今日の環境分析 2024年2月2日
昨日発表された米国の新規失業保険申請件数は22.4万件と市場予想の21.2万件を上回るとともに、前週の21.4万件をも上回りました。失業保険継続受給者数も上振れし、2か月ぶりの高水準となり労働市場の冷え込みを示唆することになりました。これを受けて米国金利は低下し、USDの下落につながりました。その後に発表された米国のISM製造業景況指数は、市場予想に反して改善したものの、依然として景気の分岐点とされる50を下回る49.1となりました。ユーロ圏の1月の消費者物価指数は、前年同月比で+2.8%と市場予想と同じになり、伸び率は2か月ぶりに鈍化しました。インフレの抑制が効いているのであれば停滞している欧州経済の状況から、ECBの利下げ時期が前倒しになる可能性が高いとの判断が強まると思われます。イングランド銀行(BOE)は、4会合連続で政策金利を据え置き、声明文の中で今後の利上げ余地を示唆する文言が削除されました。投票権のある9名のうち6名が据え置き、2名が利上げ、1名が利下げとなり、先月までにはなかった利下げの動きに注目されます。総裁会見でも条件付きで利下げの可能性に言及したため、利下げへの思惑が一段と高まるものと思われます。市場全般では、小動きに推移しており、依然として方向感の乏しい展開となっています。
通貨相関からは、弱さが目立っていたAUDの弱さが顕著となりました。JPY・NZDの強さは継続しており、USDとともにCADの弱さも目立つ展開になってきました。GBPは下位足の弱さが継続しており、上位足に波及してくるのか注目しています。EURはやや強い位置づけですが、その他の通貨の弱さが顕著となったため相対的に上位になっているのに過ぎないと思われます。金融政策の転換時期に前後はあるにせよ、政策の方向性が明確になっていることから、中長期的にはこれらの方向性に沿った通貨選択が有効であると考えています。強弱感の明確なJPYやAUDを軸に通貨選択をしたいと思います。
強い通貨:JPY・NZD
弱い通貨:AUD・USD
日足 : GBP>USD>CAD>EUR>JPY>NZD>AUD
4時間足 : JPY>NZD>EUR>CAD>GBP>USD>AUD
本日は、米国の雇用統計に注目です。今週発表されてきた労働統計は総じて弱い内容となり、労働需給の緩和を確認する結果となりました。今夜の雇用統計でも同様の結果が想定されると考えており、その結果次第で大きくUSDが動くことが想定されます。日中は雇用統計を控えて様子見姿勢を強めると思われますが、雇用統計の結果を待たずに動き出すことも想定されるため、欧州時間からのUSDの動きに警戒したいと思います。