今日の環境分析 2023年9月28日

 昨日発表された米国の8月の耐久財受注は、市場予想の前月比-0.5%を上回る+0.2%の増加となりました。米国金利の上昇に伴う借り入れコストの上昇から企業の設備投資は停滞期気味でしたが、米国経済の堅調さを裏付ける結果となりました。一方で、ミネアポリス連銀総裁は政府機関の閉鎖や自動車業界のストが長引いた場合には年内の利上げ見送りの可能性もあると発言し、景気停滞懸念にも無視できない状況にあります。どちらにせよ、米国金利は後1回の利上げがあってもほぼ上限に達していることから、今以上の日米金利差の拡大を想定しにくい状況にあります。USDJPYは149円台後半まで上昇し、今日にも150円乗せの可能性が高まってきました。しかし、日米金利差の限界や金融当局の円買い介入への警戒などを考えると、上値の重たい展開になるものと思われます。期末要因を背景に150円台に入ることも視野に入れて慎重な対応が望まれます。

 通貨相関からは、前日に続き、USD・CAD・NZDの強さを確認できます。逆に、EUR・GBP・AUDの弱さも継続しています。JPYは中立的な位置づけを継続しています。このため、クロス円通貨は、強弱が分かれる状況にあるため、通貨選択には注意が必要です。引き続き、ドルストレート通貨やEUR・GBPに注目した通貨選択を行いたいと思います。

 本日は、オーストラリアの小売売上高、ドイツの消費者物価指数、米国の新規失表保険申請件数とGDP確報値が発表されます。それぞれの指標が関連通貨への影響度は高いと思われるため、発表内容には注意したいと思います。引き続き、週末・月末・四半期末に向けたポジション調整の動きには警戒したいと思います。