今日の環境分析 2022年7月14日

ついにEURUSDが1.0のパリティ(等価)を20年ぶりに割り込みました。昨日発表された米国の消費者物価指数の6月の上昇率は、前月比+9.1%と40年半ぶりの大きな上昇となりました。米国の利上げが加速されるとの観測が高まり、USDの独歩高を後押しする結果となりました。一方、ロシアの天然ガスの対応を受けた欧州経済の停滞懸念が高まっていることから、欧米の景況感の違いから欧米の金利差が一段と拡大するとの見方が強まりました。カナダも大幅な物価上昇が続いているため、1%の大幅な利上げを行いました。

通貨相関からは、USD・CADの強さ、EUR・GBPの弱さが継続しています。米国・欧州大陸のグローバルの地域間格差が生じているようです。ウクライナ情勢の長期化で欧州経済の停滞によるEURの弱さ、首相辞任に伴う政局の不透明感の高まりGBPの弱さとなっています。一方で、大幅利上げに伴う欧州との金利差を背景としたUSD・CADの強さとなっています。JPYの弱さは継続しているものの、下位足では短期で入れ替わる状況が続いています。通貨の強弱の組み合わせによる通貨選択が有効な局面が続いています。強い通貨同士、弱い通貨同士を組み合わせた通貨ペアの選択だけはしないようにしたいと思います。

本日は、オーストラリアの失業率に注目しています。足元の動きでニュージーランドに比べて通貨の弱さが目立っており、警戒しています。また、明日は米国の小売売上高が発表されます。昨日の消費者物価指数同様、金融引き締めの強弱を判断するのに重要な指標となります。USDは思惑的な動きになることも想定されるので注意したいと思います。