欧州中央銀行(ECB)は、2会合連続して+0.75%の利上げを発表し、主要政策金利は2.0%と13年ぶりの水準となりました。9月のユーロ圏の物価上昇率が9.9%と5か月連続で過去最高を更新し、インフレに歯止めが効かないことへの対応です。景気減速懸念が高まっているなか、インフレ抑制に向けた利上げ継続方針を打ち出しています。欧州経済の今後の動向に警戒しています。
米国では7-9月期のGDPが発表され、前期比年率+2.6%と3四半期ぶりにプラス成長になりました。景気後退懸念を緩和しましたが、住宅部門が大幅減となっており、住宅金利の上昇の影響が目立ちます。依然として景気後退懸念が続いていることから、利上げペースをピークアウトする方向性が高まると思われます。
通貨相関からは、USDの弱さが継続しています。EUR・JPYとともにメジャー通貨の弱さが目立ちます。GBPのみはこれまでの売り込まれた反動もあり、堅調な展開になっています。CADは、利上げ幅を圧縮し、利上げ余地の限界を確認したことで、軟調な展開となっています。メジャー通貨のショートポジションを中心に通貨選択をしていきたいと思います。
本日は、日本銀行の政策金利と日銀総裁の記者会見に注目です。金融政策に変更がないと思われるものの、日銀総裁の発言に警戒が必要です。為替介入と金融緩和との整合性が問われることになります。今回の最初の為替介入は、前回の記者会見後の急激な円安時に行われました。今回も、日銀総裁の会見内容次第では、JPYは大きく動く可能性が高いので警戒したいと思います。その他、ドイツの消費者物価指数やGDP、カナダのGDP、米国のPCEデフレーターにも注目しています。
来週から、欧州は冬時間に入ります。今までの16~17時の動きが、17~18時になることに注意してください。なお、米国の冬時間入りは、欧州よりも1週間遅い翌週からになります。