今日の環境分析 2022年9月30日

昨日は、EUR・GBPが大きく反発しました。個別の通貨ペアで見ても、21通貨ペア中9通貨ペアが1%以上の変動となり、GBP系5通貨ペアは2%を超える動きとなりました。期末特有のポジション調整とみるのか、トレンドの転換とみるのか難しい局面になりました。Mark’sTradeでは、日足サインの発生を確認できるものが複数ありますが、期末要因を考慮して見送っています。英国の混乱が世界に波及しているかのようです。景気対策と金融政策の板挟みにある主要国の動向には警戒が必要です。

通貨相関からは、最強通貨と判断していたUSDが4時間足で最弱通貨となりました。ドルの独歩高への懸念が出てきた模様です。逆に、EUR・GBPの反転の動きが強まりました。下位足の動きが、単なる調整なのか、トレンド転換につながるのか、現時点で判断するのは困難な状況にあります。このため、通貨間の強弱から通貨選択するのは難しく、見送り姿勢で臨むのもありかなと思います。

本日は、中国のPMIや米国のPCEデフレーターに注目ですが、期末要因の需給関係に最も注目しています。ポジション調整の動きが強まると思われ、ボラティリティの高い展開が想定されます。先月は多くの通貨ペアで月越えのポジションを保有しましたが、今月はすべてポジションを決済しています。スイングトレードは見送りしています。デイトレードでは、ボラティリティの高さを警戒し、ポジション管理に気をつけながら臨みたいと思います。
カナダは、祝日で休場です。また、来週からオーストラリアがサマータイムに入ります。経済指標の発表が1時間前倒しになるので注意が必要です。ニュージーランドは今週からサマータイム入りしています。なお、欧州は10月31日、米国は11月6日にサマータイムが終了します。

今日の環境分析 2022年9月29日

昨日は、EURを軸に大きく動きました。BOE(イングランド銀行)は、先週木曜日に決定した国債売却を10月末まで延期し、10月14日まで緊急の金額無制限での国債買入れを表明しました。これを受けてGBPが乱高下する展開となりました。政府の減税策を受けての金利上昇への対抗措置です。国債買入れは、インフレ対応の金融引き締め策と逆行しており、政府の景気対策に迎合する結果となりました。ECB(欧州中央銀行)総裁は、連続利上げ姿勢を継続するとの発言をし、足元のEURの強さにつながりました。しかし、全般には金融政策の変更や当局の発言などから、混迷する動きになっています。

通貨相関からは、USDの強さが継続しています。JPY・EUR・GBPともに、反転の動きを見せており、方向感のない展開になりました。上位足から下位足まで揃っているのは、USDとNZDだけになりました。USDを軸に通貨選択する方針に変更はありません。

本日は、米国のGDPに注目ですが、サプライズは想定しづらいと思います。RBNZ総裁の発言にも注目です。現在、最弱通貨となっているNZDの方向感に影響を与えるのか注視したいと思います。しかし、全般には、明日の月末に向けて調整色の強い展開が想定されます。明日は、週末・月末・四半期末・年度半期末の重なる珍しい日になります。通常の期末より終値を意識した動きになることが想定されるので、来週まで見送りするのも賢明かと思います。

今日の環境分析 2022年9月28日

昨日は、小動きに推移しました。前日に大きな変動となったGBPは、落ち着きを取り戻しましたが弱さを継続しています。英国の財政悪化懸念が強まり、GBPUSDのパリティが現実味を帯びてきました。
ロシアから欧州へ向かう天然ガスのパイプラインで3か所のガス漏れが発見されました。意図的な破壊行為との見方もあり、欧州のエネルギー問題の深刻さを再認識することになりました。ドイツではエネルギー価格の高騰を批判した反政府デモが広がっている模様です。英国同様、欧州各国の財政悪化懸念からEURの弱さにつながっています。
米国では全米住宅価格が2年2か月ぶりに下落しました。住宅価格の下落は、インフレ抑制を目的とする米国の金融引き締め姿勢の変化につながると考えられます。米国の金融引き締めのゴールに目途が立てば、USDの強さに限界が見えてくると思われます。一方、日銀は金融緩和継続方針を貫いていますが、これ以上の金融緩和を行う可能性はほぼゼロです。こうした動きがUSDJPYの頭の重たさを示していると考えています。
このように考えると、日本でも物価高騰が問題になっていますが、欧米各国の物価高騰水準に比べればに比較になりません。日本では、金融緩和を継続していることから、景気悪化を抑制できているとも判断できます。こうしたことが、JPYの相対的な強さにつながっていると考えています。

通貨相関では、USD・JPY・CADの強さが目立ちます。なかでもUSDの強さが突出しており、USDJPY・USDCADでみてもUSDの強さが確認できます。EURとGBP、AUDとNZDの弱さが継続しています。上位足から下位足まで方向感が揃っていることから、通貨の2極化が進んでいると思われます。強弱が明確になっているため、通貨選択は容易です。強い通貨同士・弱い通貨同士の組み合わせは回避したいと思います。

本日は、米国FRB議長や地区連銀総裁など金融当局の発言が続きます。また、ECB総裁の発言も予定されています。足元の経済状況などから、今後の金融政策に影響を及ぼすような発言があるのかに注目しています。また、今月は残り3日となりました。週末・月末・四半期末と重なるため、ポジション整理の動きには警戒しておきたいと思います。

今日の環境分析 2022年9月27日

昨日は、月曜日の朝の流動性の低い時間に、GBP系通貨を中心に急落しました。英国の減税策に伴う景気悪化懸念から下落した前週末の流れを受けて、下落が下落を呼ぶスパイラルな動きとなりました。ストップ狩りの動き等のテクニカル要因であると想定されます。その後は、反転し、朝の下落分を埋める動きとなりました。USDJPYは、先週の為替介入に伴う下落を埋めるかのように上昇し、145円が射程圏に入ってきました。再び、為替介入があるのか注目しています。ちなみに、為替介入を担当した財務省の神田財務官の名前から、145円を防衛ラインとする「神田シーリング」と呼ぶそうです。
イタリアでは極右政権が誕生し、EUの結束に不安が生じてきています。ロシアへの経済制裁対応に変化があるのか、ウクライナ情勢に影響を与えるか、今後の動きには警戒しておく必要があると思います。一方、ロシアでは、予備役兵徴収に伴う国民の不満が噴出してきており、この動きが拡大すればプーチン大統領の足元を揺るがす可能性が高いと思います。ウクライナ情勢の終息に向けた動きを期待したいと思います。

通貨相関からは、USDとJPYの強さが継続しています。USDJPYが上昇していることからも、実質的にはUSDの一強状態にあり、ドル高の動きと判断できます。ドルストレート通貨に注目です。JPYはUSD以外に強い動きが継続していることから、USDJPYを除くクロス円の下落方向の動きが強まっていると判断しています。EUR・AUDも弱い動きが続いていますが、近隣通貨であるGBP・NZDに対して強い動きとなっています。昨日も述べたように、通貨強弱で通貨ペアの動きをみると、EURGBP・USDCAD・AUDNZDなど近隣通貨のトレンドが明確です。ドルストレート通貨を選択する際に、近隣通貨ペアの動きを判断し、弱い通貨を選択することが望ましいと思います。

本日は、FRB議長の討論会における発言に注目しています。タカ派発言が継続しているのか、ニュアンスに変更があるのか注意しておきたいと思います。USDJPYが上昇していることから145円が近づいてきています。神田シーリングが機能するのか、為替介入を警戒しつつ臨みたいと思います。また、英国政府による減税に伴う国債発行とイングランド銀行の利上げとともに実行する国債売却の動きと、相反する動きから混迷が続いています。下落の続くGBPUSDのパリティに向けた動きに注意したいと思います。

今日の環境分析 2022年9月26日

先週末の金曜日は、多くの通貨ペアで大きく動きました。なかでも、GBPは英国が大幅減税策を発表したことで、ファンメンタルズの悪化を懸念し、株式・債券とともに下落しました。短期的な変動が大きくなった結果、多くの通貨ペアで4時間足にトレンドの発生を確認できます。Mark’s Tradeでは日足でサインを確認できるものは少ないですが、4時間足の動きが日足にどう波及してくるのかに注目しています。現在、21通貨ペア中、10通貨ペアが上位足から下位足の方向性が揃っていると判断しており、トレンドの継続性を見守っていきたいと思います。

通貨相関からは、GBPが最弱通貨になったのが特徴的です。このところ、弱い通貨に分類されていたGBPの弱さが週末の減税策の発表で一挙に加速したかのようです。ともに弱い通貨であるEURとみてもEURGBPは上昇しており、通貨ペアとしては最強通貨の一つになってきました。JPY・USDの強さは継続しています。マイナー通貨は強弱感が分かれるところにあります。このため、強弱の明確なUSD・JPYとEUR・GBPを軸に通貨選択をしたいと思います。通貨強弱の欄に記載している通り、個別の通貨ペアでは方向感が揃っているものが多いため、これらの通貨ペアに注目しています。

今週は、先週の金融政策の変更を受けた市場となるので、方向感に注意したいと思います。木曜日の米国のGDPや各国の物価統計など注目される指標はありますが、先週ほどのインパクトは想定しづらいと思います。今週は、米国でFRB議長を始め連銀総裁の発言が予定されています。発言の中には、先週のFOMCの決定後の金融政策に影響を与えるものもあると思うので注意しておきたいと思います。本日は、日銀・ECBの総裁発言に注目です。前週末に大きく動いた後だけに、目先の反発はあるかと思いますが、大きな流れを見失わないようにしたいと思います。

デイトレードの実績_2022年9月第3週

9月第3週は、9通貨ペア合計で+741.9pipsとなりました。週を通じて16回トレードし、13勝3敗、勝率81.3%となりました。このうち3トレード(2勝1敗、計+8.4pips)は、本来、見送るべき局面でした。AUDJPYのトレードはありませんでした。大きく取れたトレードは、エントリー時の判断では評価を低いとしていたので、ラッキーな展開になりました。

デイトレードのノウハウとなる部分についてはチャートから削除しています。ノウハウは個別コンサルティングにて提供しています。ご興味のある方は、お問合せください。

スワップ一覧_2022/9/24(Axiory/BigBoss/XM/Titan)

今週は、米国、英国、日本などで政策金利の発表がありました。米国では+0.75%、英国では+0.5%の利上げとなり、日本は金融緩和を継続しました。これを受けて、日米金利差は0.75%拡大しました。Axioryでは金利差通りに反映しましたが、他は大きな動きには見られませんでした。特徴的な動きを見せているBigBossでも金利差方向に変更しましたが、わずかな動きにとどまりました。依然として、USDJPYの上昇を見込んでいない状況にあると思われます。BigBossのスワップ方針は、シカゴIMM先物ポジションの残高を反映しているように思われます。22日に実施された円買い介入の結果を受けて、金曜日に発表される同ポジションの残高の変化に注目です。

今日の環境分析 2022年9月23日

昨日は、未明に米国で0.75%の利上げが発表された後、昼前に日銀が金融緩和継続を発表しました。これを受けて、日米金利差の拡大を再確認できたため、USDJPYは145円台にまで突入しました。その後、政府は24年ぶりの円買い介入を実施し、サプライズとなり145円から140円まで短時間で一挙に円高方向に進みました。その後は、ドルを買い戻す動きも見られました。口先介入だけだと思っていたのが、実際に介入してきたことで145円を越える円安水準は望んでいないことが判明しました。日銀総裁の会見では今後の緩和継続を表明している一方、FRBは利上げ継続を示唆していることから、日米金利差の拡大は継続していきます。このため、トレンドしてのドル高を否定することができません。今後は、145円まで円安になれば介入を実施し、急落した所ではドル買いが入るような、幅広いレンジの動きが想定されます。しかし、為替介入を継続的に実施する可能性が高まっていることから、米国の利上げ幅は限定的であることもあり、徐々にボディブローのように円高方向への動きが強まると思われます。
英国では、7会合連続で利上げし+0.5%の利上げと国債売却を決定しました。金融緩和からの脱却に積極的な姿勢が示されました。また、スイスは+0.75%利上げしマイナス金利から脱却しました。これで、先進国中、日本のみがマイナス金利を維持していることになります。
昨日は、多くの国で金融政策が変更され、ノルウェー+0.5%、インドネシア+0.5%、フィリピン+0.5%、台湾+0.125%の利上げを実施しました。一方、ブラジルは利上げを停止し、トルコは1%利下げとなりました。

通貨相関からは、先週半ばから続いているJPYの強さを確認できます。この動きは、日足から週足にまで波及してきており、為替介入はこの動きを後押しするものになりました。USDは、米国の金融引き締め継続に加え、欧州大陸の地政学リスクを考えると、強さは継続しています。このため、強い通貨としてのUSDやJPYを軸に通貨選択をしていきたいと思います。EURはロシアの動きに警戒し見送り姿勢を強めています。

本日は、昨日の円の介入や各国の政策金利の変更を消化する展開になると思われます。日本が祝日であるため、大きな変動はないと思われますが、広いレンジでの動きを想定しておく必要があると思います。欧州各国のPMIやカナダの小売売上高の発表があり、注意しておきたいと思います。

今日の環境分析 2022年9月22日

ロシアは部分的な動員令を発動すると発表しました。この報道を受けて、ウクライナ情勢の長期化を懸念し、欧州経済への悪影響からEURが売られる展開となりました。ロシア国内ではかつてない反発が出てきており、状況次第ではプーチン大統領の失脚や早期終結の可能性が出てきました。ウクライナ情勢とともにEURの動きに注意したいと思います。
本日未明に発表されたFOMCの政策金利は、市場予想通り0.75%の利上げにとどまりました。1.0%利上げの可能性もありましたが、次回以降の利上げ分に含みを持たせることになりました。ドットチャートからは、年内には1.25%の利上げが想定されます。おそらく、次回も0.75%引き上げし、徐々に金融引き締め姿勢を弱め、来年には金融引き締め策は終了すると思われます。USDJPYは、利上げ発表時には円安が進みましたが、前回高値には届かずに反落しました。FRB議長の会見では、依然としてタカ派姿勢の維持を確認したため、USDの堅調が目立つ動きとなりました。

通貨相関からは、ロシアの動きを受けてEURが下落したことで、JPYとUSDの2強になりました。本日の日本銀行の金融政策次第では、USDの独歩高になる可能性もあります。USDJPYを除いたドルストレート通貨を軸に通貨選択を行いたいと思います。

本日は、昼頃に日本銀行の政策金利が発表されます。発表時間が定まっていないのは迷惑な話ですが、発表時間が遅くなるほど政策変更がある傾向にあります。早い時間に金融緩和継続と発表されれば円安が進む可能性があり、USDJPYは再び高値を見に行くかもしれません。逆に発表が遅くなれば、金融緩和からの脱却の可能性が高まり、一挙に円高方向に進む可能性もあります。金融緩和継続との見方が大勢ではありますが、レートチェックを実施するなど介入を示唆する動きもあり、金融緩和からの脱却を示唆する可能性も否定できないため警戒が必要です。16時30分に発表されるスイスではマイナス金利からの脱却が予想されます。もしスイスがマイナス金利から脱却すれば、日本だけが先進国の中で唯一残されたマイナス金利国となります。もしかしたら、唯一残されたマイナス金利国のポジションを回避するために、スイスの発表前にマイナス金利からの脱却もありうると穿った見方もできますが、可能性はほとんどないと思います。日銀総裁会見では、当然のように為替相場への見解の質問が出ます。日銀総裁は、為替相場に言及することはしませんが、少しでも関連した内容があればJPYへの影響は大きいと考えます。このため、日中のJPYの動きには警戒したいと思います。
また、20時には英国の政策金利が発表されますが、大幅な引き上げを予定しています。オーストラリアはエリザベス女王の死去に伴う休日のため金融市場は休場となります。

今日の環境分析 2022年9月21日

昨日発表された、日本の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数では30年11か月ぶり水準となる2.8%の上昇となりました。また、基準地価の発表もあり、住宅地の全国平均が31年ぶりの上昇となりました。海外の主要先進国の物価上昇水準に比べると、低い数字ではあるものの、日本銀行が金融政策の変更指針の材料としている2%の物価上昇が継続しています。昨日は、NZDUSDが大きく下落した以外は小動きに推移し、全般にFOMCの政策金利の発表を前に様子見気分の強い展開となりました。

通貨相関からは、NZDをはじめマイナー通貨の弱さが目立ちます。メジャー通貨では、USD・JPY・EURの強さが継続しているものの、GBPの弱さが際立ちます。下位足の動きが、徐々に上位足に波及してきています。その最大の特徴が、JPYです。一時は、月足から4時間足まで最弱通貨のこともありましたが、現時点では、日足で最下位から脱出することになりました。徐々に円安の進行に歯止めがかかりつつあるのではないかと思います。逆に、NZD・GBPが上位足から下位足まで弱い動きになっています。昨日も説明したように、NZDとAUD、GBPとEURのように、近隣国通貨との相対的な強弱に注意が必要です。通貨間の強弱が鮮明になっているため、通貨選択を間違えないようにしたいと思います。

本日の最大の注目は、日本時間明日未明の3時に発表される米国のFOMCの政策金利です。昨日発表された、スウェーデンでは事前予想の0.75%を上回る1.0%の利上げを行いました。FOMCでは0.75%の利上げが市場のコンセンサスとなっていますが、一部に1.0%の利上げ予想もあります。1.0%となった場合は、サプライズとしてUSDJPYが一気に145円台抜けになることが想定されます。逆に、0.75%の場合は織り込み済みとして反落する可能性が高いと思います。おそらく0.75%になると思いますが、政策金利の発表以上に注目なのが、3時半に行われるFRB議長の記者会見です。足元の物価動向などからみたインフレへの見解に注目です。次回の大幅利上げも市場は想定済みであるため、来年に向けて金利水準を推察する動きが強まると思われます。本日は、FOMCの政策金利の発表を前に、様子見の動きが継続すると思われます。明日は日本・英国・スイスの政策金利の発表を控えていることから、ポジションを保有することに慎重な姿勢で臨みたいと思います。