IMF(国際通貨基金)が世界経済の成長率を下方修正しました。2022年の実質成長率を4月時点の3.6%から3.2%へと下方修正しました。ウクライナ情勢の長期化、エネルギー価格高騰によるインフレと主要国の利上げ、中国のロックダウン(都市封鎖)などから、新型コロナから回復しつつあった世界経済を減速から停滞に向かってきました。世界同時不況の淵にあるとのコメントがありました。米国や中国の下方修正が目立っています。
ロシアが欧州への天然ガスの供給量を大幅に絞り込むなか、EUがエネルギー相理事会で来年春までの天然ガス消費量を15%減らすことを合意しました。欧州経済の停滞懸念から、EURが大きく売られました。
日本時間明日未明にFOMCの政策金利の発表を控えていることから、USDは小動きに推移しています。
通貨相関からは、EURの弱さが顕著です。上位足から下位足まで方向性が揃ってきています。本日のFOMCの政策金利次第で、USDの方向性が固まると思われますが、対EURへの優位性は維持すると考えています。このため、EURUSDは再びパリティ割れになる可能性が高まってきています。JPYの反発の動き、AUDの継続した強さが目立っています。EURを除けば、上位足から下位足まで方向感が揃っていないため、分かりにくい展開が続いています。短期的な通貨の強弱をみて通貨選択をしていきたいと思います。
本日は、日本時間明日未明にFOMCの政策金利が発表され、FRB議長の記者会見が行われます。一時強まった1%の利上げの可能性は低いと思われ、0.75%の利上げではサプライズはないと思われます。FRB議長の記者会見において、コメントの中に今後の金融方針を示唆する内容があるか市場は注目しています。インフレ加速に伴う米国経済の停滞懸念などが、金融政策にどのように影響していくのか、為替相場は教えてくれることになりそうです。