今日の環境分析 2024年1月17日
昨日、FRBウォラー理事の発言があり、早期利下げを否定する内容となりました。これを受けてドル高が進みました。米国の早期の利下げ期待が後退し、日本ではマイナス金利解除観測が後退していることから、日米金利差拡大を見込んだ動きが強まり、USDJPYは147円台に入りました。先週、昨年11月から12月にかけての下落の半値戻しで反落したため、その水準に注目していましたが上抜けてきました。次の戻りのフシとなる黄金比の61.8%水準を前に、目先は頭打ちの動きになっています。この水準を上抜けて150円を目指す展開になるのか、再び145円台に入るのか、今後の値動きに注目しています。また、米大統領選の候補者選びとなる共和党の予備選がアイオワ州で始まり、トランプ前大統領が過半数を超える圧勝となりました。現職の民主党バイデン大統領との一騎打ちになる可能性が現状では高く、トランプ前大統領が返り咲いた場合のリスクを視野に入れておく必要が強まっています。秋の大統領選挙本番に向けては、バイデン大統領の支持率上昇を意図した金融政策への圧力も想定されるため、米国の政治情勢に注目しておきたいと思います。市場全般では、久しぶりにボラティリティが高まり、USDの強さを確認する動きとなりました。
通貨相関からは、USDが日足・4時間足ともに最強通貨になっています。USDに連動してCADの強さも目立ってきました。一方で、オセアニア通貨のAUD・NZDやJPYの弱さが目立つ展開になっており、相対的な関係からEUR・GBPはやや強い位置づけとなっています。CADを除くマイナー通貨の売り、優位性のあるメジャー通貨の買いで通貨選択をしていきたいと思います。
強い通貨:USD・GBP・EUR
弱い通貨:NZD・AUD・JPY
日足 : USD>GBP>EUR>CAD>NZD>AUD>JPY
4時間足 : USD>CAD>GBP>EUR>JPY>AUD>NZD
本日は、英国の消費者物価指数や米国の小売売上高に注目しています。GBP・USDともに強い通貨群に位置していますが、この経済指標の内容次第では一転する可能性もあるので警戒しておきたいと思います。また、米国の地区連銀経済報告は、月末に予定されている米国のFOMCにおける金融政策の議論のベースになるものなので、その内容に注目しています。本日もFRB高官の発言が複数予定されており、発言内容には注意しておきたいと思います。さらに、ECB総裁の発言ではドイツのマイナス成長を始めとした欧州経済への見解に注目したいと思います。さらなる金融引き締めの可能性を示唆するのか注目しています。