週末金曜日、日本銀行は金融政策を発表し、現状維持となる大規模緩和策を継続しました。サプライズはなく市場予想通りの展開となり、円安が進行しました。一般消費者の立場からみると最近の物価上昇は厳しく、インフレを強く意識している人が大勢だと思います。物価上振れが国民負担になっていると強く認識していると発言していますが、実際の金融政策には反映されているようには思えません。すぐに利上げをすることが難しくても、YCCの政策変更は次回への期待として残ります。期待度の高まりとともに円高への動きが強まることが予想されるため、目先の円安の動きが加速するようだと為替介入の前に政策変更を示唆する発言が効果的であると考えています。過度な円安進行を期待せず、JPYには慎重な姿勢で臨みたいと考えています。
通貨相関からは、JPYの弱さが継続しています。日銀の金融政策に変更がなかったことから円売りに安心感を与えているようです。USDは、今回利上げを見送ったことで欧米金融当局の金融政策の違いから、欧州通貨対比での相対的な弱さが目立つ展開になっています。このため、JPYとUSDが最弱通貨になっているため、USDJPYの上値は限定的と考えています。今週は英国で政策金利の発表が予定されています。米国ではあと1-2回、EUでは2-3回の利上げが想定されているのに対し、英国では4-5回の利上げを予想する動きもあり、GBPの相対的な強さが顕著になってきています。AUD・NZDの堅調さも続いています。このため、GBPを軸にAUD・NZDの買い、JPY・USDの売りの通貨選択をしていきたいと思います。
今週は、木曜日に英国とスイスで政策金利の発表が予定されています。ともに利上げ継続が予想されることから、GBPは堅調な展開が想定されます。水曜日と木曜日には米国議会においてFRB議長の議会証言が予定されています。金曜日には日本の全国消費者物価指数や欧米各国・地域のPMIの発表があり、警戒が必要な日となりそうです。本日は、米国が祝日で金融市場は休場となります。欧州時間の動きに注意したいと思います。