今日の環境分析 2023年6月29日

 昨日、ECBフォーラムにおいて先進国の中央銀行総裁の討論会が行われました。その場で、FRB議長は年内に2回連続の利上げの可能性に言及し、日銀総裁からは期待していた金融政策の転換の示唆する内容はありませんでした。USDJPYは144円台中盤まで上昇しており、145円を視野にとらえてきました。この上昇は、円安ではなくドル高の結果によるものです。USDJPY以外のクロス円通貨でみれば昨日は下落しており、ドルストレート通貨はドル高方向に動いている点から確認できます。こうした点から、USDJPYだけをみて為替介入の可能性を判断するのは難しくなってきました。午前中に発表されたオーストラリアの5月の消費者物価指数は前年比+5.6%と市場予想を下回りました。2022年4月以来の水準にまで低下したことで、追加の金利引上げ懸念が後退しAUD関連通貨の下落につながりました。

 通貨相関からは、前日にECB総裁の金融引締め継続方針を受けてEURの強さが継続しています。USDもFRB議長のタカ派発言を受けて下位足ではEURに次ぐ強さになってきました。JPYは日銀の金融政策変更の可能性を市場は捨てきれておらず堅調な展開となっています。 AUD・NZDの弱さは継続し、USDと連動して強かったCADは反落の動きを強めています。こうした点から、メジャー通貨買い、マイナー通貨売りの通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、オーストラリアの小売売上高に注目です。昨日の消費者物価指数に続き、下落の勢いが加速するのか注視しています。FRB議長の発言にも注目です。昨日の発言内容と変化はないと思いますが、ニュアンスの違いがでるか注意しておきたいと思います。また、米国のGDPや新規失業保険申請件数にも注目しています。月末・四半期末が明日に迫ってきました。ポジション整理の動きが強まりボラティリティが高まると想定されるため、値動きには警戒したいと思います。

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