先週末、日本銀行は金融緩和の継続を発表しました。日銀総裁の記者会見では、コロナ禍からの回復を見込む日本経済にとって利上げは適切ではない、物価上昇の大部分はエネルギー価格の上昇が要因だとのコメントがありました。世界の中央銀行が金融引き締めを行う中、日本との金利差が一段と明確になり、金利差を背景とした円安方向への加速の可能性が高まってきました。一方で、米国を始め物価上昇に伴う金利引き上げにより、徐々に景気悪化懸念が高まってきていることにも注目です。このため、ドルの大幅上昇にはつながらないのではとも考えています。
通貨相関からは、USDが短期足で弱い動きを見せています。JPYの弱さも継続しているため、USDJPYは大きく動きにくい状況にあります。JPYは上位足から下位足まで方向性が揃っているため、USDJPYを除くクロス円に注目しています。しかし、全般に方向感が揃っていない状況にあり、トレンドの発生を確認できないため、慎重な姿勢で臨みたいと思います。
今週水曜日には参議院選挙が告示され、日本銀行の金融政策が自民党の支持率に大きな影響を与えると思われます。日本銀行の金融緩和継続=物価上昇の許容の図式が出来上がっているため、自民党の支持率低下に伴い日本銀行への圧力が高まることを想定しています。
今週は、水曜日と木曜日に予定されている、米国FRB議長の議会証言が注目されます。0.75%の大幅利上げをした後だけに、今後の金融政策や景気見通しについて注目したいと思います。本日は、米国が祝日で金融市場は休場となります。