昨日発表された12月のADP全米雇用報告では、非農業部門の雇用者数が市場予想の11.5万人を大きく上回る16.4万人となりました。雇用環境の好調を確認することとなり、インフレ鎮静化のなかで雇用動向が金融政策の焦点となってきました。こうした状況から米国金利は上昇し、USDJPYは2週間ぶりの144円台に乗ってきました。FOMCの議事録で早期利下げ期待が遠のき、日本の地震による影響から早期の金融政策の転換期待の剥落から、日米金利差を背景とするUSD買いの動きにつながっていると思われます。
通貨相関からは、下位足でUSDの強さが目立つ展開になっています。前日同様、日足と4時間足の強弱感が逆になっています。4時間足の動きが日足に波及してくるのかに注目したいと思います。クロス円通貨は日足のミドルバンドを上抜けてきたことで、戻りの動きが強まっています。昨日の朝時点でクロス円通貨はミドルバンドを挟んだ動きでしたが、現時点で同様の動きにあると思われるのがドルストレート通貨です。日足のミドル抜けの動きに注意したいと思います。短期的には、戻り基調の強いUSD・GBPを軸とした通貨選択をしたいと考えています。
強い通貨:USD・GBP
弱い通貨:AUD・NZD
日足 : AUD>JPY>CAD>EUR>NZD・GBP>USD
4時間足 : USD>GBP>CAD>EUR>NZD>AUD>JPY
本日は、米国の雇用統計が最大の注目材料になります。市場予想では、雇用者数は前月の+19.9万人を下回る+17.0万人と想定されています。昨日のADP全米雇用報告が予想外に好調だったことで、雇用統計においてもサプライズが発生する可能性があります。その際にはUSD高の動きが加速することが想定されますが、限定的と考えています。年内の利下げへの転換が確実視されている中では、上値を追うことはむずかしいと考えています。145~146円付近からの戻り売りの動きに警戒しておきたいと思います。また、ISM非製造業景況指数や欧州圏の消費者物価指数、カナダの失業率にも注目です。週明け月曜日は日本は祝日で金融市場は休場となります。このため、本日の雇用統計の発表を前にJPYはポジション調整の動きが強まると思われるため、ボラティリティの高まりに注意したいと思います。