今日の環境分析 2024年1月8日

 週末金曜日に発表された米国の12月の雇用統計では、非農業者部門の就業者数が前月比で+21.6万人と市場予想の+17.0万人を大きく上回りました。前日のADP全米雇用報告でも市場予想を大きく上回る結果だったので、ある程度の上振れが想定済だったようで、USD買いへの反応は限定的でした。その後に発表されたISM非製造業景況指数は市場予想を下回り、USD売りにつながりました。終わってみれば、前日比変わらずの144円台半ばの水準となりました。年初からのUSD買い戻しの動きは一服したように思われます。また、ユーロ圏の12月の消費者物価指数は、前年同月比で+2.9%と市場予想の+3.0%下回ったものの、前月の+2.4%から伸びが加速しました。これを受けてECBによる早期利下げ観測は遠のく状況を強めることになると思われます。市場全般では、年初から大きく動いてきたため、その反動の調整の動きとなりました。

 通貨相関からは、GBPの強さが目立つ展開となり、なかでも対EURでの強さが目立っています。USDの堅調な展開も続いています。対して、年初から続くJPYの弱さは日足にまで波及してきました。昨年末のJPYが強い展開の中で、JPY売りポジションが圧縮されたことで、年明けから新たにJPY売りのポジションを積み重ねているようです。USDの強さに注目したいところですが、個別通貨をみるとドルストレート通貨は収束の動きを強めているため、発散の動きを見せるまでは方向性の判断が難しくなってきました。年初の動きが一巡したと考えられるため、次の動きを待ちたいと思います。

 強い通貨:USD・GBP
 弱い通貨:AUD・JPY

 日足   : CAD>AUD>EUR>GBP・NZD>USD>JPY
 4時間足 : GBP>USD>EUR>CAD>NZD>AUD>JPY

 今週は、木曜日の米国の消費者物価指数が最大の注目材料となります。米国の労働環境が好調になっているため平均賃金が上がり、物価の上昇につながっています。消費者物価指数にどの程度反映してくるのか、落ち着きを確認できるのか、今後の金融政策へ大きな影響を与えると考えるため、警戒しておきたいと思います。そのほか、火曜日の東京都区部の消費者物価指数・オーストラリアの小売売上高、水曜日のオーストラリアの消費者物価指数・英国BOE総裁の発言、金曜日の米国の生産者物価指数にも注目です。
 本日は、日本は祝日で金融市場は休場のため、日本時間の流動性低下に注意したいと思います。欧州時間に入って、週末の雇用統計やISMの内容をどのように判断するのかに注目したいと思います。