今日の環境分析 2022年7月20日

昨日は、米国の住宅着工件数が発表され、住宅価格の高騰やローン金利の上昇が影響し、大幅な低下となりました。米国経済にとって住宅部門のGDPの中での比率は高いため、今後の景気低迷への懸念の兆しと見て取れます。今後の金融政策にすぐに直結するものではありませんが、インフレ懸念の高まりを警戒しておく必要があります。また、昨日はユーロ圏の消費者物価指数の確報値が発表されました。通常、確報値に反応することは少ないですが、指数の大幅上昇を受けて金融引き締めの強化するとの見通しが高まってきました。ECBは明日、政策金利を発表しますが、従来想定予想の+0.25%から+0.5%の利上げ観測に高まってきており、EUR高につながりました。また、AUD・NZD関連通貨が大きく買われたのが目立っています。

通貨相関からは、JPYの弱さが上位足から下位足まで揃っています。クロス円通貨の方向性は継続していると思われます。しかし、USDが再び下位足で弱さが目立ってきており、クロス円通貨の中でUSDJPYは除外して考えた方が良さそうです。GBPの弱さ、CADの強さに反発の動きがみられますが、本日は両国で消費者物価指数が発表されるので、内容次第で反発から新たなトレンドへの転換になるのかならないのか注目しています。全般に、下位足の動きが上位足と反対になっているため、方向感を探るのが難しい展開になっています。

本日は、英国とカナダの消費者物価指数に注目しています。ともに金融引き締めを継続しているため、指数の水準によっては引き締め強化につながる可能性を模索することになると思います。

今日の環境分析 2022年7月19日

米国FRBの+1%の利上げ観測が後退したことで、急激な金融引き締め観測に伴うドル高は調整しました。金融当局の相次ぐ1%利上げを否定する発言が続いたため、+0.75%の利上げに決定しそうです。サプライズが無くなったことでUSDJPYの140円突入は遠のきました。しかし、木曜日の日本銀行の政策金利の発表で金融緩和継続が確認されると、再び円安が加速される可能性も高いと思われます。全般に様子見気分の強い動きとなり、日足ベースでのトレンドを確認するのが難しい局面が続いています。

通貨相関からは、下位足で反転の動きがみられます。USDの弱さ、EURの強さがその象徴的な動きになっています。全般に、方向感の乏しい状況になっており、上位足から下位足まで不揃いな展開になっています。Mark’sTradeでは日足のサインを確認できない状況にあります。方向感のつかみにくい局面の時は見送るのが良いと思います。

本日は、10時30分のオーストラリアのRBA議事録の公表に注目しています。金融政策の内容を確認することで、相対的な強さが遠のいているAUDの方向性を判断する材料になると考えています。また、英国の失業率やBOE総裁の発言に注目です。
今月は、スイングトレードでは分かりにくい局面が続いているので、デイトレード中心にトレードをしています。

今日の環境分析 2022年7月18日

先週末に発表された米国の小売売上高は、市場予想を上回る水準となりました。前月比+1%、前年同月比で+8.4%となりましたが、多くは物価上昇に伴う影響が大きいと思われます。同日発表された米国ミシガン大消費者信頼感指数は上昇し、消費者のインフレ警戒の度合いが低下した模様です。これらのことから、水曜日に発表された消費者物価指数の大幅上昇をうけた1%の利上げ観測は低下したものと思われます。この動きが、USDJPYの上昇の勢いを一旦は止めることになったと判断しています。しかし、それでも0.75%の利上げはほぼ確実なのでUSDの強さは継続すると思われます。

通貨相関からは、週末だったこともあり下位足で反転の動きがみられます。USD・CADやNZDなど上位足との方向感に違いがでました。この動きが継続するのか、単なる調整と判断するのか様子見したいと思います。EURの弱さは継続していますが、今週木曜日に欧州中央銀行の政策金利の発表を控えているため、思惑的な動きが続くように思われます。また、GBPの弱さも継続しています。ロシアに関連したエネルギー問題は、欧州経済への深刻度を想定以上に高めているように思われます。

今週は、火曜日に英国の失業率、水曜日に英国とカナダの消費者物価指数、木曜日に日本銀行と欧州中央銀行の政策金利、金曜日に日本の消費者物価指数と欧州各国のPMIさらにカナダの小売売上高と指標発表が続きます。それぞれ今後の金利動向を判断する上で重要な指標となるので、警戒しておく必要があると思います。なかでも、木曜日の日本と欧州の金利政策には注意が必要です。日本の金融緩和の継続、欧州の利上げ水準など、政策金利の発表後のコメントにも注意しておきたいと思います。
本日は、日本が祝日で休場であるため、東京時間には大きな動きは想定されません。しかし、往々にして、祝日を狙い撃ちするかのように短期筋の仕掛けの動きが出ることがあるので、クロス円中心に注視しておきたいと思います。

スワップ一覧_2022/7/16(Axiory/BigBoss/XM/Titan)

7月13日にカナダが政策金利を1%引き上げたことを受けて、AxioryでCAD系通貨のスワップポイントが変化しました。同日にニュージーランドも0.5%引き上げをしたことを受けて、NZD系通貨のスワップポイントも変化しています。こうした政策金利の変更を素直にAxioryは反応しています。しかし、BigBossでは前週比で逆行した動きになっており注意が必要です。
日米金利差を背景とした円安ドル高が進んでいるように、スワップポイントには各通貨間の金利差が反映されます。プラスのスワップポイントは金利差の優位性があると判断できるため、通貨選択に役立てると思います。

今日の環境分析 2022年7月15日

USDJPYは、大幅に上昇し一時24年ぶりの139円台をつけました。140円台も通過点にしてしまうかのような勢いです。FRBは7月の利上げ幅を0.75%が基本としていますが、市場では1%の利上げ観測が強まっています。日本の金融緩和に変化がない以上、日米金利差は安心感のある材料としてUSDを買いやすい状況にあります。JPY以外の通貨に対してもUSDの強さが目立ちます。USD独歩高の状況が続いており、安易にUSDの逆張りが出来ない状況にあります。一昨日に発表された金融政策では、カナダは1%、ニュージーランドは0.5%の利上げを行いました。カナダが1%と大きく利上げしたことで、米国の1%利上げの可能性を高めたと思われます。逆に、ニュージーランドの0.5%の利上げを失望感すら持ってしまう市場に怖さを感じてしまいます。

通貨相関からは、USDの強さは依然として継続しています。CADは大幅利上げをしたことで材料出尽くし感から利益確定の動きを強めた模様で、下位足の調整の動きがみられます。これまで2強だったUSD・CADですが、昨日はUSDCADが大きく上昇し、USDの優位性を確認する結果となりました。ドルストレート通貨に注目しています。また、JPYの弱さが再び明確になってきているので、クロス円の動きにも注意したいと思います。

本日は、米国の小売売上高に注目です。インフレ警戒の動きが判断できるのか、金融引き締めの強化を裏付けるのか、USDの動きを左右することになると思います。

今日の環境分析 2022年7月14日

ついにEURUSDが1.0のパリティ(等価)を20年ぶりに割り込みました。昨日発表された米国の消費者物価指数の6月の上昇率は、前月比+9.1%と40年半ぶりの大きな上昇となりました。米国の利上げが加速されるとの観測が高まり、USDの独歩高を後押しする結果となりました。一方、ロシアの天然ガスの対応を受けた欧州経済の停滞懸念が高まっていることから、欧米の景況感の違いから欧米の金利差が一段と拡大するとの見方が強まりました。カナダも大幅な物価上昇が続いているため、1%の大幅な利上げを行いました。

通貨相関からは、USD・CADの強さ、EUR・GBPの弱さが継続しています。米国・欧州大陸のグローバルの地域間格差が生じているようです。ウクライナ情勢の長期化で欧州経済の停滞によるEURの弱さ、首相辞任に伴う政局の不透明感の高まりGBPの弱さとなっています。一方で、大幅利上げに伴う欧州との金利差を背景としたUSD・CADの強さとなっています。JPYの弱さは継続しているものの、下位足では短期で入れ替わる状況が続いています。通貨の強弱の組み合わせによる通貨選択が有効な局面が続いています。強い通貨同士、弱い通貨同士を組み合わせた通貨ペアの選択だけはしないようにしたいと思います。

本日は、オーストラリアの失業率に注目しています。足元の動きでニュージーランドに比べて通貨の弱さが目立っており、警戒しています。また、明日は米国の小売売上高が発表されます。昨日の消費者物価指数同様、金融引き締めの強弱を判断するのに重要な指標となります。USDは思惑的な動きになることも想定されるので注意したいと思います。

今日の環境分析 2022年7月13日

昨日は、EURUSDが1.0のパリティにまで達しました。Axioryでは1.0ちょうどまで達しましたが、1.0を割れるまでには到りませんでした。欧州経済がロシアの天然ガスとの関係から景気停滞懸念が一段と強まってきています。このため、ユーロ安の動きは継続していくと考えています。EURUSDの1.0割れは一旦は回避されましたが、1.0割れは通過点に過ぎないと考えています。割れた場合には、ポジション調整の動きから下振れの動きが加速する可能性が高いと思います。

通貨相関からは、USD・CADの強さ、EUR・GBPの弱さが継続しています。これら通貨を組み合わせた通貨ペアに継続して注目しています。また、JPYは再び強さが戻りました。このため、USDJPYが137円台をつけに行く局面でも、クロス円通貨は上値を追えず頭の重たい展開になりました。USDやEURを軸とした通貨選択が継続して望ましいと考えています。

本日は、21時30分に発表される米国の消費者物価指数に注目です。市場の注目度は先週末の雇用統計以上に高いため、どのような数値であっても発表後の反応は大きくなることが想定されます。発表時間前後の値動きに警戒したいと思います。デイトレであれば、同時間帯のトレードは回避した方が良さそうです。
また、11時にニュージーランドが、23時にカナダがそれぞれ政策金利の発表を行います。金融引き締めの方向にあるため、利上げ幅に注目です。

今日の環境分析 2022年7月12日

昨日は、個別に大きく動く展開となり、新たなトレンドの発生を確認することができました。参院選挙の与党圧勝によって政権の長期安定化を確認できたことや、先週末の米国雇用統計の内容から7月も0.75%の利上げ予想が高まりました。これを受けて、USDJPYが大きく動き137円台に入ってきました。USDの強さが目立つことから、EURUSDが下落し1.0となるパリティが目前に迫ってきました。

通貨相関からは、USD・CADの強さ、JPY・EURの弱さが目立ちます。これら通貨の組み合わせに注目しています。JPYの弱さは継続していますが、USDJPYを除いたクロス円通貨は上値が重い展開になっています。USDやEURを軸に通貨選択することが望ましいと思います。USDやCAD関連通貨に新たなトレンドの発生を確認することができます。

本日は、イエレン米財務長官と鈴木財務相との会談が予定されています。この中で、為替相場に言及された場合、その内容次第では大きな動きが発生する可能性が高いので警戒しておきたいと思います。

今日の環境分析 2022年7月11日

週末金曜日から日曜日にかけて、重要なイベントが多くありました。金曜日の安倍首相が殺害されたことは衝撃でした。為替市場では、アベノミクスの否定がされるのではと金融緩和からの脱局と読んだ投資家の円買いがありましたが、すぐに否定されました。米国の雇用統計は堅調な数字となりましたが、サプライズはありませんでした。市場は水曜日の消費者物価指数に目が向いています。日曜日の参議院選挙は与党自民党の圧勝となり、岸田政権の安定を確認しました。今後の積極的な政策展開が期待されます。アベノミクスを否定することはないと思いますが、金融政策に変化が生じてくるかに注目しています。

通貨相関からは、JPYが再び弱い動きとなり、クロス円通貨の堅調につながりました。しかし、クロス円通貨にトレンドの発生は確認できないため、依然として見送り姿勢を維持しています。EURの弱さが継続していることから、EURを軸とした通貨選択が良いと考えています。マイナー通貨が堅調であることからも、EURとAUD・CAD・NZDとの組み合わせに注目しています。

今週は、水曜日に注目です。今週の最大関心事である米国の消費者物価指数に加え、ニュージーランドとカナダで政策金利の発表があります。水曜日に向けて、USDは神経質な展開が想定されます。また、金曜日には米国小売売上高が発表されます。景気後退懸念を確認するのかどうか、金融引き締め策の強化がされるのか、など思惑が高まる展開になると思われます。

(参考)上記内容を音声で確認されたい方はこちら。テスト的に作成してみました。継続するかどうかは未定です。

スワップ一覧_2022/7/9(Axiory/BigBoss/XM/Titan)

プラスのスワップポイントになる通貨ポジションが増えています。プラススワップポイントは、各国間のファンダメンタルズを反映した結果になります。
スイングトレードにおいては、デイトレードよりもファンダメンタルズの影響を受ける度合いが強まります。このため、プラスのスワップポイントの通貨ペアは、通貨選択の第1段階として大事な役割を担っていると思います。
BigBossの特別だったスワップポイント方針は変更され、他社と同様の方針になりました。