今日の環境分析 2022年9月27日

昨日は、月曜日の朝の流動性の低い時間に、GBP系通貨を中心に急落しました。英国の減税策に伴う景気悪化懸念から下落した前週末の流れを受けて、下落が下落を呼ぶスパイラルな動きとなりました。ストップ狩りの動き等のテクニカル要因であると想定されます。その後は、反転し、朝の下落分を埋める動きとなりました。USDJPYは、先週の為替介入に伴う下落を埋めるかのように上昇し、145円が射程圏に入ってきました。再び、為替介入があるのか注目しています。ちなみに、為替介入を担当した財務省の神田財務官の名前から、145円を防衛ラインとする「神田シーリング」と呼ぶそうです。
イタリアでは極右政権が誕生し、EUの結束に不安が生じてきています。ロシアへの経済制裁対応に変化があるのか、ウクライナ情勢に影響を与えるか、今後の動きには警戒しておく必要があると思います。一方、ロシアでは、予備役兵徴収に伴う国民の不満が噴出してきており、この動きが拡大すればプーチン大統領の足元を揺るがす可能性が高いと思います。ウクライナ情勢の終息に向けた動きを期待したいと思います。

通貨相関からは、USDとJPYの強さが継続しています。USDJPYが上昇していることからも、実質的にはUSDの一強状態にあり、ドル高の動きと判断できます。ドルストレート通貨に注目です。JPYはUSD以外に強い動きが継続していることから、USDJPYを除くクロス円の下落方向の動きが強まっていると判断しています。EUR・AUDも弱い動きが続いていますが、近隣通貨であるGBP・NZDに対して強い動きとなっています。昨日も述べたように、通貨強弱で通貨ペアの動きをみると、EURGBP・USDCAD・AUDNZDなど近隣通貨のトレンドが明確です。ドルストレート通貨を選択する際に、近隣通貨ペアの動きを判断し、弱い通貨を選択することが望ましいと思います。

本日は、FRB議長の討論会における発言に注目しています。タカ派発言が継続しているのか、ニュアンスに変更があるのか注意しておきたいと思います。USDJPYが上昇していることから145円が近づいてきています。神田シーリングが機能するのか、為替介入を警戒しつつ臨みたいと思います。また、英国政府による減税に伴う国債発行とイングランド銀行の利上げとともに実行する国債売却の動きと、相反する動きから混迷が続いています。下落の続くGBPUSDのパリティに向けた動きに注意したいと思います。

コメントを残す