昨日発表された5月の英国の消費者物価指数は、市場予想を上回る+8.7%となりました。コア指数では31年ぶりの高水準になるなど、英国経済のインフレ状況に鎮静化の動きは見られません。先進国の中で最も強いインフレ対策が求められる状況となっています。米国では、FRB議長が下院の議会証言で、インフレ圧力が強いため年内の追加利上げの可能性が高いことを表明しました。米国の年内1~2回の追加利上げで打ち止めが想定されるのに対し、英国の利上げはゴールがみえていないことから、GBPの堅調さが想定されます。市場全般では、前日の調整の動きから反転し、今月の流れに沿う形で動きました。しかし、新たなトレンドを確認するまでには到らないことから、しばらく時間調整の動きを必要と考えます。いくつかの通貨ペアでは、ミドルバンドをまたぐ動きを見せており、徐々に新たな方向性を模索しているように思われます。
通貨相関からは、EURGBPが堅調となりEURの強さが目立つ展開になりました。USD・JPYも堅調さを維持しています。CADもUSDにつれた動きを示しています。対して、AUD・NZDの弱さは継続しています。GBPは足元、調整の動きを見せていますが、本日の政策金利の発表後の動きに注目しており、その動きが長期的な流れにつながるものと思われます。昨日に続き、USD・JPYの買い方向で通貨選択をしたいと考えています。
本日は英国の政策金利の発表に注目です。昨日発表された消費者物価指数の水準からも、利上げは確実のため、その水準に注目されます。+0.25%の利上げであれば市場は織り込み済みですが、+0.50%の利上げとなればサプライズとなりGBPの上昇が期待されます。また、前日に続き米国議会においてFRB議長の議会証言があります。前日の発言内容からの追加コメントがあるのかに注目です。また、新規失業保険申請件数の発表や、複数のFRB理事の発言が予定されていることから、FRB議長の議会証言と合わせて今後の米国の金融政策の方向性を確認したいと思います。