欧州中央銀行(ECB)は、6月に予告していた利上げ幅を0.25%から大幅に修正し、0.5%の利上げを行いました。この結果、マイナス金利政策からの脱却することになりました。ウクライナ情勢の深刻化に伴うインフレの加速を受けたものですが、経済基盤の弱い国の中には金利負担が経済圧迫につながる可能性が高まりました。このため、利上げ発表とともにユーロは上昇しましたが、長続きせずに政策金利の発表前の水準にすぐに戻りました。
一方、日本銀行は金融緩和継続を発表し、総裁の会見では緩和策の完全否定をしました。このため、円売りの安心感から円安が加速しUSDJPYは139円直前まで迫りましたが、前の高値を抜けることはありませんでした。ユーロ同様に反落し、上値の重さを感じる動きでした。
通貨相関からは、前日とほとんど変わらない状況になっています。USDは下位足で3日連続で7通貨中の最下位に位置しており、上値の重さが継続しています。JPYの弱さも継続しており、昨日の日銀の金融方針を受けて安心して売れる通貨として見られています。EUR・GBPの弱さも継続しており、メジャー通貨のすべてが弱い通貨になっています。一方、マイナー通貨の強さが継続していることから、メジャー通貨売り・マイナー通貨買いの組み合わせで通貨選択をしていきたいと思います。
本日は、日本の消費者物価指数、英国・カナダの小売売上高、欧州・英国のPMI(購買担当者景気指数)が発表されます。ともに、景況感を判断する重要な経済指標となります。インフレ状況を確認することができるため、今後の金融政策の方向性や加速度を判断することができると思います。現在は、通常よりも個々の経済指標に過剰反応すると思われるので、慎重に対応したいと思います。週末でもあることから、静観するのもありかなと思います。