NZDの弱さと連動し、AUDの弱さが高まってきました。EURは弱さが継続する一方で、GBPの強さが目立つ展開になっています。GBPを軸に通貨選択を考えていきたいと思います。

 本日は、月初のため慎重な姿勢で臨みたいと考えています。明日の米国の雇用統計を前に、本日はISM製造業景況指数が発表されます。その直前にはADP全米雇用報告や欧州の消費者物価指数など、ある程度の市場インパクトの想定される経済指標が発表されます。明日の雇用統計発表前に大きな動きは想定しづらいですが、ボラティリティの高い展開が想定されます。方向感を模索する動きが強まると思われるので警戒が必要です。