今日の環境分析 2023年9月15日

 昨日、ECBは0.25%の利上げを決定しました。事前予想では利上げと据え置きが拮抗していたため、利上げの決定に伴い大きく変動しました。声明文の中に利上げ打ち止めと判断できる内容でしたが、会見では追加利上げの可能性を示唆しました。インフレ抑制を重視した結果、欧州経済圏の悪化懸念が強まり、EURは大きく下落しました。米国では、小売売上高は堅調な内容となり、新規失業保険申請件数も前週比減少と、経済環境の良さを確認する結果となりました。それでも、来週のFOMCにおいて利上げとみる見方は少ないため、USDの一方的な強さにはつながっていません。来週のFOMCまではUSDは方向感のない動きにならざるを得ない状況です。市場全般では、動き始めてきています。個々の通貨ペアにトレンドを確認できるものが多くなってきました。

 通貨相関からは、EUR・GBPの弱さが目立ちます。マイナー通貨の強さは継続しています。USDの相対的な強さは継続しており、JPYは中立的な位置づけになっています。EUR・GBP売りのAUD・CAD買いの通貨選択をしたいと思います。

 本日は、中国の小売売上高と鉱工業生産の発表に注目しています。中国経済の悪化懸念が実的なものか、世界経済への影響度合いなど、市場の反応を確認したいと思います。また、昨日のECBの利上げ後のEUR安の動きが継続するのか、他通貨への影響を注視したいと思います。いくつかの通貨ペアはトレンドを確認する一方、まだレンジ内の通貨ペアもあります。個々の通貨ペアの方向感に注意していきたいと思います。