今週は円安の限界を模索?!_4/29(月)

今日の環境分析 2024年4月29日

 週末金曜日は、日銀の金融政策の現状維持方針、それに続く日銀総裁の会見をうけて、USDJPYは158円台まで1日で3円近く円安ドル高がすすみました。日銀総裁は会見で、円安は「基調的な物価上昇率に今のところ、大きな影響を与えているわけではない」と発言し、当面の利上げを否定したとの見方が強まりました。さらに、注目していた米国の3月のPCEデフレーターは前年同月比で+2.7%と、2月の+2.5%から加速しました。このため、米国の早期利下げ観測は大幅に後退しました。日米の金融政策の方向性からUSDJPYの上昇につながりました。想定していた157円台でも円買い介入は入らず、金融当局がどこまで円安を許容するのかに注目です。

 通貨相関からは、JPYの一弱状態になっています。上位足から下位足まで揃って最弱通貨に位置しています。USDはJPYに対して強いものの、下位足では相対的な強さが見られないことから、ドルストレート通貨の方向性がつかみにくい状況にあります。AUD・NZDは堅調な動きを確認でき、GBPは中立的な位置づけにあるものの相対的な強さを確認することができます。GBPに対するかたちでEURの弱さが目立っています。JPYやEURの売りを軸に通貨選択をしたいと思いますが、JPYは円買い介入への警戒や警戒への過度の反応からボラティリティが高まることが懸念されるので注意したいと思います。

 強い通貨: AUD・NZD
 弱い通貨: JPY・EUR

 日足   : AUD>USD>NZD>GBP>EUR>CAD>JPY
 4時間足 : AUD>NZD>GBP>CAD>USD>EUR>JPY

 今週は、月曜日と金曜日、さらに来週の月曜日と日本の休日となります。ゴールデンウィークの真っただ中にあるため、金融当局としても円安への対応が難しい時期にあると思います。加えて、後に述べるようにドル高要因になる可能性の高い米国の経済指標が多く発表されることから、どこまで円安が進むのかを注意深く見守っていくのではないかと思います。今週は、火曜日にオーストラリアの小売売上高・ドイツとEUとカナダのGDP・EUの消費者物価指数、水曜日に米国のADP雇用統計・ISM製造業景況指数・FOMC政策金利とFRB議長の記者会見、木曜日に日銀の3月開催分の議事要旨の公表、金曜日に米国の雇用統計とISM非製造業景況指数と、市場に影響を与える大きな材料が続きます。なかでも水曜日以降の米国の経済統計の内容次第では、USDの強さを確認することになる可能性が高いため警戒が必要です。本日は、ドイツの消費者物価指数に注目です。ドイツ経済のインフレ停滞を確認するようだと、ECBの早期利下げ観測が強まる可能性が高まります。このため、EURの弱さが加速するのではないかと考えています。今週は、JPY・USD・EURにとって非常に重要な週になると考えています。

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