今日の環境分析 2023年3月31日

 昨日は、日本時間と米国時間ではボラティリティが前日比で大きく低下し、全般に様子見の展開となりました。前日に続き、複数のクロス円通貨が日足で20SMAを上回りました。これで、USDJPYを除くクロス円通貨すべてが日足で買い領域に入ってきました。JPYの年度末のレパトリエーションが終わったことで、円高が一服したと判断できます。金融システム不安が落ち着いてきたこともリスクオフの動きが弱まり、JPYの反転につながっているようです。

 このような動きは、通貨相関からも判断でき、JPYの弱さを示しています。USDの弱さも継続しているため、USDJPYには反映していませんが、クロス円・ドルストレート通貨の弱さに表れています。CADの強さが継続しており、AUD・NZDの反発の動きも見られます。これらマイナー通貨の買いを軸に通貨選択をしたいと思います。

 本日は、東京都の消費者物価指数に注目です。物価動向の先行指標として注目が高まっており、来月就任する日銀新総裁の金融政策のかじ取りに影響を与えるものとして注視していきたいと思います。その他、欧州の消費者物価指数、カナダのGDP、米国のPCEデフレーターにも注目です。市場全般が様子見の中、よほどのサプライズの内容でない限り、市場への影響は少ないと考えています。
 本日が、週末・月末・四半期末・年度末となります。期末のポジション整理から突発的な動きになる可能性も否定できないため、デイトレは早めの決済が賢明と考えます。スイングトレードでは、保有していたポジションをすべて決済しました。週代わりのポジション保有を回避しました。
 なお、来週からオーストラリアとニュージーランドは冬時間入りします。経済指標の発表などは現在よりも1時間遅くなります。

今日の環境分析 2023年3月30日

 昨日は、年度末に向けて動いてきたJPY買いの動きが終わり、クロス円が大きく上昇しました。複数のクロス円通貨が、日足ベースで売りと買いの分岐点となる20SMAを上回りました。目先の動きが反発にすぎないのか、トレンド確認に向かうのか、今後の展開に注目しています。クロス円以外は小動きに推移しており、期末の様子見気分の強い展開になっています。

 通貨相関からは、下位足でJPYの弱さとCADの強さが確認できます。日足への波及度合いに注目しています。EUR・GBPが堅調な展開が続く一方、USDの弱さが目立ちます。このため、USDJPYの上値の重さをもたらしています。上位足から下位足の動きが揃っていない通貨が多いことから、方向感がつかみにくい展開になっています。下位足の方向性を判断し、デイトレベースでの通貨選択にとどめたいと思います。

 本日は、日本時間明日未明の米国財務長官の発言に注目です。金融システム不安が沈静化しつつある中で、今後の金融政策の発言内容を確認したいと思います。明日で3月が終わります。月末と四半期末が重なるうえ週末であることから、ポジションの保有には注意したいと思います。スイングトレードでは、月をまたがないようにポジションを解消する方針です。

今日の環境分析 2023年3月29日

 昨日は、小動きに推移しました。方向感のない展開が続いており、多くの通貨ペアがレンジ内の動きになっています。ボラティリティが高いためデイトレはトレードチャンスがありますが、スイングではトレードしにくい環境が続いています。月末・四半期末が近いこともあり、様子見気分が強い展開になっています。

 通貨相関からは、GBPの強さ・NZDの弱さが目立ちます。CADが下位足で強さが目立ってきました。カナダは金融政策で先行してきたため、相対的に弱い展開が続いていました。期末特有の買い戻しの動きかもしれませんが、日足に波及してくるのか注目しています。

 本日は、オーストラリアの消費者物価指数に注目です。NZDとともにAUDは弱い通貨群で推移していますが、反転のきっかけとなるの注視しています。日本の株式市場では今日が年度内最終日になります。年度内のJPYポジション調整の動きは最終局面です。来週からの月代わりからの動きに期待しつつ、今は慎重なスタンスで臨みたいと思います。

今日の環境分析 2023年3月28日

 昨日は、ドイツのIFO景況指数が発表され、事前予想を上回りドイツ経済の安定化を確認する結果となりました。欧州の金融不安が解消されたわけではありませんが、最悪の状況を回避しているとの判断から、EURやGBPが堅調な展開となりました。GBPJPYやCADJPYが1%を超える上昇となりましたが、方向感を決定づけるまでには到らず、買い戻しの動きにとどまっています。

 通貨相関からは、JPYの強さが継続しています。昨日はクロス円の上昇がみられましたが、JPYが最強通貨になっています。CADに反発の動きがみられますが、上位足に波及するのか、単なる調整に終わるのか注目しています。JPY・GBPの強さ、AUD・NZDの弱さが目立っており、上位足から下位足まで強弱関係が揃っています。これら通貨の組み合わせに注目したいと思います。

 本日は、米国議会上院で公聴会が開催され、FRB副議長の銀行の相次ぐ破綻に関する証言が予定されています。欧米ともに、大幅な金利上昇が金融システムに影響を与えたことは間違いないと考えています。この先の金融政策のかじ取りに注目したいと思います。また、オーストラリアの小売売上高や英国BOE総裁の発言にも注目です。内容次第で、AUD・GBPの大きな変動がありうるので警戒したいと思います。

今日の環境分析 2023年3月27日

 先週末に発表された欧米各国・地域のPMIは、10か月ぶりの高水準となり、景況感の改善が確認されました。しかし、欧米での金融システム不安は、金融当局が積極的な対応をしているものの不安が継続しています。米国では中小銀行からの資金流出が止まらず、ドイツ銀行の株価が急落するなど、世界中の金融不安は継続しています。金融不安とインフレ抑制にはさまれ、先進国の金融政策に注目しています。
 市場全般は、終値では小動きに終始しました。ボラティリティは、日本時間と米国時間で前日比で大きく低下しているものの、欧州時間で高まったことで日中の変動が高まりました。

 通貨相関からは、先進国の金融システム不安を背景にリスクオフの動きが強まっています。結果としてJPYの強さにつながっています。USDの弱さは継続しており、AUD・CADの弱さも目立ちます。クロス円の売りを中心に通貨選択をしていきたいと思います。

 今週は、月末に加え日本では年度末になります。年度末のJPYの本国回帰の動きがあることから、円高方向は継続すると考えています。米国では、FRBバー副議長の上院・下院の金融不安対応をテーマとした公聴会での証言が注目されています。また、FRBはブラックアウト期間を終えたことから、多くのFRB高官の発言が予定されています。金融システム不安が高まっている中、その対応策や金融引き締めの考え方など、市場にインパクトを与える材料が多いため警戒が必要です。今週も物価関連指標の発表が相次ぎますが、来週に控える雇用統計やISM景況指数に比べると重要度の低いものになっています。月末・四半期末であることから、ポジション調整の動きに警戒したいと思います。
 本日は、英国BOE総裁の発言が予定されており、金融システム不安へのコメントに注目しています。欧米の金融システム不安はいつ材料が出てもおかしくない状況にあるため、当面は慎重な姿勢で臨みたいと考えています。

今日の環境分析 2023年3月24日

 昨日は、英国とスイスで利上げが発表されました。英国BOEは、11会合連続の利上げをし政策金利を4.25%としました。利上げ幅は+0.25%となり、前回の+0.5%から圧縮しました。前日発表された消費者物価指数(CPI)の伸び率が再拡大したため利上げを継続していますが、今後CPIの伸び率は鈍化すると見通しており、利上げの停止の可能性を示唆しました。スイスSNBは、2会合連続で+0.5%利上げし、政策金利は1.5%になりました。
 市場全般は、依然としてボラティリティが高いものの、小動きに推移しました。

 通貨相関からは、EUR・JPYの強さ、マイナー通貨の弱さが継続しています。USDの弱さも継続しており、USDとマイナー通貨の売りを軸とした通貨選択を継続したいと思います。金融政策の方向感の違いが通貨の強弱を決定しています。米国・英国ともに利上げのゴールが明確になりつつあり、USD・GBPの上値を重さを意識する動きになっています。

 本日は、日本の全国消費者物価指数、欧米各国・地域のPMI、英国とカナダの小売売上高に注目しています。特にPMIは購買担当者景気指数の略称であるように、景気の速報性の高い指標です。今後のインフレ動向を判断するうえで重要な要因となるため、各国・地域の発表時間帯の値動きに注意したいと思います。
 なお、来週から、英国・欧州は夏時間に入ります。

今日の環境分析 2023年3月23日

 本日未明、FOMCは政策金利を+0.25%の利上げを継続すると発表しました。誘導目標は4.75~5.0%となりました。FRB議長は記者会見において、必要であればさらに引き上げる可能性があり、年内の利下げは想定していないとコメントしました。年内に、あと1回の0.25%の利上げが予想され、金融引き締めの終了の可能性が高まっています。経済成長・インフレ抑制・金融安定の3つの課題をどう克服していくのか、今後の金融政策を注視したいと思います。
 英国では、昨日、消費者物価指数が発表され、前年同月比+10.4%と市場予想を上回り、4か月ぶりに拡大しました。インフレのピークアウトを確認するには到らず、依然として高いインフレが続いています。
 市場全般は、FOMCの発表を前に様子見となり、方向感のない展開となりました。

 通貨相関からは、EUR・GBPの強さが目立ちます。先週、ECBは金融安定よりもインフレ抑制を重視し利上げを継続しました。本日の英国も利上げ継続が想定されています。米国に比べ金融引き締めのゴールが遠いと考えられていることから、USDに対する強さが目立ってきています。USDとマイナー通貨の弱さは、金融政策の違いを示しています。JPY・EUR・GBPの買いを軸にした通貨選択を継続したいと思います。

 本日は、英国BOEの政策金利の発表に注目です。昨日の消費者物価指数では4か月ぶりに拡大するなど、インフレ抑制の動きが継続しそうです。+0.25%の利上げが予想されており、サプライズはないと思われます。また、スイスSNBの政策金利にも注目です。クレディ・スイスに言及するのか、声明文に注目しています。トレンドを確認できる通貨ペアが増えてきています。3月末に向けた動きとして、トレードチャンスの拡大に対応していきたいと思います。

今日の環境分析 2023年3月22日

 昨日は、3月7日分のRBA議事録が公表され、4月以降の利上げ休止を検討するとの内容からAUDが下落しました。米国では金融システム不安に対する金融当局の迅速な対応が評価され、不安は一服したと考えられています。しかし、破綻銀行への全面救済に批判の声を大きいことから、金融システム不安は当面継続すると思われます。市場全般では、EUR関連通貨の強さが目立ちました。

 通貨相関からは、AUDに代表されるように金利のピークアウト感のみられるNZD・CADの弱さが目立ちます。USDも弱さが継続しています。一方、これ以上の金融緩和が想定されないJPYや、利上げ余地のあるEUR・GBPの強さがみられます。こうした金融政策の違いが通貨の強弱に表れています。JPY・EUR・GBPの買いに対し、USD・AUD・CAD・NZDの売りを組み合わせた通貨選択をしていきたいと思います。

 本日は、英国の消費者物価指数に注目です。明日の英国中央銀行の金融政策の発表を前に、内容次第でGBPの値動きは高まると思われます。
 それ以上に注目なのが、日本時間明日未明に発表されるFOMCの政策金利です。このところの金融システム不安とインフレ抑制の綱引きの中、0.25%の利上げをするのか利上げを見送るのか注目です。労働市場の逼迫を受けて一時0.5%の利上げも予想されていましたが、可能性はほぼゼロになりました。おそらく0.25%の利上げになると思われますが、発表後のUSDの方向性に注目しています。
 明日は、スイスと英国の政策金利が発表されます。先進国の金融政策の違いに注目しています。

今日の環境分析 2023年3月21日

 昨日は、久しぶりに落ち着いた展開となりました。前日比で1%を超える変動は1通貨ぺアにとどまりました。しかし、クロス円を中心に日中のボラティリティは高い状況となりました。なかでも日本時間のクロス円は大きく動きました。UBSによるクレディ・スイスの買収、主要中央銀行6行によるUSDの資金供給など、金融システム不安を落ち着かせる効果はあった模様です。

 通貨相関からは、USD・CADの弱さが継続しています。クレディ・スイスの件が落ち着いたことで、金融引き締めを継続しているEURの相対的な強さが戻ってきました。EUR以上に強い状況にあるのがGBPです。月足を除いた時間足で上位を占めてきました。JPYは、ボラティリティの高さで表されているように反落局面が発生しています。下位足では弱含む展開となりましたが、GBPとともに強いグループにあります。強いJPY・GBPと弱いUSD・CADを組み合わせた通貨選択をしたいと思います。

 本日は、日本は祝日のため日本時間は落ち着いた展開になると思われますが、9時30分に発表されるオーストラリアRBAの議事録公表の内容次第ではAUDの動きに注意する必要がありそうです。21時30分のカナダの消費者物価指数にも注目しています。カナダの金融政策の行方を判断する重要な指標と考えています。翌日に米国FOMCの政策金利の発表を控えているため、大きくは動きにくく様子見の展開を想定しています。