今日の環境分析 2023年3月10日

 昨日は、前日に発表したカナダ中央銀行の利上げ停止を受けて、CAD関連通貨の下落が目立ちました。日本を除く先進国でこれまで続いてきた金融引き締めの動きが、各国の経済情勢の違いから金融政策の方向性に変化が出てきています。その典型例がCADの動きになって表れているように思われます。

 通貨相関からは、USDの強さが継続しており、EUR・GBPも堅調な展開になっています。ともに金融引き締めを継続する見通しであるため、金利差を意識した動きになっています。逆に、CADに代表されるようにAUD・NZDなどは金融引き締めのゴールを見越して、軟調な展開が続いています。強いメジャー通貨買いと弱いマイナー通貨売りを継続して注目しています。

 本日は、昼頃に発表される日銀の金融政策決定会合の内容に注目です。利上げの可能性はないと思いますが、イールドカーブコントロールへの対応など、金融緩和策の一部でも変更することが示唆されるとJPYの強さが加速すると思われます。一部の投資家はこうした動きを予想しているためか、足元のJPYの強さにつながっています。
 また、米国の雇用統計にも注目です。再来週に予定されているFOMCにおける利上げ幅を、決定づけることになると思われます。USDに関しては雇用統計の内容通りに沿った方向感で臨みたいと思います。しかし、週末金曜日でもあることから、慎重な投資姿勢を維持しておく必要があります。
 来週から、米国は夏時間に入ります。1時間前倒しになるため注意が必要です。欧州は米国より2週間遅れで夏時間になります。また、オーストラリアとニュージーランドは、4月2日からが冬時間です。

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