今日の環境分析 2024年4月8日
先週末金曜日、米国の3月の雇用統計が発表されました。前月比+30.3万人増と市場予想の+20.0万人を大きく上回り、労働市場の堅調さを確認しましたが、USDへの影響は限定的でした。しかし、このところの米国経済の好調さを受けて、利下げ開始時期の遅れ観測が強まることになりました。市場全般では、依然として方向感のない展開が続いています。個別通貨ペアではCADの弱さが目立つ展開となりました。
通貨相関からは、CADの弱さを確認できます。今週水曜日にカナダの政策金利が発表されますが、スイスに続く利下げ開始を予想した向きによる動きにも思われます。USDが下位足では弱いため、CADも連動しているようです。AUD・NZDは堅調な動きを継続しています。AUDの買い、USD・CADの売りを軸に通貨選択をしたいと思います。しかし、依然として方向感のない展開にあるため、動き出しの確認を待ちたいと思います。
強い通貨: AUD・NZD
弱い通貨: JPY・USD・CAD
日足 : USD>AUD>CAD>EUR>GBP>NZD>JPY
4時間足 : AUD>NZD>EUR>GBP>JPY>USD>CAD
今週は、水曜日から木曜日にかけて大きな材料が続きます。水曜日に、ニュージーランドとカナダの政策金利と米国の消費者物価指数が発表されます。日本時間の木曜日未明には、3月に開催されたFOMCの議事録が公表されます。木曜日には、欧州中央銀行(ECB)の政策金利と米国の生産者物価指数が発表されます。このなかで特に注目なのが米国の消費者物価指数です。インフレ動向を確認することで、USDに勢いが出ることが想定されます。内容次第では
FRBの利下げ観測が大幅に後退することになり、円買い介入懸念があっても日米金利差を背景としたUSDJPYの上値追いが強まることになると思われます。今週発表される政策金利の中では、カナダの早期利下げに言及するのか警戒したいと思います。ECBは波乱要因は少ないと思われますが、利下げ時期への言及に注目しています。
本日は、特に重要な経済指標の発表はありませんが、早期に利下げに転換したスイス国立銀行(SNB)総裁の発言内容に注目したいと思います。
なお、今週からオーストラリアとニュージーランドは冬時間に入ります。経済指標などの発表は1時間後ろ倒しになるため注意が必要です。