今日の環境分析 2024年4月12日
昨日、欧州中央銀行(ECB)は金融政策を発表し、事前の予想通り政策金利を据え置きました。総裁会見では、「われわれはデータ次第であり、FRBに依存しているわけではない」と発言しました。6月利下げ観測が大勢であったものが、前日の米国の消費者物価指数を受けて米国の早期利下げ観測が後退したことで、ECBの利下げ観測が変化したとの報道を否定したものです。米国の利下げ観測が遠のく一方、欧州の6月利下げの可能性が高まった結果、EURUSDの下落基調が続くものと思われます。結果、ドル高につながるため、日本の利上げ時期によりますがUSDJPYの上値指向は強まるものと思われます。現在のUSDJPY153円台は当初市場が想定していた介入水準の152円を抜けており、いつ円買い介入が入ってもおかしくない状況にあります。介入には継続的に警戒しておきたいと思います。また、米国の3月の生産者物価指数は前月比+0.2%と市場予想の+0.3%を下回り、伸び率は減速しました。前日の消費者物価指数による影響は若干緩和されました。
通貨相関からは、USDの一強状況が続いています。EURは一段と弱くなってきており、EURUSDの下落につながっています。その他の通貨は特徴的な動きが見られないため、判断の難しい状況にあります。USDの買い、EURの売りを軸に通貨選択をしていきたいと思います。
強い通貨: USD
弱い通貨: EUR
日足 : USD>AUD>CAD>NZD>GBP>EUR>JPY
4時間足 : USD>NZD>GBP>CAD>JPY>AUD>EUR
本日は、英国のGDPやミシガン大学消費者信頼感指数に注目ですが、市場インパクトは低いと思われます。FRB高官の発言が複数予定されており、今後の利下げ方針に言及した場合の内容に注目です。昨日のECBの政策金利の発表を終えて、当面の大きなイベントはなくなりました。ここからは、中期的な観点からファンダメンタルズを反映した動きになると考えています。より一層、金利やインフレの動向に注意しながら相場を見ていきたいと思います。