今日の環境分析 2023年4月25日

 昨日は、植田総裁の金融緩和継続発言を受けて円安が進行するとともに、ECBの利上げ継続観測からEURが買われました。この結果、EURJPYは昨年10月の水準にまで上昇し、2015年高値149円も視野に入れる状況になってきました。USDJPYの動きは鈍いことから、円安ではなくユーロ高の動きと判断できます。昨日は監視対象の21通貨中19通貨が上昇しており、ほぼ方向感の揃った展開になってきました。相対価格となる通貨ペアでは同時に上昇することはほとんどありませんが、現状は通貨の強弱感が明確になってきたためと判断することができます。値幅的には大きな動きにはなっていませんが、徐々に動き出してきていると思われます。

 通貨相関からは、EURの強さが際立っています。金融引き締めの継続が予想されることが背景にあり、同様の動きはGBPにも見て取れます。金融緩和を継続しているJPYにとっては、日銀総裁の緩和継続発言があっても、これ以上の緩和余地は全くないことから、次の施策は緩和措置の一部解除が想定されています。週末の金融政策決定会合に向けて、JPYの動きを判断するのは難しそうです。EUR・GBPを軸に通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、米国の住宅価格指数と消費者信頼感指数に注目ですが、重要度は低いため市場へのインパクトは少ないと考えています。今週末は月末でもあり、また日本では来週ゴールデンウィークを控えていることから、ポジション調整の動きが少しずつ出てくると思われます。トレンドの発生が期待できる状況になってきましたが、早めの決済を心がけていきたいと思っています。