昨日は、未明に米国で0.75%の利上げが発表された後、昼前に日銀が金融緩和継続を発表しました。これを受けて、日米金利差の拡大を再確認できたため、USDJPYは145円台にまで突入しました。その後、政府は24年ぶりの円買い介入を実施し、サプライズとなり145円から140円まで短時間で一挙に円高方向に進みました。その後は、ドルを買い戻す動きも見られました。口先介入だけだと思っていたのが、実際に介入してきたことで145円を越える円安水準は望んでいないことが判明しました。日銀総裁の会見では今後の緩和継続を表明している一方、FRBは利上げ継続を示唆していることから、日米金利差の拡大は継続していきます。このため、トレンドしてのドル高を否定することができません。今後は、145円まで円安になれば介入を実施し、急落した所ではドル買いが入るような、幅広いレンジの動きが想定されます。しかし、為替介入を継続的に実施する可能性が高まっていることから、米国の利上げ幅は限定的であることもあり、徐々にボディブローのように円高方向への動きが強まると思われます。
英国では、7会合連続で利上げし+0.5%の利上げと国債売却を決定しました。金融緩和からの脱却に積極的な姿勢が示されました。また、スイスは+0.75%利上げしマイナス金利から脱却しました。これで、先進国中、日本のみがマイナス金利を維持していることになります。
昨日は、多くの国で金融政策が変更され、ノルウェー+0.5%、インドネシア+0.5%、フィリピン+0.5%、台湾+0.125%の利上げを実施しました。一方、ブラジルは利上げを停止し、トルコは1%利下げとなりました。
通貨相関からは、先週半ばから続いているJPYの強さを確認できます。この動きは、日足から週足にまで波及してきており、為替介入はこの動きを後押しするものになりました。USDは、米国の金融引き締め継続に加え、欧州大陸の地政学リスクを考えると、強さは継続しています。このため、強い通貨としてのUSDやJPYを軸に通貨選択をしていきたいと思います。EURはロシアの動きに警戒し見送り姿勢を強めています。
本日は、昨日の円の介入や各国の政策金利の変更を消化する展開になると思われます。日本が祝日であるため、大きな変動はないと思われますが、広いレンジでの動きを想定しておく必要があると思います。欧州各国のPMIやカナダの小売売上高の発表があり、注意しておきたいと思います。