昨日、ECBは11会合ぶりとなる政策金利の利上げ見送りを発表しました。声明文では、インフレ率は長く高止まりする見通しで、現在の政策金利を十分に長い時間維持するとの内容でした。ECB総裁の会見では追加利上げの可能性にも言及しましたが、利上げの最終局面にあることを確認する状況にあります。インフレ率と景気停滞を背景に、今後の金融政策のかじ取りが難しくなってきました。米国では7-9月期のGDPが発表され、前年同期比年率換算で+4.9%となり、4-6月期の+2.1%から大幅に加速しました。米国の耐久財受注は予想を大きく上回り、製造業の好調さをうかがえます。米国経済の堅調さを確認することになり、USDJPYは150円台で推移する展開になりました。
通貨相関からは、USDの一強になってきました。上位足から下位足まですべての時間軸で最強になっています。景気動向・地政学リスクなどを考慮するとUSDの強さを裏付けていることがわかります。EUR・GBPが下位足での弱さが目立ちました。なかでもEURは金融政策の発表を受けて再び軟調な展開を迎えようとしています。USDを除くと強弱関係を判断するのが難しい状況にあるため、USDを軸にした通貨選択をしたいと思います。
本日は、東京都区部の消費者物価指数に注目です。首相の所信表明演説では「経済・経済・経済!」とありましたが、どこまで経済に向き合っているのか疑問です。税収が増えたから、その分をお返しするとの発想のようですが、借金だらけなのにちょっと追加収入があったから使おうとする家計は破綻するのと同じ路線に向かっているようで気になります。来週の日銀の金融政策決定会合に向けて、良い意味での圧力を金融政策にかけてほしいと願っています。
また、米国のPCEデフレーターにも注目です。USDJPYは為替介入を警戒しつつ、上値を探る展開になると思われるため、値動きには注意したいと思います。