今日の環境分析 2023年10月30日

 週末金曜日は、USDJPYが前日に節目の150円を抜け150円台半ばまで上昇していたたものの、介入警戒が強まり反落し150円割れとなりました。先週は介入とも思われる動きが度々みられたことから、神経質な展開が続いています。こうした動きは、明日発表される日銀の金融政策において、何らかの変更を期待してのものと思われます。このため、まったく変更がなかった場合には、一気に円安が加速する可能性があるので警戒しておきたいと思います。

 通貨相関からは、下位足ではJPYが最も強くなりました。上位足を否定する動きとも思われ、円高方向への期待感が高まっています。USDの強さも継続しています。一方で、EURがGBPとともに弱さが目立つようになってきました。マイナー通貨全般に弱い展開になっています。USD・JPYを軸とした通貨選択をしたいと思います。

 今週は、火曜日の日本・水曜日の米国・木曜日の英国の政策金利の発表や金曜日の米国の雇用統計など、市場インパクトの大きな経済指標の発表が続くため、週を通して警戒が必要となります。また、月曜日のドイツのGDP、火曜日の欧州の消費者物価指数・米国の消費者信頼感指数・EUのGDP、水曜日の米国のISM製造業景況指数、木曜日のドイツの失業率、金曜日のカナダの失業率・オーストラリアの小売売上高・米国のISM非製造業景況指数にも注目です。米国では、金曜日の雇用統計の前に、水曜日のADP全米雇用報告と雇用動態調査(JOLTS)求人件数、木曜日の新規失業保険申請件数など労働統計の発表が相次ぎます。
 米国では長期金利が5%を超えており、FOMCにおいては金利据え置きと思われます。しかし、金利高止まりの長期化が想定されていることから、USDJPYの行方を決めるのは日銀の金融政策に委ねなれています。日銀の金融政策は現状維持と思われているものの、介入警戒がUSDJPYの上値を抑えています。もし、新たな施策がない場合は150円台の定着につながる可能性もあり、為替介入の警戒による上値を抑えていた力が円安方向に加速することにも警戒したいと思います。日銀の金融政策の内容次第で、今週はクロス円に大きなトレードチャンスが発生するものと思われます。週を通してボラティリティの高い展開が想定されるため、動きを確認してからでも十分に間に合うと思います。久しぶりに期待の高まる週となります。
 なお、今週から欧州と英国は冬時間に入ります。米国は来週からになります。